13節 マッチ&会見リポート(NEC 32-30 福岡サニックス)

NEC 32-30 福岡サニックス NEC 32-30 福岡サニックス NEC 32-30 福岡サニックス NEC 32-30 福岡サニックス
マッチリポート
NECグリーンロケッツ 32-30 福岡サニックスブルース
(week13/2009年1月18日 at東京・秩父宮ラグビー場)

NEC逆転PGでシーソーゲームに勝利し、日本選手権出場権獲得
トップリーグのリーグ戦も最終節となった。最終節の試合は、NECにとっては負ければ日本選手権出場権はなくなるが、勝てば他チームの結果次第でリーグ戦6位以内に与えられる日本選手権の出場権を獲得できる重要な試合となる。一方、前節、クボタに1点差の負けに泣いたサニックスにとっては、負ければトップチャレンジで勝ち抜いたチームとの入替戦出場となることが確定する。

両チームとも、選手の気持ちが入ったプレーが続き、ボールをよく展開し、点の取り合いになった。まず、前半5分にサニックスがPGで3点を先行したが、すぐに7分にはNECがSOファン・デル・ヴェストハイゼンの絶妙なバックハンドパスからバックスに展開しCTBロビンスのトライで逆転(5-3)。しかし、その後は22分にサニックスがWTB大庭のトライで再逆転(5-10)、さらに24分にはNECがPR久富のトライで再々逆転(12-10)した。その後も両チームとも譲らず、スコアは12-13、17-13、17-18とシーソーゲームとなり、サニックスが1点リードして前半終了した。

後半にはサニックスがCTBフィフィタ、PR申と連続してトライをとり、一時は13点差まで開いたが、サニックスは、必ずしも完璧なディフェンスができず、受けに入ったようなディフェンスになり、NECはその隙をついて後半21分CTBロビンスがトライ、34分にはペナルティキックからのクイックプレーでNo.8権丈がトライをとり、後半37分には29-30と1点差まで点差をつめた。あとワンプレーくらいでノーサイドとなろうという時間帯になり、ラックサイドでサニックスのPR申がオフサイドを犯し、NECが得た40mのペナルティキックをFB松尾が決め、32-30と逆転し、ノーサイドとなった。

この日、同時に、神戸で行われた試合でクボタが近鉄に勝利したが、クボタが勝点4のみであったため、NECの6位以内が確定し、日本選手権の出場権を得ることとなった。しかしながら、この日のNECにとっては、勝利は得たものの、再三サニックスにディフェンスを破られるなど、弱点も露出した。FL箕内が負傷から回復し、ベストメンバーが揃う日本選手権では好ディフェンスで上位チームに一泡ふかすプレーをしてほしい。(正野雄一郎)


会見リポート
福岡サニックスブルース
藤井監督(右)、菅藤キャプテン
藤井監督(右)、菅藤キャプテン


◎福岡サニックスブルース
○藤井雄一郎監督
「今シーズンは本当に僅差の試合が多く、大事な試合でしたが、今日も最後の最後にこうなってしまいました。選手は一生懸命にやってくれました。若い選手が多く、この敗戦で一つ成長してくれたと思います。あと1試合、入れ替え戦がありますので、勝って、またトップリーグで1年できるよう、もう一度備えていきます」

──予想外のことがあったのか?
「NECさんはディフェンスの堅いチームですので、1点差でも勝てればと思っていましたが、予想外に点差がついてデイフェンスが雑になり、自陣からも攻めてしまうなど、もう少しきちん、きちんとやらなければいけませんでした。あまり、点差をつけたことがなかったので、逆に良くなかったのかもしれません」

──僅差のゲームが多い原因は?
「ここ数試合、ゴールキックが決まらず、前半戦はかなり成功率が高かったのですが、古賀が怪我して、練習不足になっていました。これから練習させます(笑)」

○菅藤友キャプテン
「お疲れ様でした。入れ替え戦まで3週間しかありませんが、勝てば、来年リベンジできるチャンスがありますので、入れ替え戦で100%の力が出せるよう準備したいと思います」

──ゴール前のペナルティを狙わなかったのは?
「空いていると判断したら、行くのがうちです。リスクをカバーするだけ走っていこうと、あそこはチャンスで100%行くしかなかったと思います。特別なことではありません」

──最後の場面では?
「とにかく、ペナルティをしないことです。だんだん、明らかに受けていることが分かっていましたので、とにかく受けに回らないように声をかけました。攻めようと言って、最後まで攻め続けようとしました」

NEC 32-30 福岡サニックス   NEC 32-30 福岡サニックス   NEC 32-30 福岡サニックス
NECグリーンロケッツ
細谷監督(右)、水山ゲームキャプテン
細谷監督(右)、水山ゲームキャプテン


◎NECグリーンロケッツ
○細谷直監督
「今日の試合は我々のリーグ戦最後の試合であり、他力本願だが、日本選手権へ進むチャンスとしてやろうと臨みました。ディフェンスがちょっと悪くて、1対1の局面で上から(タックルに)行ったりするなど、大いに反省しなくてはなりません。しかし、勝ち点5を取れたのは大収穫です。これから3週間、立て直すチャンスを戴けましたので、今年は良い試合ができていないので、日本選手権で復活するNECをお見せしたいと思います」

──良くなかったのは?
「足を運んでいないというところです。内へ切られて、内へ切られて縦に入られるなど、ディフェンスがまったくダメでした。本当に勝ったことだけが良かったことです」

──箕内選手の状態は?
「この試合までに8,9割回復していますが、残りの1割で肉離れとかを起こすと困るので、自重しました。(日本選手権の)1回戦は出場できます」

○水山尚範ゲームキャプテン
「ありがとうございました。自力では日本選手権に行けないので、絶対に勝ち点5を取らなくてはいけない試合でした。まあ、勝つことだけを考えてこの1週間やってきて、勝つことができたのが収穫です」

──苦戦の原因は?
「取り合いしちゃいけないのですが、やっぱりディフェンスが悪くてタックルミスが多かったです。気持ちはあるけれど、体が動かないという感じでした」

──トライを獲るのに複雑な手順なのは?
「難しいですね‥‥。今日は、でも、トライを獲る場面はすごくシンプルでした。今日は前へ出ることだけ考えていたのでよかったですが、これまではディフェンスで対応されているというのもあります。日本選手権の切符が獲れたので、3週間、一から出直したいと思います」

RELATED NEWS