11節 マッチ&会見リポート(クボタ 24-20 リコー)

マッチリポート
クボタスピアーズ 24-20 リコーブラックラムズ
【week11/2009年12月19日(土) at東京・秩父宮ラグビー場】

秩父宮ラグビー場は第一試合よりも雲が多くなってきたが快晴、無風、絶好のラクビー日和である。バックスタンドには陽射しを受けながらの大勢の応援団。前節までクボタスピアーズ(以下クボタ)、リコーブラックラムズ(以下リコー)はともに4勝6敗、勝点差でクボタ8位、リコー11位。リコーにとっては入替戦回避のために大事な試合である。クボタはトップリーグではリコーにはまだ負けたことがなく相性がいいようだ。

リコーのキックオフで試合開始。いきなり逆サイドにキックで先制攻撃を仕掛ける。ペナルティでクボタに簡単にゴール前までボールを運ばれる。3分、クボタはゴール前ラインアウトからモール、モールサイドを押し込んでLO龍シオアペラトゥーがトライ。ゴールも成功(7-0)。リコー、ペナルティを繰り返す。10分にはリコーゴール前ラインアウトからLO龍シオアペラトゥーがパスを受けそのまま一直線にゴールに突進しトライ。ゴール成功。(14-0)。クボタの連続トライで一方的なペースになりそうな流れを13分にリコーFLウィルソンが40m近いDG成功で何とか食い止める(14-3)。リコーのラインアウトミスからクボタは何度も攻撃チャンスを得る。
21分リコー陣内でリコーペナルティをクボタフランカーが素早くセンターにパス、LO今野に繋ぎそのままLO今野が真中に飛び込みトライ。ゴール成功(21-3)。29分リコーSO河野がクボタバックスの裏にパントしバウンドしたところをFLがキャッチ、CTB小松にパスしそのまま走りこんで中央トライ。ゴール成功(21-10)。その後もボールが激しく動くが得点には至らず前半終了。

後半開始早々の4分にリコーSO河野PGを決め21-13。リコーの動きが良くなってきたが、クボタはボール維持、継続にミスが少なく保持し続ける。その間リコーは反則を繰り返すも、クボタは飽くまでもトライに拘りPGは狙わず。ラインアウトに相当自信を持っている。リコーはゴールラインに釘付けなるもゴールを割らせない。15分中央付近でのリコーラックからのパスをNO8フェレラが物凄いスピードでキャッチし30Mそのまま走りこみ中央にトライ。ゴール成功(21-20)。クボタは1点差まで追い詰められたが焦りは感じられない。ボールを支配し攻め続けるもリコーの固い守りを崩せない。キックパスを試みるも僅かにずれる。
お互いにミスで何度かチャンスを潰す。37分リコーのオフサイドにクボタは残り時間を考えてトライを狙わずPGを狙い決める(24-20)。リコーはトライを取るしかない。クボタ陣内で攻め続けるも最後はモールノックオンでノーサイド(24-20)。クボタには大きな勝利であった。
この試合はラインアウトの差が大きく出た。クボタのクリーンキャッチに対しリコーはミスでチャンスを何回も逃がした。またクボタのボールキープ力が少し上回っていた。リコーはクボタの執拗な攻撃を後半ノートライに押さえた守備は見応えがあった。MOMにはクボタ今野達郎選手に決定した。(新田武明)

クボタ 24-20 リコー クボタ 24-20 リコー クボタ 24-20 リコー クボタ 24-20 リコー

会見リポート
リコーブラックラムズ
ローデンヘッドコーチ(右)、瀧澤ゲームキャプテン
ローデン ヘッドコーチ(右)、瀧澤ゲームキャプテン


◎リコーブラックラムズ
○トッド・ローデン ヘッドコーチ
「とてもがっかりしています。ラムズに来て一番がっかりした試合です。クボタさんは、やはりゲームをスローにしたり、しっかり攻めたりしてきました。ゲームをテンポアップさせたかったのですが、できませんでした。ラインアウトもクリーンにボールが取れず、もう少しラインアウトが取れていればと思います」

──湯浅選手を起用し、池田キャプテンをリザーブにしたのは?
「ローテーションで変えただけです。それ以上の意味はありません」

○瀧澤佳之ゲームキャプテン
「この1戦が大事な試合になると、選手はみんな気持ちが入っていましたが、結果として勝つことができず残念です。ラインアウトがことごとく取れず、スローワーとして反省しています。前半、FW勝負で2本獲られたのは悔やまれます。まだ、終わったわけではないので、がんばります」

クボタ 24-20 リコー クボタ 24-20 リコー
クボタスピアーズ
山神監督(右)、荻原キャプテン
山神監督(右)、荻原キャプテン


◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督
「勝てたことを素直に喜んでいいかなと思います。4連敗していましたが、良いところも出ていました。リコーさんはクイックテンポで来るだろうと予想していましたが、そこで、いかに主導権を握るかがテーマでした。前半、テリトリーで上回ったが、ミスで簡単なところを難しくしてしまったと感じています。これでは4連敗した相手に勝てませんので、修正します。後半はリコーさんが体力に自信を持っていると思いましたので、最初の10分くらいのところで先手を取りたかったのですが、後手を踏んでミスを修正できませんでした。勝ちきれなかった硬さが出ました。しっかりしたゲームプランであれば戦える力が付いてきています。80分連続して出せるようにしたいと思います」

──オフサイドが多かったが?
「厳格に取られていました。ディフェンスに段がついていてワンラインでないので、そういう印象をレフリーに与えたかもしれません」

──チームの成長は?
「自分たちの形が見えてきたと思います。しっかり球出しできれば、走りこんでくるプレーヤーに渡せます。今日も前半の前半に良くボールを動かしていました。ラインアウトも成長し、マイボールの精度が上がっています。ラインアウトディフェンスも良かったと思います」

──ケフ選手の怪我は?
「指の裂傷で、縫っていました」

○荻原要キャプテン
「本日はありがとうございました。今日の試合はミスが多く、ぜんぜん満足いくゲームではありませんでした。4連敗していて、勝てたことだけが救いです。厳しい状況の中、応援してくださったファンの皆様や従業員、試合に出られない部員の全員に感謝したいと思います」

──思うようなゲームではなかった?
「ラインブレイクした後に無理なオフロードパスをし、そのほか、ノックオンやオーバー・ザ・トップなどのミスが多かったです。自分たちの流れを持ってこれませんでした。前半、もう3本くらいトライチャンスがありまししたが、あそこも獲りきれていません」

──良かった点は?
「最後はしっかり反則をせず、止めきったところです。リコーさんはトップ4と比べれば圧力はあまり感じませんでした」

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