10節 マッチ&会見リポート(サントリー 23-15 NEC)

サントリーサンゴリアス 23-15 NECグリーンロケッツ   サントリーサンゴリアス 23-15 NECグリーンロケッツ   サントリーサンゴリアス 23-15 NECグリーンロケッツ
マッチリポート
サントリーサンゴリアス 23-15 NECグリーンロケッツ
(week10/2008年12月21日 at東京・秩父宮ラグビー場)

サントリー、NECに苦戦するも逆転で8勝目
第9節を終わり、サントリーは3位、NECは5位につけ、あと4試合を残すだけとなり、プレーオフのマイクロソフトカップへの出場権がある4位以内を確保するためには、今日の試合は非常に重要な試合となった。サントリーがセットプレーでNECに勝ることができるか、また、突破力のあるNECのセミシ・サウカウや箕内らがどの程度サントリーのディフェンスを崩せるかが勝敗のカギになるかという期待で試合は開始された。
時季はずれの南風の強い日となり、前半は追い風となったNECはSOファン・デル・ヴェストハイゼンの絶妙なキックとパスプレーでゲームを運び、これに対するサントリーはラインアウトやボールさばきでのミスが目立ち、9分にはNECがゴール前のペナルティキックからFWのモールプレーでゴール前に押し込み、FL浅野がトライ、34分にはペナルティキックからNo.8箕内が突破して、FLサウカウにつなぎトライをとり、前半はNECが15-0とリードした。

後半に入ると、サントリーのバックスの動きが良くなり、2分にはFB北條のカウンター攻撃からCTB平が右スミにトライ、8分にはPGを入れ、サントリー8-15NECまで挽回した。しかし、その後、サントリーはFLティーポレ、PR畠山と続けてシンビンの反則を犯し、13人対15人となってしまった。NECはこの人数での優位を得点に生かすことができず、逆に26分にファン・デル・ヴェストハイゼンがシンビンとなり、このペナルティでサントリーがPGを決め11-15。30分にはWTB小野澤が相手バックスをかわし、FB北條につなぎトライ(ゴール成功)、18-15と逆転した。さらに38分にはモールから出たボールをFWプレーヤーもラインに参加してWTB長友がトライ、23-15として、試合を決めた。
シンビンでのプレーヤー数の減が直接には得点に結びつきはしなかったが、後半の試合の推移を決める時間帯に、両チームで3人のシンビンを出し、後味の悪い試合となってしまったのが残念だ。
サントリーは、この勝利で、未だリーグ1位の可能性を狙えることとなり、一方NECはこの敗戦により、ベスト4入りが微妙な状況となってしまった。1月の残り3試合から目が離せなくなった。(正野雄一郎)


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会見リポート
NECグリーンロケッツ
細谷監督(右)、箕内ゲームキャプテン
細谷監督(右)、箕内ゲームキャプテン

◎NECグリーンロケッツ
○細谷直監督
「後半の戦い方がすべてです。前半の戦い方はよかったのですが、今日はブレたところがありました。ちょっと残念な結果です。ポイントも取れず、4強入りは極めて厳しい状況であると認識しています。次の三洋戦へ向けてチームを組織していきます。選手たちは本当によくやったと思います」

──前半は風上を取ったのか。
「いずれにせよ、トスで勝っても風上を取るつもりでしたが、サントリーさんが勝って風下を取りました。前半、2トライ以上をリードするつもりでしたが、期待していたうちの最小限のリードとなり、結果として守りきれませんでした。FWは近場で機能していて、うまく仕掛けるなど、非常によかったと思います。後半に入ってエリア獲得が厳しくなり、どれだけ長く反則しないで守り切れるかというところでしたが、メンバーチェンジのタイミングなどがルーズになりました。選手たちでなく、指導者側のミスで負けました」

──サントリーが二人シンビンで居ないときは。
「二人減ったところがチャンスでしたが、ゴール前のペナルティで釘付けにされ、スコアのチャンスがあまりなかったと思います」

○箕内拓郎ゲームキャプテン
「お互い、風というタフなコンディションのなか、前後半とも風下のチームが無得点でした。攻撃力の差がそのまま点差に出た試合でした。前半はスクラムでもプレッシャーをかけられたと思います。次のステージに進めるよう頑張りたいと思います」

──戦い方としては。
「前半、できるだけ失点を抑えて、後半はうちにとって厳しい戦いになると予想していましたが、実際に前半のリードを保てませんでした。もう少し自陣でボールキープしたかったが、早い段階でチェイサーのいないところへキックしてしまうなど、マネジメントが非常に悪かったと思います」

サントリーサンゴリアス 23-15 NECグリーンロケッツ   サントリーサンゴリアス 23-15 NECグリーンロケッツ
サントリーサンゴリアス
清宮監督(右)、竹本副将
清宮監督(右)、竹本副将

◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督
「お疲れ様です。面白い試合でしたね。こういう試合をしていれば、お客様もラグビーって本当に素晴らしいですね、とおっしゃってくださるのではと思いながら見ていました。前半、ああいう形でのビハインドでしたが、15点差は許容範囲でした。ただ、獲られ方が悪くて、FWでやられたのは次への課題です。もっとキック処理のミスなどであればよかったですが。後半、13人の戦いとなり、役者がしっかり仕事をすることができたのが勝因です」

──後半のメンバーを前半から出せば?
「前半のメンバーがきっちり仕事をしているから、後半、逆転できたと思います」

──神戸戦に向けて?
「お正月の試合は華やかにしたいですね。来週、サテライトリーグでNECさんと結果待ちだが、勝てば優勝という試合をしますので、良いメンバーをゆっくり選びたいと思います。イメージ?そんなに神戸さんの試合は見ていないんですけれど、菊池和気(早稲田出身SO)がね、サントリーフーズから普通はサントリーに来るのに、神戸に獲られたのは失敗だったな、と(笑)」

──「面白かった」とは?
「いやいや、やっぱりトライ獲ったら、そりゃあもう声も出すし、拍手もするし」

──監督の選ぶマン・オブ・ザ・マッチは?
「今日は難しいですね。言ったことやって、結果が出ているので‥‥。ただ、(マン・オブ・ザ・マッチ)ライアン・ニコラスではないですね(笑)。今日は皆の勝利ということでいいんじゃないですか(笑)」

○竹本準太郎副将
「本当に13人で苦しかったけれど、一人ひとりがしっかり戦えたと思います。スクラムやラインアウトの強みを生かそうと思いましたが、13人でも戦い続ける気持ちが感じられて、何とか勝つことができたと思います」

──苦しいなか、どんな思いで?
「前半、あのような風の中、しつかり耐えることができればこちらに流れが来ると意識していました。逆に、後半は風上で、攻めるしかないという状況が15人がまとまれた要因だと思います。一人ひとりに戦う意識がありました」

──スクラム、ラインアウトの出来は?
「うまくコントロールできなかったところがあるけれど、ラインアウトでチャレンジしてもノットストレートが多くて難しかったです」


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