12節 マッチ&会見リポート(サントリー 31-7 ヤマハ)

ここ数日今シーズン一番の寒さを更新し続け今日も寒さは緩まないものの、空は晴れ風も弱いラグビー日和、この寒さの中たくさんのお客様が観戦されました。試合前の段階で暫定2位のサントリーサンゴリアスと5位のヤマハ発動機ジュビロ、どちらも試合の結果次第でマイクロソフトカップへの出場に影響があり落とせない試合、誰もがこの試合に期待を膨らませます。しかしながら出だしは両チームともエンジンがかからない様子、第一試合のリコーブラックラムズと九州電力キューデンヴォルテクスの闘志剥き出しの出だしに比べるとおとなしく、聞こえてくるのはサンゴリアス山下選手の声ばかり。ただサンゴリアスのディフェンスはしっかりしていてジュビロは攻めきれない。ハンドリングミスも連発。そんな中サンゴリアスは前半3つのトライを取った。3分に尾崎選手19分には小野澤選手がジュビロ大西選手のパスをインターセプトして26分には青木選手がモールから、そしてタラント選手は3本中2本のゴールを決め前半を終え19対0で折り返す。

しかしこのあと後半22分まで約35分もの間、点はまったく動かなくなる。
ジュビロがサンゴリアスゴールに迫った時にはサンゴリアス菅藤選手が身体を張り、また時には好判断でトライを阻止ジュビロは相手がペナルティを連発するチャンスもミスで得点に結びつけることはできない。後半22分突然目が覚めるようなプレーが飛び出た。ジュビロは左へ右へとスピードある展開、ヘアスタイルも印象的なジュビロのソトゥトゥ選手が右サイドを走り抜け、サンゴリアス有賀選手のタックルを受けながらもタッチギリギリでゴールに飛込み初得点。右隅からの難しいゴールも大西選手が昨秋のワールドカップでの活躍を思い出させるような素晴らしいキックで決めた。ジュビロはこのまま勢いに乗るかと思われたがサンゴリアスは手強かった。後半30分にはその復活を皆が待っていたサンゴリアス山下キャプテンがボールをSHから貰い右隅に片手でトライ、客席からもチームメイトからも「大吾ー!」と声援が飛ぶ。キッカー ニコラスもしっかりゴールを決め26-7と点差は開く。ここでサンゴリアスはSHを入れ替えスピードが持ち味の成田選手を投入。交代を待つ間もこれが試合前かと思う程リラックスした様子で試合に出るのが嬉しくて仕方ないという笑顔。そしてこのスピードスターはグラウンドに入った最初のプレーでボールを持つと相手の間を軽やかに駆け抜け右隅へトライ、31-7とする。残り4分は点差をひっくり返すには短い時間だがジュビロもこのままじゃ終われないと最後の反撃、グラウンドを広く使い勢い良く敵陣に攻め込み相手のオフサイドにも助けられるが22mに入ってからゲインできない。結局サンゴリアスの固いディフェンスを破れないまま31-7でサンゴリアスが勝利した。

今日もトップリーグのキッズシートに未来のトップリーガー達が来てくれたので試合の感想を聞いてみました。八王子ラグビースクールに通っている選手達です。「サンゴリアス山下選手のステップがすごかった」「サンゴリアス小野澤選手のインターセプト、カッコイイ!」「ヤマハのソトゥトゥ選手のトライすごい」「サンゴリアス成田選手がむちゃくちゃ速かった」皆、よく観てます!残り一節まだまだ熱い試合が残っています。ぜひ会場で応援して下さい


ライン際でのモール   中央でのスクラム
ライン際でのモール 中央でのスクラム
ヤマハ発動機ジュビロ

堀川監督(右)、木曽キャプテン
堀川監督(右)、木曽キャプテン

サントリーサンゴリアス 31-7 ヤマハ発動機ジュビロ(1月26日)

◎ヤマハ発動機ジュビロ
○堀川隆延監督

「最後の最後まで、熱い応援を下さった磐田からの皆様に感謝いたします。また、素晴らしいゲームをしてくれた選手、サントリーさんに感謝いたします。前半、ペースがつかめず、セットプレーでボールを確保できず、自分たちのリズムがつくれなかったことと、フェイズでもイージーなミスが出て、前半を19-0と苦しい展開にしてしまったのがまずかったと思います。とはいえ、後半、自分たちのやりたいことを出せた部分もありました。残り1試合、ホームゲームですので、1週間、再確認して45名全員で戦います」

──引退する村田選手は最終戦に出場か?
「トップリーグには実力有る者が出るということです。1週間の練習でベストな人間を使うつもりです。シーズンが終わっていないので、僕から亙さんにお疲れさんとは言えません。日本の、そしてヤマハのラグビーに貢献してくれた人ですので、1週間、一緒に楽しみたいと思います」

○木曽一キャプテン
「磐田から、また、それ以外の地域からも沢山のファンの皆様に来て応援いただいたことに、この場を借りましてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
‥‥一言でいえば、完敗かな。後半、少し、自分たちのラグビーができましたが。サントリーさんはセットプレーが厳しく、そこで差が出たと思いますが、自分たちもボールを持てばできることを証明できました。攻撃が、例えばボールを出したいときにFWが行ってしまうなどミスで終わっているのが問題です。また、サンヨー戦と同様、FWがスペースに走りこめていませんでした。さらに、今日はモールディフェンスで時間と体力を消耗し、最後に足が止まったのが敗因です」

──ゲームプランは?
「まず、自分たちのアタックの時間を増やそうと。ディフェンスだけだと4トライ獲れませんから。しかし、サントリーさんの自信があるセットプレーがキーになるアタックで、プレッシャーを受けた部分もあったと思います」
──サントリーの強いところは?
「強さですか‥‥セットプレーは安定していると感じました」

ラック   早すぎた出でオフサイド
ラック 早すぎた出でオフサイド
サントリーサンゴリアス

清宮監督(右)、山下キャプテン
清宮監督(右)、山下キャプテン

◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督

「サンゴリアスとしては、非常に良い試合でした。良い点を挙げるときりがない。ラインアウトの制圧、スクラム、エリア、キック、大悟も良いステップで得点してチームを鼓舞したし、全員が良い仕事をしてくれました。今シーズンのベストゲームでしょう。トヨタは?(勝って47ポイントと記者から聞いて)熱い試合ができそうです。楽しみです」

──どちらが2位でも3位でも関係ない?
「そうなんですよね。2位の特典はあるの?ないですね。でも、プライドがありますから。去年はああいうシーズンの終わり方をしたので、トヨタ戦を含めて、全部勝つつもりです」
──去年は2試合とも1点差だった。
「去年の試合を思い出すシーンがいくつかありました。キックオフでミスして去年はトライされたが、今年は獲られなかった、その差かな。19点差があったので、ショットが狙えなかったのでしょう。前半の19点が大きかったと思います」
(最後に自らマイクを取って)
「ラグビーマガジンという雑誌で、サントリーが4位になるという予想をしてくれた記者さんがこの中に3人もいらっしゃいます。おかげで奮起しました(笑)」

○山下大悟キャプテン
「集中して、準備段階からよい練習ができて、ヤマハさんとトライ数5本1本ですか・・。内容的に良いゲームができたと思います」

──後半途中まで0点に抑えたが?
「(管藤)心が蹴ってダイレクトになったところから、自陣で守ることになったのですが、ノーペナルティで守っていけば得点されないと思っていました。トライを獲られたのが後半24分頃でしたので、64分間、0点で凌げたのだからとインゴールでは話しました。ペナルティしないで守れていたので、もう少しゲームを切っても良かったかもしれません」
──2位のプライドについて?
「この1ヶ月、チームが伸びていますので、次の試合はリーグ戦の総決算のつもりで戦います」

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