7節 マッチ&会見リポート(リコー 41-17 九州電力)

マッチリポート
リコーブラックラムズ 41-17 九州電力キューデンヴォルテクス
【week7/2009年10月24日(土) at東京・秩父宮ラグビー場】

リコー 勝点5を獲得し、3勝目

今年、トップリーグに復帰したリコーは、これまで上位チームに善戦はしているものの、6戦して勝ち星は2つだけ。前節の対ヤマハ戦では、いいところなく、大敗を喫している。一方、九電はチームの核となる選手にケガ人が多く出ているのが残念だが、ほとんど実力差のない中位・下位チームにもまだ勝ち星がない。どちらのチームも、11月のウインドウ・マンス前の最後の試合に、是非、勝って、前半戦を終えたいところだ。

試合開始直後1分に、九電はゴール前ラインアウトのピールオフでPR有馬-LO浦からのボールをもらったCTBアトキンソンがタテに切れ込んでトライ(ゴール成功、0-7)とし、九電としてはいい試合の入り方となった。九電はその後もFWのモールでの前進からバックスに展開し、敵陣内で試合を進め、10分にはHOマンレーのPG成功で、0-10とリードを増やした。
一方、リコーもボールをよく動かし、15分にはバックラインでのパスミスした球を九電に足で引っ掛けられたが、逆にそのボールをうまく処理してWTB横山が好突進し、最後は右ラインに回してCTB金澤がトライ(ゴール成功)、7-10とした。しかし、20分には、九電がFL川嵜の突進から大きく前進し、ゴール前で左ラインに展開したところに再びFL川嵜がボールをもらい、トライ(ゴール成功)、7-17として、10点差に戻した。このように、両チームともよくボールを展開し、ディフェンスもよく、見ごたえのある試合運びが続いた。

25分にリコーがPGで3点追加した後、29分には、リコーFBラーカムが22m付近を好ステップで抜け、トライチャンスかと思われたところに、九電FB黒木がハッキングの反則をし、シンビンとなった。このシンビンで試合の流れは一気にリコーに傾き、シンビンの反則からのPGを成功させ、13-17とした後、34分にもゴール前のラックからWTB横山が右スミにトライ(ゴール成功)し逆転(20-17)、さらに、40分にもFWのモールから、FBラーカムが回したボールをCTB金澤がトライ(ゴール成功、27-17)として、リコーがリードを拡げ、前半を終了した。

後半に入ると、九電の集散が悪くなり、リコーは2分に再びCTB金澤がトライ(ゴール成功、34-17)、4トライ目のボーナスポイントも確実にした。九電も、ボールを再三、獲得し、攻撃を試みるが、チグハグな攻撃となって得点にはつながらない。リコーは20分にも、疲れの出てきた九電のディフェンスのスキをつき、モールからPR長江が抜け出して、トライを取り(ゴール成功、41-17)、リードをさらに拡げ、勝負を決定付け、そのままの得点で終了した。

リコーにとってはディフェンスの集中力が最後まで切れず、九電にプレッシャーをかけ続けることができたことは、後半戦への大きな収穫となった試合だった。九電は、まず、1勝をとるためにも、後半戦へ向けチームを立て直す大きな課題が残る。(正野雄一郎)

九州電力キューデンヴォルテクス

会見リポート
九州電力キューデンヴォルテクス
郷田監督(右)、吉永ゲームキャプテン
郷田監督(右)、吉永ゲームキャプテン


◎九州電力キューデンヴォルテクス
○郷田正監督
「前半節最後の試合として、なんとしても勝つという強い気持ちで臨みました。前半のアタックは準備してきたプレーでトライを獲りましたが、シンビン以降、リコーさんのアタックにうまく攻められてきっちり得点されました。結果として、悔しいゲームになりました。1か月、立て直して後半戦に臨みます」

──たて直し策は?
「セットプレーのところを修正したいです。特にスクラムです。ディフェンスから組み立てていかないと勝利はないと思います。1ヶ月、きっちり修正していきます」

○吉永将宏ゲームキャプテン
「東京の皆様にたくさん応援していただいたのにもかかわらず、負けて申し訳ない気持ちです。悔しいです。リコーさんのほうが強かったということです。‥‥悔しいです」

──最初の入りは良かったが?
「あっという間に流れがあちらに行きました。1対1でのタックルをミスして、2人目がタックルに行けていないからだと思います。良い流れのときは1対1で止めています。リコーさんの速い展開に流れを持っていかれたと思います」




リコーブラックラムズ
ローデンヘッドコーチ(右)、池田キャプテン
ローデン ヘッドコーチ(右)、池田キャプテン


◎リコーブラックラムズ
○トッド・ローデン ヘッドコーチ
「先週の試合の結果もあり、集中力とプレッシャーにフォーカスして、フィールドポジションから集中していくことをテーマにしていましたが、3つのうち2つは達成できたと思います」

──あと一つは?
「試合をアップテンポにしようと臨みましたが、後半、九州電力さんにスローゲームにされたところです。リコーの強みはフィットネスとスピードですが、それをスローにさせた九電さんがうまかったと思います。まあ、スピードアップしたいところではできていた部分もありましたが」

──ウィンドウマンスは?
「あまり話したくないのですが(笑)、ストレングスとコンディショニングがわれわれの強みですので、けが人も何人かいるので、フォーカスさせて、テクニックとかはまだまだですので、やらなければなりません。今日も、ディフェンスシステムを変えたのですが、結果的に変えたところで2トライされています。新しいディフェンスシステムを整備したいと思います。また、一番大事なのは、リコーの一番強いところを考えて、そこに戻りたいと思います」

○池田渉キャプテン
「連敗していたので、今日の試合は集中力を掲げて臨みました。前半、厳しいところがあって失点もしましたが、粘り強く、勝ち点のボーナスポイントも取れて良い試合だったと思います」

──集中できたか?
「失点したときに、明確に。どこがいけなかったのか話し合うことができたところが集中力の表れです。先週は、みんなが同じようなことを話していましたが聴き取れていませんでした。今日は、まず最初に僕が発言して、整理されたと思います。練習中もリーダーのみならず、皆が話せるようになって来ました」

──ペナルティゴール狙いは?
「あの時は自分たちどうこうより、多分セオリーだと思います。リコーはいつも自分たちは何をやるべきか、今、何が大事かを話し合っていますが、あの時もそうでした」

──最後はホーンが鳴ってもアタックしたが?
「タッチで切るかショットがセオリーだと思うが、金澤たちが後ろでミスマッチだからボールがほしいと言って来て、テンポアップという意思統一もできていたので、全員が反応できれば良い結果になると思って回しました。結果はノックオンでしたが」

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