3節 マッチ&会見リポート(クボタ 7-14 ヤマハ)

今年最後のナイトゲーム2試合が雨煙る秩父宮で行われ、1試合目でヤマハ発動機ジュビロとクボタスピアーズが対戦、トライ数は1つずつながらもCTB大西の3PGが効いたヤマハが今シーズン2勝目を挙げた。

ヤマハは前半、積極的にボールを動かすクボタに手を焼いたが、タッチラインへ追い出すようなディフェンスやラックでの絡みで対抗、2回のPG機をワールドカップから好調を維持している大西が確実に決めた。それでも前半の最後、自陣ゴール前の敵ボールスクラムでクボタCTB吉田のデコイランに惑わされたところをSO伊藤に衝かれ、トライを許し逆転されたところで前半が終了。

「サントリー、コーラに敗れる」の報にスタンドが沸いたハーフタイムが終わった後、ヤマハはすぐにトライを取り返す。自陣22M内やや左のスクラムで、ブラインドサイドのWTB徐へNO8トーマスからパスが渡る。徐は1人目をステップでかわすと追いすがるクボタディフェンダーを振り払いながらインサイドをサポートしていたFL久保主将へリターン、その後また久保からのパスを受けてインゴールへ。徐の力強いランによって11-7と逆転した。FW戦でやや優位に立つヤマハは19分、大西が3つ目となるPGを追加し、25分過ぎからのクボタの猛攻を凌いで14-7でタイムアップのホーンを聞いた。
NO8ケフを欠くクボタは、雨でピッチもボールも滑るせいか、昨シーズンのようなアタック力を示せなかった。FBマクイナリも1度だけライン参加から得意のステップでゴール前に迫ったがノックオン、試みたカウンターアタックはすべて不発に終わった。今シーズンまだ勝利のないクボタは次節、好調の神戸製鋼と対戦する。(米田)
クボタスピアーズ 7-14 ヤマハ発動機ジュビロ   クボタスピアーズ 7-14 ヤマハ発動機ジュビロ   クボタスピアーズ 7-14 ヤマハ発動機ジュビロ
クボタスピアーズ
山神監督(右)、鈴木キャプテン
山神監督(右)、鈴木キャプテン

クボタスピアーズ 7-14 ヤマハ発動機ジュビロ(11月10日)

◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督

「開幕から二連敗し、水曜日にサントリーさんとサテライト試合をして、臨んだ試合でした。私自身、悪い状態と思っていませんが、なかなかつながらない試合でした。下が滑るのでフィールドを取っていこうというゲームプランでしたが、ドロップゴールのチャージとか、プレーの選択ミスからエリアを失っていました。
前半、自分たちのほうが押されながらもリードして終えることができましたが、結果的には前半のペナルティゴールが痛かった試合です。ディフェンスも粘りが出てきましたが、ボールが出てこないのでテンポが悪くなっていました。伊藤のキックも良く、今日みたいなゲームをして、どこかで勝利をつかみたいと思います。一発でトライを獲られたのは残念です。ちょっとしたわずかな隙を突かれているので、しっかり練習していきたいと思います。手ごたえがまったく無いわけじゃなく、(今まで)勝っていない影響かなと思っています」

○鈴木力キャプテン
「ゲームとしては、前半、かなり自陣でプレーせざるを得なかったのですが、ノートライに抑え、最後にトライを獲ってハーフタイムという良い入り方でした。しかし、後半開始早々にターンオーバーからトライを獲られてしまいました。ただ、ヤマハさんのプレッシャーの下でも、崩れることなく最後までボール継続する力が出てきました」
――7点差で最後のプレー選択は?
「最後のワンプレーは井上がブレイクしてチャンスでしたが、選手の中でもタッチに出して(ボーナス1点を取って)良いという声がありました。その前のスクラムではブラインドサイドに強い小堀がいたので、勝負をかけました。敵陣でプレーできていたらボーナスポイント2点を取っていこうという考えでした」
――関東学院の事件については。
「一昨日の朝、ニュースで知ってショックを受け、残念でした。自分の関東学院で信じられないという思いです。しかし、起きてしまったことはしっかりと受け止めて、トップリーグの関東学院OBがしっかりして、現役の選手の分も頑張ることだと思います。僕たちにできるのはプレーですので、頑張ってプレーしていきたいと思います」


クボタスピアーズ 7-14 ヤマハ発動機ジュビロ   クボタスピアーズ 7-14 ヤマハ発動機ジュビロ   クボタスピアーズ 7-14 ヤマハ発動機ジュビロ
ヤマハ発動機ジュビロ

堀川監督(右)、久保主将
堀川監督(右)、久保ゲームキャプテン


◎ヤマハ発動機ジュビロ
○堀川隆延監督

「まず、雨のなか、磐田から応援に来てくださって大きな声援をいただいて感謝しています。ボールが滑る天候で、こういうゲームではまず、勝つことが大事で、5ポイントを狙いましたが4ポイント取ったことが今日の収穫でした。22mに入ったところでチャンスをものにできなかったのが、後半、こういう結果につながったと思います。チャンススペースでしっかり取り切る練習をして次節に臨みたいと思います」
――徐選手の活躍については。
「素晴らしいプレーと大きなミスでフィフティ・フィフティです(笑)。まだ、経験が浅いので、彼はいろいろと学んでいかなくては。しかし、入社して半年でポテンシャルだけでこれだけ戦えているのはすごいと思います。良いスピードと強さを兼ね備えていますので、4年後を見据えて、学ばせて、良いプレーヤーに育てたいと思います」

○久保晃一ゲームキャプテン
「たくさんのサポーターの皆様が雨の中、すばらしい声援を送ってくださったことに、まず感謝したいと思います。ホームのようなゲームでした。獲るべきところで獲れないというヤマハの悪いパターンが出てしまったのかなと思います。良いところはディフェンスでした。しっかり練習して次節に備えます」

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