12節 マッチ&会見リポート(コカ・コーラウエスト 27-35 NEC)

8強のかかる9位CCRSと、4強に望みをつなぐ6位NECの双方負けられないゲーム。
NECはFW戦に持ち込みたいが、CCRSは広いラインと長い飛ばしパスを使って左右にボール散らし、ボールを停滞させない。接点でもタイミングのよい球を出しNECのFWにモールをまったく組ませないゲーム展開、ファーストスクラムも前半10分までなく、NECが得意とするモール攻撃が見られない。CCRS10番渕上のコントロールされたキックが冴え、前半9分CCRS13番マークが先制トライ。その直後、NECも反撃、11分ラックからこぼれたボールを9番辻が処理し13番櫻谷に渡り同点。15分ゴール前のPKをタッチに出しドライビングモールから右にこぼれたボールを9番辻が拾って突破しトライ。逆転。
しかし、押されても冷静なCCRSはグラウンド幅いっぱいまで使ってボールを動かし、主導権をNECに与えない。25分には左ラックから右へ展開、タッチに詰まったところで(戦略的に)残っていた2番蔵がトライ。同じように36分にもスクラムからの攻撃で得点。再逆転し19-14で前半を終わった。

後半は、1分にDGを狙うなど接戦を意識した加点を狙いCCRSペースで始まった。後半20分、中盤のゴール前の攻防がこのゲームの見せ場となった。両チームは選手入替で体制を整えた。NECはどうしてもラインアウトからモールで押し込み得点をしたい。15分トライ。その後もNECは執拗にモールにこだわりNECのパターンを作った27分、モールコラプシングでP・Tを奪った。一方CCRSは、シンビンも加わりBKのライン攻撃の結果が出せずボーナスポイントが遠のくが、最後までランニングラグビーを続け、ノーサイドの少し前に左スミに4本目のトライをしてスタンドを沸かせた。GKが決まれば1ポイント追加のプレッシャーのかかるキックは無常にもポストに当たった。コカ・コーラウエスト27-35NECの8点差でゲームは終わった。
それにしても、CCRSの前半35分インゴールノッコンはもったいなかった。


コカ・コーラウエストレッドスパークス 27-35 NECグリーンロケッツ   コカ・コーラウエストレッドスパークス 27-35 NECグリーンロケッツ

C:2008, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)

コカ・コーラウエストレッドスパークス

向井監督(右)、山口キャプテン
向井監督(右)、山口キャプテン

コカ・コーラウエストレッドスパークス 27-35 NECグリーンロケッツ(1月26日)

◎コカ・コーラウエストレッドスパークス
○向井昭吾監督

「前半、できるだけFWから遠い外側での勝負を意図したが、その策が当たってトライに結びついた。しかし、相手のあせりに付け込んで加点できなかったのが後から考えると大きい。シンビンを出した後、モールドライブでトライされたが、NECのモール攻撃は想定済み。それだけにとれるところでとれなかったのが痛い。後残り1試合となったが、修正するべき点を修正し頑張りたい」

○山口智史キャプテン
「ホームとも言える花園で多くのファンに来てもらい、勝ちたかったが、力及ばず残念である。結局はFW勝負と指示されていたにもかかわらず、NECのモール攻撃に対応できず2トライをとられた。それがこの試合の反省点であり、残り1試合に向けて修正していきたい」

──最後にトライをとり1ポイントとった。
○向井監督
「1ポイントは確かにうれしいが、早い段階の取れる時に取っておきたかった。チーム全体としては、今になって良くなってきたと思っている。レベルアップの手ごたえは確かにつかんだ」
──FWプレイについては?
○山口キャプテン
「NECは緻密なスカウティングをするチーム、その相手にラインアウトなど五分に戦えたのは収穫だ」

コカ・コーラウエストレッドスパークス 27-35 NECグリーンロケッツ   コカ・コーラウエストレッドスパークス 27-35 NECグリーンロケッツ

コカ・コーラウエストレッドスパークス 27-35 NECグリーンロケッツ   コカ・コーラウエストレッドスパークス 27-35 NECグリーンロケッツ
NECグリーンロケッツ
細谷監督(左)、浅野キャプテン
細谷監督(左)、浅野キャプテン


◎NECグリーンロケッツ
○細谷直監督

「東芝に勝ってから、残りすべて5ポイント取るのが4強入りの条件だった。前半はセットプレイが不安定で、苦戦した。しかし、ハーフタイムの指示に対し選手はよく理解し使命感を持って対応してくれた。薄氷を踏む勝利であったが5ポイント取れたことを喜びたい。この勢いで来週に向けて頑張りたい」

○浅野良太キャプテン
「勝つには勝ったが、試合内容に満足してはいない。5ポイントとる意味はプレイオフで戦えること、チャレンジャーの姿勢に乏しい。選手一人一人の働きがまだ満足するべき水準に達しておらず、何をするべきなのかをもう一度認識し直して来週三洋戦にチャレンジしたい」

──コーラの印象は。
○細谷監督
「コーラはラック周辺を攻めず、CTBにDFを引寄せさらにワイドに攻めるプラン、それに対してNECは、選手一人一人十分な働きができていなかった。例えば、最初に低く入った選手が完全に相手を倒すといったことだ」
──三洋戦に向けて?
○細谷監督
「セットプレイ、特にラインアウトを固め、ブレイクダウンでは、オフロードの危険はあるもののとにかく一人目が低く入り相手を倒すことだ。そして、余り人手をかけずに継続するようにしたい」

コカ・コーラウエストレッドスパークス 27-35 NECグリーンロケッツ   コカ・コーラウエストレッドスパークス 27-35 NECグリーンロケッツ

コカ・コーラウエストレッドスパークス 27-35 NECグリーンロケッツ

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