5節 マッチ&会見リポート(サントリー 50-10 三菱重工相模原)

先週一週間の休止期間を経て、ジャパンラグビー トップリーグが再開された第5節、秩父宮ラグビー場での第2試合は、ここまで3勝1敗(第3位)の強豪サントリーサンゴリアスに、4敗(第14位)の三菱重工相模原ダイナボアーズが挑んだ。
試合はサントリーのキックオフで始まり、開始早々よりサントリーは速いボールのワイドな攻め込みに三菱重工がどこまで守りきれるかの様相を呈した。
前半9分、三菱重工は敵陣22m付近でのペナルティ(ノットリリースザボール)より、SH正田選手がPGを成功し先制の得点をあげた。しかし前半12分にはサントリーがセンター付近ラインアウトより、右オープンにテンポの速いパスで展開し、SO野村選手からのパスをCTBタラント選手が抜け出し、WTB小野沢選手と繋ぎセンター付近に回り込み逆転のトライ(ゴール成功)、前半16分には敵陣ゴール前ラインアウトよりモールを作り、No8トンプソン選手が回り込みトライ(ゴール成功)。サントリーはその後も順調に得点を重ね前半は5トライ(2ゴール)、三菱重工も前半終了間際にサントリー陣深く攻め込むものの厚いディフェンスラインを突破できず、29対3とサントリーが大きくリードして前半を終えた。

後半開始1分にサントリーは自陣15m付近まで持ち込まれたボールをターンオーバーし、CTB山下選手よりの絶妙なパスを受け取ったCTB北条選手が70m独走し、この日2つめのトライで先制(ゴール成功)。三菱重工も後半5分、自陣22m付近まで攻め込まれたサントリーのパスボールをWTB三須選手がインターセプトし70m独走トライ(ゴール成功)。しかし反撃もここまで、その後サントリーは2トライ(2ゴール)を重ねて、結果50対10と圧勝した。(佐藤克則)
三菱重工相模原ダイナボアーズ

相良監督(右)、佐藤主将
相良監督(右)、佐藤キャプテン

サントリーサンゴリアス 50-10 三菱重工相模原ダイナボアーズ(12月1日)

◎三菱重工相模原ダイナボアーズ
○相良監督

「相模原からの多くのサポーターが最後まで応援してくれて嬉しく思います。試合は40点差で、複雑な気持ちです。当然、選手には勝ちに行こうと言ってきましたが、どれだけ競った試合ができるか、と思って見ていました。前半の失点は1対1のタックルミスからでしたが、後半20分のディフェンスは非常に頑張りきれたと思います。自分たちのラグビーがチグハグでしたが良い修正ができました。ゲームマネジメントが課題です。一方、このステージでの可能性を感じさせてくれたこれまでの5戦でした」
――走りきられるところがあったが。
「あれだけタフな試合の中で、ジャパン級のバック3ですので、ある程度走られるのはしょうがないと思っていました。しかし、そこまでのプロセスはイージーじゃないし、フォワードもこだわりを持ってやってくれました。ラインアウトは不安定でしたが、スクラムではマイボールを確保できていました。80分、トータルのキックの使い方など、効率良くうちの良いところを出せるよう鍛えなおしたいと思います」

○佐藤喬輔キャプテン
「一言で言いますと、悔しいです。接点の場面では、五分五分にできたと思います。ゲームコントロールの点では十分にやらせていただいたと思います。ただ、選手の力が100%出せなかったことが悔しいです」
――どんなゲームメイクを?
「サントリーさんはスクラムにこだわるチームですので、マイボールは必ず出して起点となってFWで勝負しようとしました。今までモールでもFWで崩されましたが、今日はどちらかといえば勝負できたと思います。BKでイージーなミスがありましたが、タックルで入りきればどうかなという場面がありました。入れていないのはFWで崩されたからと言われればそれまでですが」


サントリーサンゴリアス

清宮監督(右)、山下大悟キャプテン
清宮監督(右)、山下大悟キャプテン

◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督

「大悟キャプテンがプレーヤーとしても約2年ぶりに戻ったことと、他にも長期離脱していたメンバーが戻って、今日はたくさん点を取る試合をしようと臨みました。そういう意味では50点でも、すごく不満の多い試合でした。良いところは、篠塚が前回のゲームよりかなり動けるようになったことです。ただ、去年の動きにはなっていないので、もう少し出ながらかな。佐々木も戻ってないし、キャプテンの山下も同じ、チームとしてあまり収穫はなかった試合です」
――山下大悟キャプテンのパフォーマンスは?
「良いところ有り、悪いところ有りでしたね。プレーのブレより、今日はチームとしての修正とかフォーカスとかができなかったところが課題です。いきなりベストパフォーマンスができる訳じゃない。時間をかけてチームに馴染むとともに、競争に勝っていくことです(山下キャプテン頷く)」

○山下大悟キャプテン
「監督が言われたとおりですが、自分たちプレーヤーも不満の残る試合でした」
――キャプテンになって初めてのゲームで達成感は。
「いや、まあ、そうですね(苦笑)。落ち着いてやろうと思ったんですけど、普通の状態じゃなかったのでミスが出ました。自分自身をコントロールできない状態でした。正直、こうやってゲームを重ねていかなければ感覚も戻って来ないですね。今日は今までで、一番緊張した試合でした。僕は今までインターセプトされたことないんですよ。生まれて初めてインターセプトされて、『何で攻めていて?』って思いました。今までで一番緊張しました(と、繰り返す)」

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