10節 マッチ&会見リポート(神戸製鋼 17-23 トヨタ自動車)

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C:2009, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)

マッチリポート
神戸製鋼コベルコスティーラーズ 17-23 トヨタ自動車ヴェルブリッツ
【week10/2009年12月13日(日) at兵庫・ホームズスタジアム神戸】

トヨタの先蹴で始まったゲームは、キックによる陣取りから滑り出す。
1分、神戸製鋼ボールラインアウト(LO)のミスから押し込むトヨタ、モールからの左展開を、FBイェーツがギャップを突き、T(G成功0-7)。
出鼻をくじかれた神戸製鋼に、同じホームズスタジアム神戸に於ける2年前の悪夢(7-45)がよぎったが、5分トヨタ陣15mLOから右展開、FL7ハーディングの絶妙なショートで巧みに抜け出し、フォローのFL6鈴木が繋いでT(G成功7-7)。
その後、一進一退を繰り返す両チームだったが、肝心な場面でのLOミスから押し込まれる神戸製鋼、必死にトヨタBKの連続攻撃を止めるも、少しずつタックルポイントにズレが生じ、15分神戸製鋼陣中央5mラックからSOアイイの巧みなループを起点に、FBイェーツがランニングコースを変えT(G不成功7-12)。肝要な場面で、トヨタが支配しペースを掴む。
26分ラックでの処理ミスからSOアイイに50m近くを独走、Tを許すなど30分で7-20と水を開けられた神戸製鋼だったが、33分トヨタ陣左5mラックから、SH後藤→FL6鈴木が左隅に飛び込みT(G不成功12-20)、試合の興味を繋ぐ。

後半開始早々の45分、ラック周辺でのバインドの甘さを突かれる神戸製鋼は、たまらずノット・リリース・ザ・ボールの反則を犯し、右隅40mPGをSOアイイに決められ12-23。FW戦で優位に立てない神戸製鋼は決め手が無く、いたずらに時間を経過させたが、転機になったのが、トヨタがSOアイイを含む4名を一度に入れ替えた56分から。59分トヨタ陣ゴール前LOから、バランスが微妙に崩れたモールを押し込み、FL18植村が右隅にT(G不成功17-23)。

その後、俄然ボールキープ力が上がり、優勢にゲームを進める神戸製鋼だったが、"最後のピースがはまらず"得点に結びつかない。残り5分を切り、ボールキープで逃げ切ろうとするトヨタに対し、終了直前ハーフウェイライン付近でペナルティを得た神戸製鋼だったが、FLブラッキーのラフプレーから判定が覆り、万事休す。
終盤、それなりの緊迫感と期待感があっただけに、残念且つ興ざめな幕切れであった。なおマン・オブ・ザ・マッチには、トヨタ自動車ヴェルブリッツからオレニ・アイイ選手が選出された。(廣島 治)

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会見リポート
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
平尾GM兼総監督(左)、大畑主将
平尾GM兼総監督(左)、大畑主将


◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○平尾誠二GM兼総監督
「シーズンを通して重要なゲームだったが残念な結果となった。前半に許した3トライがこのゲームの大きな分岐点となった。大事なゲームを落としてしまったが、切り替えてしっかり戦いたい」

○大畑大介主将
「このゲームをシーズンの1つの大きな山場として考えていただけにショックが大きい。残り3ゲーム、できるだけの努力をして戦いたい」

──怪我の状態はどうか
○大畑主将
「グラウンドに出ている以上は、それなりのコンディションでゲームに臨んでいる」

──トヨタに多くのターンオーバーを許してしまったが、予測していたか。
○平尾GM兼総監督
「予測していた。中盤には盛り返したが、前半に受けたプレッシャーによるダメージが大きかった。鍛えなおす部分である」

──これまでの課題であるラインアウトが改善できなかったようだが。
○平尾GM兼総監督
「良いときと悪いときのムラがある。プレイヤー個々の質を上げないと、トップ4に入れない」

──モールを多用していたが。
○大畑主将
「モールで押し切れると判断した結果。準備をしていたので、FWが自信を持って臨める形を選択した結果である」

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トヨタ自動車ヴェルブリッツ
石井監督(右)、麻田主将
石井監督(右)、麻田主将


◎トヨタ自動車ヴェルブリッツ
○石井龍司監督
「絶対に落とすことができないゲームだったので勝ちにこだわった。後半攻められる時間帯が多かったが、耐え忍んで勝つことができた。大きな一勝だ。今後の課題は後半の得点力強化である」

○麻田一平主将
「ホームズスタジアム神戸では、2年前にも神戸製鋼に快勝できたので、この球場とは相性の良さを感じていた。神戸製鋼DFのプレッシャーが強かったが、結果として勝てたことを素直に喜びたい。次ゲーム以降は、アタックの精度を高めたい」

──神戸製鋼の攻めに対して、DFが大崩れしなかったが。
A:石井監督:
「ハーフタイムに、タックルを受けすぎていると注意した。また、DFは、組織力だけではなく、プレイヤー一人一人が強くタックルに行くように指示した」

──後半、一気に4人の交代をしたが、不安はなかったか。
A:石井監督:
「非常に迷った。アイイをFBに下げることも考えたが、イェーツがラッキーボーイだったのと、黒宮に代えることで、もう1トライ取りに行った」

──ブレイクダウンの局面で有利だったと思うが。
A:麻田主将:
「両者ともプレッシャーをかけた時間があった。レフェリングに対応できなかった場面も多々あり、今後の課題だと思う」

──NEC戦と比べて改善点は。
A:麻田主将:
「コンディションが全く違った。前半は、ボールを積極的に回してトライを奪うことができた。後半は、エリアマネジメントの点から自陣でのDFが多かった」

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