3節 マッチ&会見リポート(近鉄 37-43 ヤマハ発動機)

近鉄 37-43 ヤマハ発動機   近鉄 37-43 ヤマハ発動機

C:2008, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)

マッチリポート
近鉄ライナーズ 37-43 ヤマハ発動機ジュビロ
(week3/2008年9月23日 at大阪・近鉄花園ラグビー場)

トップリーグ始まって以来の雷雨による順延となったこの対戦、1日空けて23日(火・祝)、お彼岸の中日とは言えまだまだ暑さを感じる近鉄花園ラグビー場で行われた。
第1節、第2節と連勝でリーグ復帰の好スタートを切った近鉄ライナーズ(近鉄)が、試合開始早々からヤマハ発動機ジュビロ(ヤマハ)陣内に攻め込み、6分、相手反則により得たPGをSO重光が確実に決め、3点を先取したが、その後は、近鉄ディフェンスの甘さもあり、エンジンがかかったヤマハのペース。8分に、22m左ラインアウトから右へBK展開し、左CTBサウが中央にトライ(ゴール)して逆転すると、続く10分にも、22m中央付近のラックから左へ展開し、最後は右WTB五郎丸が左中間に飛び込んでトライ(ゴール)するなど、3対20と点差を広げた。一方近鉄は、ヤマハゴール前での左CTBイエロメの相手キックチャージをきっかけに反攻、24分、ゴール前のラックから出たボールを受けたSO重光が相手DFの逆のインサイドを突き、中央にトライ(ゴール)を決め10対20と追いかけるが、ヤマハは直後の26分、右CTBマッコイドが左中間にトライ(ゴール)を奪い、再び点差を広げ、13対30で前半を終了した。

後半に入り、動きの良くなった近鉄は、2分に右CTBマイレーが中央にトライ(ゴール)すると、13分にもゴール直前のラックを押し込んで、HO重枝がトライ(ゴール)、27対30と詰め寄り、地元ファンの興味をつないだ。これに対しヤマハは、18分、左WTB中園がゴール前にキックしたボールを自ら拾い上げ、左中間にトライ(ゴール)、続く22分にも、五郎丸がPGを決め、27対40と突き放す展開。粘る近鉄は31分、ゴール前10m中央ラックから出たボールをつないで右WTB角濱が左中間にトライ(ゴール)し、34対40と終盤になって俄然大きな盛り上がりを見せた。ゲームはその後お互いにPGを1本ずつ決め、残り時間も1分を切り、このままノーサイドかと思われたが、近鉄が最後の粘りを見せて猛然とヤマハゴール前へ攻め込むと、ヤマハも必死のディフェンスでこれに応戦、最後はパスを受けてゴールへ迫る近鉄WTB角濱をゴール直前でタッチに押し出しノーサイド。結局37対43でヤマハが近鉄を振り切り、今季初勝利を収めた。近鉄も最後まで試合をあきらめず追いすがった結果、貴重な勝ち点2を手にした。

会見リポート
近鉄ライナーズ
スローン ヘッドコーチ(左)、トンプソンキャプテン
スローン ヘッドコーチ(左)、トンプソンキャプテン

◎近鉄ライナーズ
○ピーター・スローン ヘッドコーチ
「前半で14点取られたころからチームはあきらめるかもしれないと思ったが、ハーフタイムで『まだまだこれからだ、落ち着いてプレイしよう』と話した。その後、選手たちの頑張りで、もう一歩で勝利というところまで近づくことができた。選手たちは最後まであきらめずに頑張ってくれた。負けたことは残念だが、2ポイント取れてうれしい」

○ルーク・トンプソン キャプテン
「今日、近鉄はトップリーグレベルでのゲームをすることができたと思う。簡単にトライをとられるところもあったが、気持ちをきりかえ最後まで頑張ることができた」

──今日のゲームの収穫と課題は?
○スローン ヘッドコーチ
「まず敗因は前半のディフェンスにつきる。1対1のタックルができなかったこととブレイクダウンは向こうのほうが強かった。スクラム、ラインアウトに関しては、近鉄は体が大きくないけれどハートがあればプレイできることを証明できた」

──ハーフタイムで戦術的なアドバイスは?
○スローン ヘッドコーチ
「ボールを持っていい走りをすることと、細かいミスをなくすこと」

近鉄 37-43 ヤマハ発動機   近鉄 37-43 ヤマハ発動機
ヤマハ発動機ジュビロ
堀川監督(右)、山村キャプテン
堀川監督(右)、山村キャプテン

◎ヤマハ発動機ジュビロ
○堀川隆延監督
「磐田から駆けつけてくれたファン、素晴らしいゲームを展開してくれた近鉄さんに感謝します。前半は『ボールをどこに動かすのか』というプラン通りにゲームを運べたが、後半は受けに回ってしまった。後半の近鉄さんのようにボールを動かすのがヤマハのやりたいラグビーで、まだまだ修正点はたくさんあるが、開幕2連敗のあとで5ポイントをあげての勝利には満足している」

○山村亮キャプテン
「雷雨で延期になったのにもかかわらず、たくさん応援に来ていただいて感謝しています、5ポイントでの勝利は喜べるが、後半は受けに回ってしまい、内容には満足していない」

──新人2人のプレーに関して。
○堀川監督
「まずまずの出来だと思っている、五郎丸のキックは素晴らしかった。しかしまだ修正点はある。まあ彼のキックで勝利できたことは間違いないが、ディフェンスに関してはまだまだ」

──ハーフタイムでの指示は?
○堀川監督
「ボールを動かしてしっかりゲインを切っていけばヤマハの攻撃ができる」

──すこしゲームがあくがその間はどういった修正をしていくのか。
○堀川監督
「今日は自分たちのミスで苦しい状況をつくってしまった。そのためにフィットネス不足に陥ってしまった。とにかく走らせます」

近鉄 37-43 ヤマハ発動機   近鉄 37-43 ヤマハ発動機

近鉄 37-43 ヤマハ発動機   近鉄 37-43 ヤマハ発動機

近鉄 37-43 ヤマハ発動機   近鉄 37-43 ヤマハ発動機

RELATED NEWS