1節 マッチサマリー(神戸製鋼 38-17 NEC)

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C:2011, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 38-17 NECグリーンロケッツ
【week1/2011年10月29日(土) at 大阪・キンチョウスタジアム】

地元ニュージーランドの優勝で幕を閉じたワールドカップ2011の高揚がまだ冷めやらないなか行われた、9シーズン目を迎える関西でのトップリーグ開幕戦。
関西ラグビーフットボール協会 金澤睦副会長から「ワールドカップでの日本代表の健闘を称えるとともに、トップリーグへの声援・支援をお願いします」との開会宣言に引き続き、昨年のレギュラーシーズン5位の神戸と6位のNECの戦いでシーズンの火蓋が切って落とされた。

前半3分、神戸製鋼はハーフウェイライン中央のラックから、SH猿渡がラックサイドを抜け、左FL橋本につないでトライ、SOグラントのゴールも決まり、7-0と先制する。
しかし、NECはこれ以後、試合を神戸製鋼陣内で進め、左ライン際を再三破ってゴール前に迫り、10分以上一方的な攻撃を続ける。これに対し、神戸製鋼は規律のとれたディフェンスでゴールを割ることを許さず、ニューフェイスの左WTB中濱のゲインなどで徐々にNEC陣に入り、19分、ゴール前7mのラインアウトから持ち味のモールを押し込み、右LO谷口がトライ。攻撃の歯車がかみ合いはじめた神戸製鋼は、この後27分、32分と立て続けにトライ(ゴール)を挙げ、NECを1PGに抑えて前半を終えた。

後半、NECは昨シーズンまで関東大学対抗戦で活躍した田村をSOに投入すると、BKがグラウンドサイドを幅広く使い始める。1分、後半入替わった左WTBナドロが神戸製鋼のディフェンスの隙を抜け、トライ(田村がゴール)を返して追い上げムードに入ると、NECはリズミカルな攻撃で試合の流れを支配する。
一方、神戸製鋼はFWの疲労が見られたもののディフェンスに乱れはなく、NECのラストパスを許さない。逆に、左LO伊藤が試合の流れを決める重要なタックルをヒットさせ、自陣10mライン中央でNECがノックオンしたボールをインサイドセンターのカワウが確保し、相手ディフェンスを振り切ってポスト右にトライ、35-10とゲームを決定づけた。NECは最後まで試合をあきらめることなく戦ったが、1トライ(ゴール)を返すにとどまった。
両チームともニューフェイス・昨年度の大学でのスター選手が活躍し、今後のトップリーグの発展に繋がることを期待させる一戦であった。
MOMには神戸製鋼左PR、キャプテン平島が選ばれた。(大阪府協会 山林右二)

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会見ダイジェスト
NECグリーンロケッツ
岡村ヘッドコーチ(左)、ラトゥ主将
岡村ヘッドコーチ(左)、ラトゥ主将


◎NECグリーンロケッツ
○岡村 要ヘッドコーチ
「ミスが多く、今日が今季プレシーズンマッチを通じてのワーストゲーム。後半はよく立て直してくれたが、アンラッキーなトライが続いたり、流れを逃した場面もありで残念な結果となった。その中でプレーヤーがしっかり戦ってくれたことは誇りに思う。
まだ緒戦であり、万全の準備で次へ切り替えたい」

○ニリ・ラトゥ主将
「自分たちが描いていたゲームができなかった。神戸製鋼とはハードゲームになると予想していたが。後半だけでみるとNECが勝っていたが、アンラッキーなシンビンもあり、致命的な流れになってしまった。残念な結果だが、しっかり立て直したい」

──戦前、FW戦で優位が予想されたが。
○ラトゥ主将
「ルールについての解釈に齟齬があったかもしれない。ゲーム中の修正力の差がスコアに表れたのだろう」

──後半有利にゲームを進めたが。
○岡村ヘッドコーチ
「緒戦のプレッシャーだろう。熱くなるところと冷静に展開するところのバランスがとれなかった」

──ルーキー田村について。
○岡村ヘッドコーチ
「早めの投入を予定していたが、予想以上の苦戦で若干遅れた。後半のゲーム支配をみると狙い通りの働きをしてくれた。新人離れしており、今後が楽しみだ」

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神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田ヘッドコーチ(左)、平島主将
苑田ヘッドコーチ(左)、平島主将


◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○苑田右二ヘッドコーチ
「シーズンスタートからチーム全員が、目標に向かってハードワークをし、良い準備をして開幕を迎えたことが今日の勝利に繋がった。内容に関しては満足していない部分もあるが、結果には満足している」

○平島久照主将
「素晴らしい環境でゲームができたことに感謝したい。前半は満点に近い出来だったが、後半に課題を残した。とはいえ、緒戦をいい形でスタートできた」

──後半の苦戦について。
○苑田ヘッドコーチ
「後半から投入されることを予想していたインパクトプレイヤー(WTB・ナドロ選手)にトライを許し、相手に勢いづけたこととアンストラクチャーでのラインブレイク後のプレーの結末が良くなかったことが原因の1つではないか。しかし、前半から怪我人も多く出たが、終始神戸のペースで我慢強くプレーできていたと思う」

──BKの評価は。
○苑田ヘッドコーチ
「アタック・ディフェンスとも全体的に良かったと思う。試合を積み重ねるごとに、もっと良くなると思っている」

──今日の出来具合について。
○平島主将
「ヘッドコーチの言葉にもあったように、我慢強くDFできた。春からのハードワークが活きている」

──MOVING RUGBYの体現について。
○苑田ヘッドコーチ
「前半は、特に我々が目指しているラグビーが出来ていた。密集で小刻みにボールを動かしたり、BKがショートスペースで相手の足を止めラインブレイクをしていた。修正点はあるが、気の抜けるゲームが1つもないと考えているので、先を見ず、まずは目の前のゲームに向けてしっかり準備をし、コンディションを整えることが重要だと思っている」

──負傷退場したCTB今村について。
○苑田ヘッドコーチ
「今村の具合は病院で検査しないとわからないが、その他数名も負傷し、次節では大幅な入れ替えを余儀なくされる可能性がある」

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