8節 マッチサマリー(サントリー 50-14 NTTコム)


サントリーサンゴリアス 50-14 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
【week8/2010年11月27日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】

トップリーグで初顔合わせの対戦。一試合平均42点と、現在トップリーグ随一の得点力を誇るサントリーサンゴリアスに対し、現在10位なるも前半節ではトヨタ、クボタをやぶり、東芝、近鉄、豊田自動織機ともクロスゲームを展開したNTTコミュニケーションズシャイニングアークスがどのように戦うかが焦点の試合。

サントリーが立ち上がりに立て続けに2本のトライを取ったものの、NTTコムの出足の良い攻撃に中盤は受け身に回る。NTTコムは12分、16分とサントリー陣内のペナルティでは確実にショットを決めて点差を縮める。その後もFBジェラード、CTBネルらの攻撃でサントリー陣において勝負を続けるものの、ゴールラインを陥れることができない。

19分、サントリーはSOピシと良い角度でクロスを決めたPR畠山がトライ。(ゴール成功21-6)
PGを加え、さらに38分にFL元がハーフウェイ手前より突破、大きくゲインし、ラックからパスを受けたLO眞壁がさらにラインブレイク、22mを走り切ってポスト下にトライ。31-6で前半を終了。

後半5分、NTTコムはサントリー陣22m中央で得たペナルティでショットを選択。差を縮めると、そこから連続攻撃をしかける。サントリー陣内で長時間のボール継続、複雑なクロス&ループをからめた展開に持ち込み、最後はLO石神が右隅に押さえこんでトライを挙げた。(31-14)

その後もNTTコムは果敢に攻撃を仕掛けるものの、サントリーの分厚いディフェンスに阻まれてラインブレイクできず。逆にサントリーが16分、NTTゴールライン手前のラインアウトからモールを押し込みトライし、試合の勝敗を決定づけた。(G成功38-14)
その後も27分にWTBヒューワットがトライ、37分に小野澤と2本のトライを重ね、最終的に50-14のスコアで勝利を収めた。

会見ダイジェスト
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
大沼監督(右)、中山キャプテン
大沼監督(右)、中山キャプテン


◎NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
○大沼照幸監督
「ウィンドウマンス明けの緒戦ということで、選手も気合を入れた試合でした。結果として大敗しましたが、要因は今までの強みと考えていた我々のディフェンスで受けてしまったことが挙げられます。特に、前半、ブレイクダウンでプレッシャーを掛けられず、サントリーさんのテンポで連続攻撃されたことが敗因です。次週のサニックスさんは良くボールを動かすチームですので、次週に向けて備えていきたいと思います」

──メンバーが代わったが?
「怪我やパフォーマンスを総合的に考えて、リザーブに回ってもらった選手もいます」

──中山キャプテンの代わりは?
「栗原にゲームキャプテンを任せました」

──25点差からペナルティを狙ったのは?
「チームとして、前半のスコアは考えないで、取れるところで取っていこうと確認していました」

○中山浩司キャプテン
「ありがとうございます。この1ヶ月、前半戦の課題であった大きくボールを振るディフェンスを練習し、選手としても集中してやろうと臨んだ試合でした。サントリーさんの前に出る圧力とブレイクダウンの上手さに強みを出すことができず、リズムに乗れませんでした。サントリーさんのブレイクダウンのリズムから学ぶことが多かったので、次の試合に生かしていきたいと思います」

──サントリーのブレイクダウンの上手さとは?
「少人数でプレッシャーを掛けてくるところです。しつこさ、上手さと思いました。そういったところが学んだところです」


サントリーサンゴリアス
ジョーンズ監督(右)、竹本キャプテン
ジョーンズ監督(右)、竹本キャプテン


◎サントリーサンゴリアス
○エディ・ジョーンズGM兼監督
「合宿をしました。トレーニングも良かったので、前半は良いラグビーができました。後半は難しい、ブレイクダウンでは問題点がありました。動きながらリズムが取れないところも課題ですが、後半はタフにプレーできました」

──フィジカル面は?
「80%のFWが1kg筋肉を付けました。凄く一生懸命ウエイトをしています。しっかり食べています。仲村選手はうちに来たときは135kgで体脂肪率20%でしたが、今は118kgで18%です。フィジカルで良い方向に行っています。まだまだですがね」

──チーム戦略とフィジカルがマッチしてきたか?
「そうですね。秋のテストマッチではニュージーランドのプレーが他の国より上を行っています。ニュージーランドと同じではないが、同じ手法でボールをキープして攻めて攻めていくスタイルで戦おうとしています」

──1ヶ月、主力を代表に取られていたが?
「今日は、そのおかげで2人のルーキーズがプレーできました。6人中5人がトップリーグでプレーしたのは良いことです。仲村はジャパンでは6キャップ持っていますが、サントリー初キャップの方が緊張すると言っていましたので、こっちの方が緊張しているよと伝えました(笑)」

──日和佐選手を起用せず、また、グレーガン選手をリザーブで起用したのは?
「日和佐は良いプレーをしますが、1年目ですので休養を取らせたかったのです。ジョージは37歳、ラグビー人生はあと何分と計画していると思います。1試合で使い切ってしまってはもったいないですからね。10年前なら自分でトライしていたと思いますが、今日はフリップパスを出していましたね(笑)」

○竹本隼太郎キャプテン
「この1ヶ月のウィンドウマンスで、良い準備ができました。先週は一番激しく良い練習ができたと思います。自分たちのスタイルが身に付いてきたのは良かったと思います」

──以前、一緒にプレーした仲間との対戦だったが?
「手の内を知られているということはないです。個人的には(山下)大悟さん、栗原さんにお世話になったので、やれることは嬉しかったです。ただ、試合になったら一選手ですので、チームのために戦いました」

──弟さん(慶應義塾大学キャプテン)の活躍も刺激になったか?
「少なからず、良い影響がありました」

──朝も練習したそうだが?
「もちろん、タフに戦うことが大事で、一本目の選手も二本目も同じDNAで良い練習ができました。それで良いゲームができたと思います。毎回の練習のほうが試合よりキツイので、良い練習だったと思います」

RELATED NEWS