3節 マッチ&会見リポート(東芝 29-15 九州電力)

東芝 29-15 九州電力   東芝 29-15 九州電力   東芝 29-15 九州電力   東芝 29-15 九州電力
マッチリポート
東芝ブレイブルーパス 29-15 九州電力キューデンヴォルテクス
(week3/2008年9月20日 at東京・秩父宮ラグビー場)

九電の健闘及ばず、東芝が開幕3連勝
開幕2連勝と勢いに乗る東芝、一方、今季悲願の1勝を狙う九電。それぞれの「負けられない想い」が秩父宮で交差し80分の健闘を生んだ。
前半、両チームのディフェンスが冴え、互いに攻撃の手口を掴むことができない。5分、7分とPGを1本ずつ決めた後、試合は静かに進行した。28分、東芝SOヒルが右スミに飛び込み先制トライ、ゴールも決まり10対3とリードした。接点を支配し、パワーとスピードに勝る東芝が徐々にプレッシャーをかけるが、九電の冷静なディフェンスが東芝の勢いを阻み僅差で前半を終えた。

後半開始3分、東芝No.8豊田が中央にトライ、ゴールが決まりリードを広げるが、10分、九電の右WTB吉永が右ライン際を走り切り初トライ、ゴールも成功し東芝に追いすがる。15分、東芝SOヒルが2本目のトライを右中間に決めると23分に九電FBミラーが右スミにトライを返し猛追する。それから九電が相手陣で押し気味に試合を進め、バックスタンドに陣取った九電サポーターからは必死の声援が送られた。しかしながら32分、東芝の左LO望月がトライしゴールも決まり勝負を決めた。
昨年に続き、善戦むなしく敗れた九電は、来年にリベンジで挑むこととなった。一方、東芝は破竹の3連勝を飾り、トップを走り続ける。
尚、この試合のマン・オブ・ザ・マッチは僅差の試合を制す貴重なトライをサポートした東芝PR大室に贈られた。(康乗克之)

会見リポート
九州電力キューデンヴォルテクス
神田監督(右)、中村主将
神田監督(右)、中村主将

◎九州電力キューデンヴォルテクス
○神田識二朗監督
「今日は前節でサントリーさんに不甲斐無い試合をしてしまい『プライドを取り戻そう』ということで試合に臨みました。結果としてはセットプレイのミスや東芝さんの強いプレッシャーなどでアタックについて追求してきたことができなかった。ディフェンスに関しては選手たちもがんばって試合に臨みきったのではないかと思います」

○中村嘉宏主将
「台風が過ぎたとはいえ九州よりこんなに沢山、応援に駆けつけて頂きましたがこのような試合になってしまい非常に残念です。『後半20分からの集中力が東芝さんと比べると劣っていたのではないか』、『この20分を集中して戻ることができれば、まだまだ試合を勝ち取る可能性があったのではないか』と思います」

──前半、どのくらい考えていたことができて、とのこらいのことができなかったか?
○中村主将
「前節のサントリー戦があまりにも内容が良くなかったので、そこを修正する意味でも『気持ちを前面に出していこう』と臨み、一人一人のディフェンスのタックルも決まっていたし、そういう意味で『前半いい勝負をできたのではないか』、『後半のトライをされたところではディフェンスが綻び、そこで行かれていたのではないか』と思います」

──東芝に対しての対策は?
○神田監督
「良いゲーム内容になる場合の九電はディフェンスができている時ですので、ディフェンスをしっかり整備し直して臨みました。アタックに関しては『エリアを取るところ、一つ一つのプレーの精度を修正して基本的には精度を高くして戦えばスコアに繋がる』ことを信じてやってきました。
そういう面では今日の東芝戦に対しては前節できなかった『一つ一つのプレーの精度』を集中的にやってきました。前2節より、東芝(SO)ディビット・ヒル選手が中心に周りの選手とアタックで攻めてくることを予想しておりましたし、東芝のオフロードは二人目に繋ぐということが非常に優れており意識してディフェンスの練習を準備して参りました」

東芝 29-15 九州電力   東芝 29-15 九州電力   東芝 29-15 九州電力   東芝 29-15 九州電力

東芝ブレイブルーパス
瀬川監督(右)、廣瀬主将
瀬川監督(右)、廣瀬主将

◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督
「今日は3戦目にしてホームの秩父宮に帰ってくる試合ということで沢山のファンの皆様の前で試合ができましたことを大変うれしく思います。また結果として勝点5ポイントを取れたことを喜んでおります」

○廣瀬俊朗主将
「ホームということで選手皆が非常に楽しみにしておりました。前節まで良い試合ができましたのでファンの皆様は『今日はどんな試合をするのだろう』と楽しみにされていたと思いますが、試合内容は期待にちょっと応えられなかったのではないか、最低限の勝点5は取りましたが悔しい思いをいたしましたので、次の秩父宮の試合では、もう一度爆発したいと思います」

──九電の険しいディフェンスに苦しめられたのではないか?
○廣瀬主将
「『東芝がちゃんといなかった』という感覚です。皆も『しっかりやれば取れる』という感覚があるのですが行動に移せなかった。皆、もっと動こう動こうとしていましたが遅かった。何となくボールを見たり、セットが遅かったりとうまく運ばなかった」
○瀬川監督
「ハーフタイムでは選手の動きが非常に重たそうに感じていました。先週末よりの試合・移動で選手の疲れがあったのではと思いますが、『自分たちがやらなければいけない東芝のチームとしての約束事』が、少しずつ『目で追ってからプレイをしていた』という事で選手たちが自分たちのリズムに乗れなかった一番の理由ではないかと思います。1・2節での試合に関しては自分たちが自ら行っていた事に対して非常に動きが良かった。それと違い今回は目で追ってしまった」

──今日のラインアウトに関して。
○瀬川監督
「『取れる場所と取りたい場所』があるのですが、無理して次の事を考えて後方のボールを使いすぎたのではないか。まずは取れるところでリズムを作り、FWの15mの中での駆け引きでサインミスがあったのではないか」

──前半中盤でのラインディフェンスについて。
○瀬川監督
「今回ディフェンスが機能しなかった。『相手に対してプレッシャーをかけていこう』と春から行ってまいりましたが、今日は今までやっていたディフェンスのリズムがまったく無くなってしまい悪循環になってしまった。特にキーマンである(SO)デイビッド・ヒル選手がプレッシャーを感じて前に出られなかったことが一番の問題ではなかったか。東芝のディフェンスは『まずはSOの選手がしっかり上がる』ということをやってきましたが、そこにプレッシャーを受けてしまいました。これからの3週間をうまく使って出るディフェンスをしっかりしたいと思います」

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