6節 マッチ&会見リポート(日本IBM 19-68 東芝)

日本IBM 19-68 東芝   日本IBM 19-68 東芝
マッチリポート
日本IBMビッグブルー 19-68 東芝ブレイブルーパス
(week6/2008年10月25日 at東京・秩父宮ラグビー場)

ここまで5試合で勝ち点25、トップを快走する東芝ブレイブルーパスが、前節で今季初勝利の日本IBMビッグブルーを、同カード過去最多タイの得失点差(04-05シーズンと同じ49点差)で圧倒、勝ち点30満点で前半節を折り返すこととなった。

SOヒルの大きなキックで試合を優位に進める東芝は、前半20分までに3トライ3ゴールして好発進。しかしそこから後半の途中までは、ノックオンやラインアウトでのミスが多発、その間IBMに2トライを献上してしまう。
後半4分にはこの日やや精彩を欠いていたCTB冨岡が退き、IBMのNo.8フィリピーネ投入もあって東芝が一層苦境に立たされるのか、と思ったその後の16分、FWが猛ラッシュでゴール前左サイドに迫った後、右へ大きく展開しHO湯原がトライ。その後は、生き返った東芝のトライショー。19分にはすでに前半2トライしていたヒルの3つ目。ハットトリックしたヒルは、ゴールキックでも10本中9本を成功。この試合でヒルがあげた31得点は、トップリーグ史上でも上位の記録となったに違いない。東芝はスクラムやラインアウトから多彩なオプションを披露し、さらに5トライを積み重ねていった。終了間際にIBMに1本返され、ホーンも鳴って終了かと思われた後のワンプレー、キックオフリスタートから一気に取ったFLベイツのトライが締めとなった。

IBMは、前節に続き先発したSOハーカスのキック、CTBキニキニラウのラインブレイク、FL須田の突破やCTB阪元のタックルなど随所に好プレーもあったが、東芝の圧力の前に身上とする堅いディフェンスが崩壊、残念な結果となってしまった。

試合前の親子タグ教室、名物ミニFMパーソナリティの上田氏へはファンからのリアルタイムな情報がメールで寄せられるなど、インタラクティブなラグビーパーク・秩父宮。この日は第一試合で秩父宮初登場となったリコーSOラーカムも見られてお得な1日だった。
東芝の選手入場エスコートと試合中にはボールボーイを務めた府中ラグビースクール、IBMをエスコートした八潮ラグビースクール、そしてハーフタイムにチアリーディングを披露したペップスの皆さんもお疲れ様でした。(米田)
日本IBM 19-68 東芝   日本IBM 19-68 東芝   日本IBM 19-68 東芝
会見リポート
日本IBMビッグブルー
安藤ヘッドコーチ(右)、高キャプテン
安藤ヘッドコーチ(右)、高キャプテン

◎日本IBMビッグブルー
○安藤裕樹ヘッドコーチ
「たくさんの方々にお越しいただきありがとうございました。一言でいうと完敗です。一方的なゲームとなってしまい大変残念です。選手はフィジカル面を含めてよくやってくれました。ただ、この結果はしっかり受け止めて、一ヶ月、盛り返し、チームとしてやっていきたいと思います」

──IBMペースもあったが?
「敵陣で自分たちのラグビーをするというゲームプランでした。東芝さんはトータル的にディフェンスの素晴らしいチームです。前へ出て一歩でもディフェンスラインを後退させて崩していこうとしましたが」

○高忠伸キャプテン
「すべてにおいて、ちょっとがっかりしています。先週勝ち点5を取ったチームとは思えない試合でした。噛み合わないというか、見に来てくださったお客様にも申し訳ないゲームでした」

──前半、健闘して、行けるという手ごたえは?
○高キャプテン
「もちろん、9点差で行けるという雰囲気があったのは事実ですが、そこから崩れてしまったのは、スタミナ切れなのか、若さなのか、プレーしていて分かりませんでした。とにかく噛み合わなかったゲームです」

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東芝ブレイブルーパス
瀬川監督(右)、廣瀬キャプテン
瀬川監督(右)、廣瀬キャプテン

◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督
「前半の最終節、今日もたくさんのお客様の前で、ラグビーの聖地秩父宮で試合ができ、感謝しています。前半戦が終わり、選手が今日もしっかり勝ち点5を取ってくれたのは良かったと思います。
まず、先週の試合から今まで、波というか、自分たちのペースが来ないとき、どうやってもう一度獲っていくかがテーマとして浮かびました。NEC戦はフォワードがブレイクダウンのところで良いプレーができましたが、IBMさんも東芝の前、縦へ出るプレーは嫌でしょうし、一貫性を持って東芝のアタック・ディフェンスをやっていこうとしました。点が取れない時間帯が長かったですが、順目のサポートを修正して最終的には突き放すことができました」

──若手を起用したが?
「三井は彼本来のプレーをしてくれました。フォワードをうまく使ってコントロールできた部分がありました。トップリーグという日本一の舞台で、二人のフォワード含めて飛躍していける、意義ある試合でした」

──ウィンドウマンスは?
「細かいミスが出ていますので、もう一度プレッシャーの下でも、一つ一つのプレーに一貫性をもっていけるようにしたいと思います。三洋さんはブレがない部分が非常に強みです。誰が出ても同じラグビーをしています。最終節で当たりますので、どちらのチームがのびしろがあるか、楽しみです」

○廣瀬俊朗キャプテン
「まず、見に来てくださった観客の皆様に感謝いたします。ゲーム内容は、近鉄戦と同じ、トライが前半で3本、2本でしたが、しっかり後半に点差をあけたことが、チームとしてレベルアップしたと思います」

──4トライめが獲れなかった時間帯は?
「もう一度、東芝のラグビーを徹底しようとしました。あせりはなかったですが、どこかで変えなきゃ、きっかけをどこにするかという問題がありました。後半のセンタースクラムにせよ、流れが来なかったのは反省といえば反省ですね。前半も、もともと崩れたのではなく、こちらのミスで獲られた感じでしたから」

──ウィンドウマンスでは?
「個人の強さをもう一度作り直さないと、三洋さんに勝てないと思います。現在は向こうのほうが上です。サントリーさんも強いし、どれだけくらいついていけるか、楽しみです」

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