マイクロソフトカップセミファイナル マッチ&会見リポート(ヤマハ発動機 39-40 サントリー)

マイクロソフトカップセミファイナル、リーグ戦3位のヤマハ発動機ジュビロと同2位のサントリーサンゴリアスの試合は、1月末のこの時期にしては穏やかな日差しの近鉄花園ラグビー場で行われた。
試合前、僅差のロースコアの展開、ロスタイムで勝敗が決まるのでは、と予想された試合であったが、前半開始早々から、サントリーが先行、2分に左CTBニコラスがディフェンスをずらした間に右CTB平がパスを受け、右隅にトライをあげゲームが動いた。サントリーはその後もライン攻撃で得点を重ね、前半を13-22でリードして折り返した。ヤマハはリーグ最終戦にようやくレギュラーに復帰し、39歳の誕生日を迎えたSH村田が先発出場し、FBウィリアムスの個人技で得点を重ねるが、サントリーのディフェンスを崩すことができなかった。

後半もサントリーが1分にライン攻撃で左CTBニコラスがトライをしてゲームを支配。11分にもSO菅藤がDGで得点を広げるなど着々と加点、25分には20-40とダブルスコアでほぼ勝利を手中にしたと思われた。
しかし、ヤマハもサントリーのディフェンスが崩れる間にグラウンドを縦に使って追い上げ、29分、32分、34分と瞬く間に39-40の1点差に詰め寄り、ロスタイムには自陣インゴールからの攻撃で勝利をつかみかけたが、ラックでボールをターンオーバーされ、万事休した。
花園の観衆は最後まで試合を捨てないヤマハ、リーグ2位の意地のサントリーに惜しみない拍手を送り、手に汗を握る白熱したゲームに満足したのではないだろうか。
堀川監督(左)、大田尾ゲームキャプテン
堀川監督(左)、大田尾ゲームキャプテン

ヤマハ発動機ジュビロ 39-40 サントリーサンゴリアス(1月28日)

◎ヤマハ発動機ジュビロ
○堀川隆延監督

「素晴らしい環境とたくさんのファンの中でゲームができたこと、また17台のバスで応援に駆けつけてくれた磐田のサポーターに、さらにサントリーに感謝しています。また最後まであきらめずにプレーしてくれた選手にも感謝しています。こういう厳しい試合をすることで日本のラグビーのレベルは確実にアップしていくのだと思っています。
我々はボールを動かし、グラウンドの幅をいっぱいに使って攻撃を仕掛けた。負けはしたが意図するゲームはできた。1点差とはいえ負けは負け、しっかり立て直して次はリベンジしたい」

○大田尾ゲームキャプテン
「たくさんのファンが磐田から来てくれた中でゲームができてうれしかった。
前半からFWの近場を崩されることが多く、さらにFWのシンビンでその現象が強く現れたが、シンビンから戻ってきた時点で20分くらい時間があり、攻めればいけると思っていた。1点差まで追い上げたが最後はああいうプレッシャーの中で思うようにボールを出すことができなかった。1点差で勝つ、負ける・・・勝負とはこういうものかと実感した」

――後半になってチャンネル0、1あたりで大きくゲインしていったのは作戦?またシンビンがなかったらレーニーの投入の時間は?
○堀川監督
「あの時間帯でサントリーの足が止まっていた、選手の判断だった。レーニーは後半15分で入れる予定だったが10分遅れてしまった」

――日本選手権にむけて修正点は?
○堀川監督
「大きく修正する必要はない、緊張感を持ってしっかりプレーできるようにしたい」



清宮監督(左)、小野澤キャプテン
清宮監督(左)、小野澤キャプテン

◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督

「まったく違うチームが70分と10分プレーしたような印象だ、小野澤のトライまではサントリーのペースでいいラグビーができたが、あのトライから少し気がゆるんだようだ。その後のゴール前のラインアウトから何の抵抗もなくトライを許した、あそこがターニングポイントだった。
昨年の9月のリーグ戦でヤマハに逆転負けし、その後、あの試合をネセサリー・ロス(Necessary‐Loss)と名づけ教訓にしてきたが、またもヤマハに教えてもらった。
今日は東京も同じようなスコアのゲームだったと聞いたが、次もエキサイティングなゲームができそうだ。全体的には70分間は我々がやろうとしていたラグビーができたと思う」

○小野澤宏時キャプテン
「いや~何もないです。前回のヤマハ戦と同じようになって・・・どうしようか?と全員を集めた、それぞれにもっともな意見が出てくるのだがまとまらず、どうにもできなかった」
○清宮監督
「何をやってもあの流れはとめられないよ!」

――今日のゲームプランは?
○小野澤キャプテン
「トスでマイボールキックオフを選択しプレッシャーをかけていき、エリアマネジメント、キックマネジメントすることで、相手FBのキックを封じ込めるつもりだった、狙い通りにこちらの思う所に蹴ってくれたので、キックを有効的にキャッチできFWを後ろへ下げずにすむことができた」

――『何をやってもあの流れはとめられないよ!』について
○清宮監督
「ああいう展開になると流れは何をやっても変わらない。残り数分でマイボールを簡単に渡してしまうラインアウトなどのように、ありえないことが起こった。最後の10分は異常な状態だった。またああいった状態はいったん点差が開かないと作れないことで、やはり小野澤があまりにも簡単にトライを取ったことでチームがゆるんでしまった」

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