ワイルドカード セミファイナル マッチ&会見リポート(福岡サニックス 5-33 NEC)

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C:2010, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)

福岡サニックスブルース 5-33 NECグリーンロケッツ
【ワイルドカードトーナメント セミファイナル/2010年1月16日(土) at 大阪・近鉄花園ラグビー場】

リーグ戦7位で通過し、最終節で近鉄に圧勝した勢いでワイルドカードに勝利を収めたい福岡サニックスと、リーグ戦10位と不本意な位置にはいるが、リーグ戦終盤にようやくチームとしての試合ができるようになり、最終節でヤマハ発動機を圧倒した、トーナメント戦にめっぽう強いNECの一戦。好ゲームが期待されたが…。

前半、膠着状態が続く中、NECが福岡サニックス陣内で試合を優位に進め、17分、ゴール前30m右中間から右展開し、NEC右WTB14番 窪田がトライを挙げようやく得点が動き始める。以降も、随所にNECフォワードがラック、ライン参加などで活躍し、31分にもハーフウェイ付近のスクラムから左へ展開、最後はWTB11番 瀬崎が飛び込んでトライを挙げリードを広げる。福岡サニックスも34分、相手キックから反撃し、FWも交えたパスをつないでトライを挙げ、前半を(5-14)で折り返す。

後半の先取点もNEC。5分にゴール前のラックからSO10番 松尾がトライを挙げて(ゴール)5-21と試合の主導権を握ると、その後も15分、19分に2トライを加えるなど着々と得点を重ねる。福岡サニックスは全般を通じて肝心なところでノックオンやパスミスなどでリズムに乗れず、後半は得点を挙げられないまま、5-33でノーサイド。NECがトーナメント戦の強さをいかんなく発揮した試合であった。(大阪府協会 山林右二・蜷川善夫)

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会見リポート

福岡サニックスブルース
藤井監督(左)、菅藤キャプテン
藤井部長兼監督(左)、菅藤キャプテン

◎福岡サニックスブルース
○藤井雄一郎部長兼監督
「NECの分厚いDFと強力FWに押され、相手ペースでゲームが終始した…。完敗だった」

○菅藤友キャプテン
「監督の言葉どおりで、一年前のチームDFのない試合の再現だった。一年間走り込んできた成果が振り出しに戻ってしまい、また一から始めなおさなければならないのかと思うと気が重い…。来シーズンは、勝ち負けにかかわらずサニックスらしいラグビーをして、ファンの皆さんに満足してもらえる試合ができるように頑張っていきたい」

──NECに対してどのような戦術で臨んだのか?
○藤井部長兼監督
「ノックアウト方式になり、一年間やって来たことをそのまま出そうとした。ただ、特にモールドライブと外国人選手はマークするよう指示した。前半は良かったのだが、後半になってNECのプレッシャーを受けて、ミスも多くなり、特にブレイクダウンでの球出しがスムーズに行かなくなった。そのあたりが敗戦につながったのだと思う」

──今シーズンを振り返って、来シーズンに向けての抱負は?
○菅藤キャプテン
「シーズンを通して出来・不出来の差が大きすぎた。今日みたいな試合をしていたら、それこそ13試合すべて負けてしまう。来シーズンは高い意識を持って、毎試合自分達のラグビーができるようにしていきたい」

──一年間の経験を今後の自信にどうつなげるのか?
○藤井部長兼監督
「今シーズン若手を起用するようにしてきたが、成長のはっきり分かるシーズンだったと思う。今では、どうすれば勝てるのか、何をしたら負けてしまうのかということが選手たちの共通の理解となっているので、あとはプレイの精度を高めて、チーム全体のレベルアップに繋げていきたいと考えている」

ワイルドカードトーナメント
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NECグリーンロケッツ
岡村ヘッドコーチ(右)、ラトゥ ゲームキャプテン
岡村ヘッドコーチ(右)、ラトゥ ゲームキャプテン

◎NECグリーンロケッツ
○岡村要ヘッドコーチ
「ワイルドカードのシリーズを、力の出しきれなかったリーグ戦の“リベンジ・ロード”と位置付けている。今日の試合、前半30分ぐらいまでは、ポンポンとテンポよく回してくるサニックスのラグビーにつき合い過ぎてしまい、NEC本来のテンポが崩れ、翻弄されるような試合だった。
しかし、30分を過ぎて50-50パスもよくつながるようになり、逆転して折り返せた。ハーフタイムでは、相手としっかりコンタクトして自分達のストラクチャーで闘うように指示した。そして、その指示どおりに修正できるのが、今のチームの成長ぶりを表していると思う。DFから攻めるというのがチームのテーマだが、後半は緑色の…今日はセカンドなので白だったが…DFの壁で勝利を手にすることができた」

○ニリ・ラトゥ ゲームキャプテン
「前半は、ほとんどゲームのコントロールができていなかったが、ハーフタイムから戻った後は、日本選手権に行きたいという選手の思いが一丸となって、NECの力を目に見える形で証明することができた。このチームを誇りに思う」

──リーグ戦前半の不調から後半徐々に立ち直ってきたが、そのポイントは?
○岡村ヘッドコーチ
「リーグ戦の前半は、自信が欠けており、バラバラなラグビーをして、ただ、敗戦を繰り返すだけだった。ウインドウマンスの11月に、チームのストラクチャーを再度組み立てなおしてからは、たとえ敗れた試合であっても、一戦一戦手応えを掴み、それが自信につながり、いい成果を出せるようになった。チームの構成もこのような流れの中で見直し、作り上げてきたもの、今がベストだと思う」

──次の試合に対してどのような準備をするつもりか?
○ラトゥ ゲームキャプテン
「特に新しいことをするような考えはない。今はチームとしては、大変いい状態にあって、お互いに信じ合うことが成功につながっている。私自身、いいチーム、コーチングスタッフ、環境がすべて整っており、非常にハッピーだ」

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