10節 マッチ&会見リポート(東芝 37-19 クボタ)

マッチリポート
東芝ブレイブルーパス 37-19 クボタスピアーズ
【week10/2009年12月12日(土) at東京・秩父宮ラグビー場】

ジャパンラグビー トップリーグ第10節、ここまで7勝2敗と波に乗る東芝ブレイブルーパス(3位)と4勝5敗のクボタスピアーズ(7位)が、東京・秩父宮ラグビー場で4,300人の両チームの熱いファンが見守るなか対戦した。クボタはトップリーグ2003-2004で東芝に勝利以後5連敗の汚名を晴らしたい試合でもあった。
試合は東芝のキックオフで開始した。
風上から攻めるクボタは、前半11分に東芝陣15m付近のスクラムでの東芝のコラプシングの反則により先制のチャンスを掴み、リーグ得点第4位のSOドゥラーム選手がペナルティゴールを決め先制(0-3)。対する東芝は前半20分にラックよりこぼれたボールをNo8豊田選手が拾い左オープンに展開してFB吉田選手がトライ(ゴール失敗/5-3)と反撃した。しかし、前半より猛攻を続けるクボタは、続く22分に敵陣22m付近でのラインアウトよりのモールから、SH茂木選手のパスをSOドゥラーム選手がドロップゴールを決めて逆転(5-6)。その後SOドゥラーム選手が今シーズン初トライを奪い得点を重ね、キックを主体とする攻撃で東芝を苦しめクボタのペースで前半を5-16とリードして折り返した。

後半、開始早々2分に東芝は敵陣ゴール前5mラインアウトよりのラックでサイドを突く連続攻撃を仕掛け、ボールを左サイドに展開してWTB廣瀬選手がトライ(ゴール失敗/10-16)と反撃を開始した。その後も縦への粘り強い攻撃で東芝は得点を重ね、後半15分にはCTBブリュー選手が中央突破しトライ、後半20分にはWTB廣瀬選手が自陣22m付近でのラインアウトから出たボールをインターセプトして80mの独走トライと、後半6トライを奪った東芝が結果37-19と勝利した。
なお、この試合のマン・オブ・ザ・マッチには随所に好プレーを見せた東芝LO大野選手に輝いた。
次節、東芝は福岡・レベスタにて九州電力と戦い、クボタは東京・秩父宮でリコーとの戦いに挑む! トップリーグ残り3節、目が離せない試合が続く。(佐藤克則)
東芝ブレイブルーパス 37-19 クボタスピアーズ   東芝ブレイブルーパス 37-19 クボタスピアーズ

会見リポート
クボタスピアーズ
山神監督(右)、荻原キャプテン
山神監督(右)、荻原キャプテン


◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督
「ここのところ2試合、トヨタ、三洋さんとやってきて、前半の掛かりが悪かったので、今日は前半から飛ばして行こうと練習してきました。前半、しっかりテリトリーを取って、東芝さんのミスもあり、流れもあって、ドロップゴールなど、チャンスを得点にうまく結び付けたと思います。後半は絶対に東芝さんは一気に来るから、そこを止めろと指示しましたが、東芝さんの攻める気持ちが一つ一つ上でした。ここを這い上がれないと上へいけません。選手たちはトップ4を相手に、よく戦ってくれました。今日は、後半の最後まで連続して崩れているので、そこは改善したいと思います。リスタートして3連敗は残念ですが、残り3戦をしっかり戦っていきたいと思います」

──戦い方は?
「前半はよく戦ってくれて、少しポジションを修正する程度でした。問題なしです。けが人は出ますから、そこを補っていく選手が経験を積んで、チーム力が上がっていくと思います。明日、サントリーさんのBチームと練習試合を組んでいますので、その中で元気でがんばる選手を引き上げていきたいと考えています」

○荻原要キャプテン
「今週は、前半の入りを意識して練習してきて、前半は100点に近い内容でした。後半も、選手一人一人は意識していましたが、10分間で2本獲られて東芝さんを勢いに乗らせてしまったのが敗因です。そこを修正してやっていきます」

──後半は、東芝はどこが変わったのか?
「ピックアンドゴーのところです。1本、1本、上回られました。リズムを作られたと感じました」

──スクラムは?
「グラウンドコンディションが良くなくて、滑って押せませんでした」



東芝ブレイブルーパス
瀬川監督(右)、廣瀬俊朗キャプテン
瀬川監督(右)、廣瀬キャプテン


◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督
「2ヶ月ぶりに帰ってきて、欲を言えば前半からこういうゲームをしたかったのですが、後半、しっかり立て直して勝ち点を取れたのは良かったと思います」

──途中でゲームプランを変えたのか?
「ゲームプラン自体は変えていません。ドゥラーム選手のキッキングゲームに付き合ってしまうと、時間を消費すると思っていましたが、前半は自陣での時間が長く、結果的に蹴り合いになってしまいました。ハーフタイムに、もう一回、縦に行こうと。横に振るのも下が悪いのであれば、ラインを深くしてと。さらに、キックを蹴らないことを徹底したのが修正点です」

──クボタに関しては?
「よく蹴ってくるし、ハイパントなど、キック主体のゲームになると予想していました。しかし、思いのほか、良い形でのリカバリーができず、ドロップゴールをああも簡単に決められるとは思ってもいませんでした。ドゥラーム選手は素晴らしい選手です。前半はクボタさんにやられたという印象が強いです。ただ、ハーフタイムでは選手たちが明るくて、クボタさんは一杯一杯という感じでした。後半、立ち上がり、すぐスコアできたのは良かったと思います」

○廣瀬俊朗キャプテン
「まず、久々の東京で、東京のファンの皆様の前で東芝のラグビーをお見せできて良かったと思います。前半もあるけれど、総じて良い試合だったと思います。前半、キックの対応が悪かったり、思ったよりグラウンドが滑ったりして、展開ラグビーをできませんでした」

──ハーフタイムで、どう確認したのか?
「ちょっと、横々にボールを回して、ステップできずに滑ったことと、ブレイクダウンの修正です。今週はずっとブレイクダウンをやってきて、ハーフにクリーンボールを提供することを徹底してきました。前半から修正しようと言っていましたが、向こうの上手いキックと予想以上の暑さにやられて、FWが戻りきる前に蹴ってしまいました」

──ペナルティを狙わなかったが?
「前半、まったくPGは考えていませんでした。前半なので、どんどん圧力を掛けたかったのと、FWは先週、モールでトライを獲っているので、チャレンジしたほうが次に繋がると考えました」

──80m以上、独走したが?
「うちのディフェンスシステム上、インターセプトは狙っていました。ドゥラーム選手は割りと持ってから見て放るので、オフサイドだけ気をつけていました」

──2年前と同じようにインゴールを踏み越し、トライできなかったが?
「(苦笑)いつもどおり、トライが下手なんです(笑)」

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