入替戦 マッチ&会見リポート(日本IBM 29-29近鉄)

ビッグブルーがかろうじてトップリーグ残留!!
ライナーズは同点により無念のトップイースト残留へ。


前半、両チームともスローペースなゲーム展開で始まった。しかしながらハンドリングミスも目立つ展開であった。これを断ち切る先制点をあげたのは、日本IBMビッグブルー・高選手のPG成功からであった。またFW陣のモール攻撃でトライもあり、前半、得点は16点をあげ、折り返した。近鉄ライナーズは地域獲得とディフェンスを重視した作戦で攻めていたが、ビッグブルーBKのラインブレイクで得点を許す展開となってしまった。

後半、ライナーズの反撃がはじまる。9分のスクラムトライから始まり、19分はビッグブルーのミスをついた重光のトライとなり、20分には重光のゴール成功で逆転となった。ビッグブルーを突き放したいライナーズは、30分には重光のトライで29-21とした。しかし、ビッグブルーは、ライナーズの猛攻を止めるのがやっとの状態。反撃に出たのは、34分過ぎからであった。高選手のPG成功で24-29。41分には、ライナーズゴールライン前でのモールから攻撃、そしてトライをとり29-29の同点。トップリーグ残留への執念というべきトライであった。

ノーサイドの笛が鳴り、歓喜するビッグブルー、沈黙でうなだれるライナーズ。同じピッチ上で、対照的な2チーム。同点のため複雑な思いが交わる結果となった。大会規定により「同点の場合」はビッグブルーのトップリーグ残留となる。
日本IBM 29-29近鉄   日本IBM 29-29近鉄   日本IBM 29-29近鉄


中谷監督(右)、辻本キャプテン
中谷監督(右)、辻本キャプテン

日本IBMビッグブルー 29-29 近鉄ライナーズ(2月12日)

◎近鉄ライナーズ
○中谷誠監督

「本日はありがとうございます。長いシーズンでした。昨年IBMさんに39-0で負けたチームが29-29のドローというのは成長の証だと思います。トップリーグへ復帰はできませんでしたが、選手たちは最後の最後まで力を尽くしてくれて感謝しています。
(足りなかったのは?)‥‥。何なんでしょうかね。気持ちがもう一つ、試練、修練、大きな部分で甘いところがあったのかも‥‥。テクニック的にも‥‥。根本的にトップリーグに入るという気持ちが‥‥。どこかに攻め切る気持ちが足りなかったのかもしれません」

○辻本裕キャプテン
「ドローで結果はトップリーグに上がれませんでした。この2年、あの負けから1年、絶対にチームは前に進んでいます。まだ、足らない部分がありましたが、新しいメンバー、新しい血が来年はやってくれると思います。
(最後の場面は)獲られて、インゴールで話し合いができて、蹴ろうと思った先にテナナ選手が居たのでもう一つ別の選択肢を選びました。ただ、これでは上がっても良いパフォーマンスはできなかったと思います。今、冷静になってトライを獲られた場面を振り返ると、みんなミスですわ。3発ミス、ちゃいますか? それが足らないところです。もういっぺん、やり直して来なくてはあかんと思いました。ノーサイドまで、22人全員が常に負けてるんや、と思っていました。8点差ついた時も、僕自身、全然守ろうとはしなかったです。去年、サニックスと福岡でやった時は、正直、ブレイクダウンでこんなに差がついたかと思いましたが、今日で言えば、まったくなかったです。
(ベンチのあと1分という声は?)僕を含め、そんな声は聞こえていなかったです。一つ言えるのは、リザーブ含めてうちは本当に勝ちたかった、トップリーグに上がりたかった、どのチームより勝ちたいんです。その声やったんだと思います」

日本IBM 29-29近鉄   日本IBM 29-29近鉄
日本IBMビッグブルー

大西ヘッドコーチ(右)、高キャプテン
大西ヘッドコーチ(右)、高キャプテン


◎日本IBMビッグブルー
○大西一平ヘッドコーチ

「最低の試合でした。でも、トップリーグに残ったということで内容はもう少しでしたが、結果としては最高の試合でした。
(何が足りていないか?)まず、基本に忠実であるということ、自分たちの練習に立ち戻ること。この間よりも良くなりましたが、ゲームの進行、点数運び、ゲームのアヤ、獲りそこない、点数に反映できないところ、つまらないところでのミス‥‥。ラグビーという勝負は勝負勘を磨いていかないといけません。ただ、前回のゲームより上がったと思います。今シーズンはラグビー以外のことでもトラブルが多く、選手もラグビーを失いかけて、1ヶ月のブランクのときに見つめ直してくれたのが大きかったと思います。6年間やって来ましたが、一番大きく変化した年でした。選手たちが努力して、自分たちのチームだという意識が出てきました。トップリーグに残れたので半年間の猶予ができました。非常に楽しみな来年です。良い新人が入るし、順調にチーム力が上がってきていますから、それを証明する年にできるなと思えます。持てる力を点数につなげるラグビーをしてくれると思います。
(ヘッドコーチの今後は?)どうでしょうね‥‥。全然、何も考えていません。ラグビーとどういう距離感をとっていこうかと‥‥。1年くらいプラプラと‥‥生活できれば(笑)。チームはあさってくらいから練習するのではと思います(笑)」

○高忠伸キャプテン
「まずはトップリーグに残れたことを素直に喜びたいと思います。内容は物足りないところが一杯ありましたが、来年のトップリーグでこの修正ができるのは大きいと思います。
(8点差でペナルティゴールを狙ったが?)周りが冷静で、『狙え、狙え』と(笑)。3点詰めたほうが良いので、全く迷いはなかったです。良くも悪くも、あそこからペナルティを狙えたのは大きかったです。
(最後の12人モールでのトライは?)カールと坂本も入って全員でトライを獲るぞという気持ちが見えました。僕も『入れ、入れ!』と言っていました。(FBの)僕が入るわけにもいかないので(笑)」

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