3節 マッチ&会見リポート(NEC 38-22 九州電力)

うす曇りの秋空の下、風上を選択したNECのキックオフ。ところがSOヤコのミスキックから、センタースクラムに。九電SO齊藤のキック処理をNECバックス陣が再びミス。立ち上がりNECのリズムの悪さをついた九電は、絶妙にバックスに展開し、WTB山口がトライ。CTB吉岡のゴールも決まって前半8分0-7、九電が勢いを見せて先制します。
NECは再度のキックオフから、相手陣に攻め入りCTB安藤がPGを返して3-7と追いすがるも、九電ディフェンスからのプレッシャーでミスを連発。九電は、ターンオーバーしたボールを、CTBナイサン・グレイを起点とした攻撃からトライ、ゴール、その後も続けてPGを決めて18分には3-17までリードを広げます。
九電の奮い立つような波状攻撃にあってリズムをつかめないNECでしたが、ラックのボールアウト判断が合わずにハンドの反則を続けてとられて後退する九電に乗じて、段々と落ち着きを取り戻します。九電ラインアウトのミスからNECはSOヤコを中心に突破をはかり、ラックからキック攻撃。またも九電バックスのカウンターキックミスから逆にカウンターをしかけ、九電をゴール前に追い込みFLセミシがトライ、SOヤコのゴールも決まり10-17。前半終了近くにもNECがPGで追い上げ13-17で折り返します。

リードをされながらも落ち着いて、かつ力強いディフェンスで点差を縮めるNECは、後半に入ってセットが安定してきましたが、一方で、攻め込みながらラック周辺の反則で、リズムを逃す九電。NECは7分、WTB首藤のトライで逆転18-17となります。
確実なラインアウトから攻撃を仕掛けるNECに対して、九電の激しいタックル、あきらめないディフェンスは見ごたえあるものでしたが、NECフォワード陣のボディバランスの良い球出しとつなぎにあって、堪えきれず26分CTB安藤のPGで21-17、31分、35分と、SOヤコのトライで、瞬く間に35-17とセーフティリードまで突き放されます。
最後まであきらめない九電は、キックオフ直後に攻め入りラックから素早い展開で、CTBナイサンがトライ35-22、4トライ奪取と7点差圏内を目指してクイックでドロップゴールを狙うが外れ、ラストワンプレーにかけますが、最後まで取り戻したペースを崩さずにプレーしたNECに阻まれ、CTB安藤にPGを追加され38-22でノーサイドとなりました。
九電の健闘と、あきらめずに勝ち点2を狙いに行った根性、NECのリードされながらも落ち着いた力強いディフェンス、ハーフタイム後の見事な修正が光った好ゲームでした。
NEC 38-22 九州電力   NEC 38-22 九州電力


九州電力キューデンヴォルテクス

NECグリーンロケッツ 38-22 九州電力キューデンヴォルテクス(11月10日)

◎九州電力キューデンヴォルテクス
○神田識二朗監督

「反則が多く、リズムを崩してしまった。選手たちは、一生懸命頑張っているが、残念な試合である」

○川嵜拓生キャプテン
「前半の入りは、非常に良かったと思う。前半の中盤過ぎから、リズムが崩れはじめ、立て直しを図ったが頑張りきれなかった。ラックでのハンドの反則が多く、ゲームの流れを変えてしまった。ラックからのボールアウトの解釈について、選手には再三伝えたのだが、どうしても身体が反応してしまい、反則を繰り返してしまった」


NEC 38-22 九州電力   NEC 38-22 九州電力


NECグリーンロケッツ

◎NECグリーンロケッツ
○細谷直監督

「九州電力は、15人がまとまった良いチームであると把握していたので、受けに回ると負けるという認識をもち試合に臨んだ。先制されるなど、前半の立ち上がりに反省があるが、後半はチームをまとまりなおすことができた。次の試合に向けての反省点や課題が何点かあるが、必ず修正してゆく」

○浅野主将
「前節の試合の反省から、試合のスタートが大切ということは良くわかっていた。しかし、今日の前半は、ミスの連鎖から得点を与えたり、エリアをとられたりして、ゲームコントロールが上手くいかなかった。ハーフタイムに、シンプルに前進しようということを徹底した結果、15人がよく動き、ボールのリサイクルも相手を上回り、後半は、本来やりたかったゲームができている」

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