7節 マッチサマリー(NTTコム 34-24 NTTドコモ)

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 34-24 NTTドコモレッドハリケーンズ
【week7/2011年12月17日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】

NTTコム 34-24 NTTドコモ   NTTコム 34-24 NTTドコモ   NTTコム 34-24 NTTドコモ
NTT対決は兄貴分のNTTコミュニケーションズが貫録を見せる

NTTドコモレッドハリケーンズのキックオフで始まったNTT対決。
両チームが観客を動員し、バックスタンドはほぼ満席に近い状態。NTTコミュニケーションズシャイニングアークスは怪我人が戦列に復帰しベストメンバー。一方、NTTドコモは前節に格上の神戸製鋼コベルコスティーラーズに逆転勝ち。トップリーグでの初勝利を掴み良い雰囲気で臨む試合となった。

しかし、ゲームの入りからNTTコミュニケーションズの勢いが優り、前半6分にNTTドコモのハイタックルでPGを3試合ぶりの先発となったFB栗原徹が難なく決め先制すると、その僅か3分後には22m付近の左中間ラックから、ミスマッチを突きCTBジェイピー・ネルがトライ。その2分後にはキャプテンWTB友井川拓が、NTTドコモのパスをインターセプトしトライと、試合の序盤でNTTコミュニケーションズが17-0でリードする展開となった。
前半は殆どNTTドコモの陣営でのゲームとなり、その後もNTTコミュニケーションズは1トライを決め、NTTドコモを1PGのみに抑え22-3でハーフタイムを迎えた。
NTTドコモはラインアウト・スクラムのセットプレーが安定せず、攻撃の手段がないまま前半を終了した。

後半も10分にNTTドコモのダブルタックルをかわし友井川がトライ。13分にはハーフライン付近のターンオーバーしたボールをネルが拾い、そのままゴールラインまで走り抜け34-3と一方的な展開になるかと思われた。
しかしここからNTTドコモの反撃が始まり、左サイドからのマイボールラインアウトを確保し右に大きく展開。FLイオンギ・シオエリがライン参加し、注目のFBミルズ・ムリアイナがトライ。28分にはNTTコミュニケーションズ10m付近から右サイドのラックを素早く左へ展開し、SOに入ったハミッシュ・ガードがインゴールへゴロパントを転がし、自ら押さえ34-17と追い上が始まった。

しかしその後は一進一退を繰り返し両チーム得点がないまま、ノーサイドのホーン後にNTTドコモが自陣から果敢に展開。フェーズもしっかり押さえFL鄭智弘がゴール中央に持ち込み、最後の意地を示した。
NTTドコモはセットプレーが安定せず、後半は追い上げたものの前半で失点が大きく、NTTコミュニケーションズに追いつく事ができなかった。
第8節、NTTコミュニケーションズはNECグリーンロケッツ、NTTドコモはヤマハ発動機ジュビロと、両チームともに今シーズン調子の良いチームと対戦することになる。NTT両チームの健闘に期待したい。(児玉 隆一郎)
NTTコム 34-24 NTTドコモ   NTTコム 34-24 NTTドコモ   NTTコム 34-24 NTTドコモ
会見ダイジェスト
NTTドコモレッドハリケーンズ
高野ヘッドコーチ(右)、箕内ゲームキャプテン
高野ヘッドコーチ(右)、箕内ゲームキャプテン


◎NTTドコモレッドハリケーンズ
○高野一成ヘッドコーチ
「今日は本当にたくさんのサポーターの方がいらっしゃってくださって感謝しています。勝ちをお見せできなかったことが非常に残念です。
NTTダービーということで、どれだけうちのラグビーができるかチャレンジしたゲームでした。NTTコミュニケーションズさんのブレイクダウンでの圧力が非常に高く、うちのテンポをつくれなかったことが敗因です。ただ、後半は盛り返す得点力があるところはお見せできました。次週のヤマハ発動機戦に向けて修正していきたいと思います」

──かなり、エリアを取られたが?
「エリア戦略は毎試合立てていますが、ラックエリアのブレイクダウンでかなりプレッシャーを受けて、こちらのテンポが出せませんでした。
そのためチェイスもできず、そこも修正していきたいと思います。まず、そこに入られないということが大切です」

──メンバー構成は?
「メンバーは先週とほぼ同じで、後半のインパクトプレーヤーを出せたのも成果の一つです。前半のエリアの選択の部分はしっかり修正したいと思います。アタックの仕掛けも十分狙っていた通りにできませんでした」

○箕内拓郎ゲームキャプテン
「後半最後に10点差に追いつくことはできたのですが、やはり前半センターブレイクされて得点されたのが敗因だと思います」

──何が先週と比べてうまく行かなかった点か?
「前半、ブレイクダウンのところで圧力を受けてボールが出せず、先週のようにうまくはいきませんでした。NTTコミュニケーションズさんの1対1の圧力が強かったと思います。
後半、ボールが動き出すと相手のディフェンスにも穴が空きました。レフリングへの対応を含めて、来週に向けて修正したいと思います。その分、向こうのディフェンスは素晴らしかったと思います」

NTTコム 34-24 NTTドコモ   NTTコム 34-24 NTTドコモ   NTTコム 34-24 NTTドコモ
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
大沼監督(右)、友井川キャプテン
大沼監督(右)、友井川キャプテン


◎NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
○大沼照幸監督
「本日はありがとうございます。本当に多くのサポーターの皆様がおいで下さって感謝しております。今日の試合は、我々の強みと認識しているセットプレー、スクラム、ラインアウトでしっかりプレッシャーをかけようとしました。前半は非常にプレッシャーをかけられたのが大きかったです。ディフェンスも我々の強みですが、しっかり選手が出し切ってくれたことが勝利につながったと思います」

──ゲームプランは?
「うちもブレイクダウンにはこだわっていますが、NTTドコモさんはパックロー中心に、ブレイクダウンの強さがあると認識していました。一つ一つのブレイクダウンでしっかりファイトしようと試合に臨みました」

──先週、ドコモが神戸製鋼に勝っていたが?
「ドコモさんは9番から10番のディフェンスがウィークポイントと分析し、しっかりそこを攻めたいというのがありました。ドコモさんのディフェンスは前へ出てこないので、インサイドセンターがしっかり縦を突いて行こうとしました」

──今日のゲームを踏まえて来週は?
「自分たちのラグビーは順目にオーバーラップを作って、良い状態で1対1を作っていく形です。NECさんはフィジカルの強いチームですので、しっかり負けないでファイトするということが重要です。
セットプレーにもこだわりのあるチームですので、そこのところをしっかりつくっていこうと思います」

○友井川 拓キャプテン
「大勢の観客の皆様が見ているゲームで、勝つことができてよかったと思います。前半はああいう良いゲームができましたが、後半はNTTドコモさんにいいようにアタックされたので、修正して次のNEC戦に備えたいと思います」

──トップリーグ1年先のプライドは?
「まあ、1年早くトップリーグでやれているというのは関係ない、しっかりトップリーグの強豪チームとやろうと臨みました。NTTドコモさんとは毎年試合しますが、トップリーグですることができて楽しかったです」

──相手の15番(FBミルズ・ムリアイナ)は?
「選択肢にミスがないと感じました。プレーもそうですが、フィールドポジションも素晴らしいと思います。チームにマッチしたら怖いなと思います。トライの嗅覚に優れた選手だと感じました」

──キャプテンもトライの嗅覚に優れているのでは?
「彼のほうが持っていると思います(笑)」

RELATED NEWS