7節 マッチサマリー(ヤマハ発動機 8-21 東芝)

ヤマハ発動機ジュビロ 8-21 東芝ブレイブルーパス
【week7/2011年12月18(日) at 静岡・ヤマハスタジアム】

ヤマハ発動機 8-21 東芝   ヤマハ発動機 8-21 東芝   ヤマハ発動機 8-21 東芝
ヤマハ・徐選手を止める東芝・大野選手 東芝・豊田主将の突進 ヤマハ・五郎丸選手のターンオーバーからのロングキック
photo by 谷本結利(静岡県ラグビー協会)
優勝への生き残りをかけた激しい戦いを制した東芝

第5節まで快走してきた東芝ブレイブルーパスが、前節NECグリーンロケッツに後半零封されてまさかの敗戦を喫した。ヤマハ発動機は近鉄ライナーズ、サントリーサンゴリアスに敗れたが、その後立て直して上位グループに留まっている。その両チームが優勝への生き残りをかけて、快晴のヤマハスタジアムで激突した。
今シーズン、ヤマハスタジアムでの2試合目となる第7節は、好ゲームを期待したファン9,656人を集め、ヤマハ発動機のキック・オフで始まった。

試合は開始から東芝が攻撃を仕掛けていたが、自陣でのターンオーバーからFB五郎丸歩のキックで相手陣に入り、直後のPGでヤマハ発動機が先制した。その後両チームともハンドリングミスや反則が目立ち、なかなか得点に結びつけることができない状態が続いていたが、東芝は26分ヤマハ発動機がノットリリースの反則を犯し得た同点に追いつくPGを狙わず、素早く展開しSOデイビッド・ヒルがゴール下にトライし逆転した。
東芝のディフェンスが素晴らしく、ヤマハ発動機はゲインラインを超えることができなかった。しかし、東芝も要所でペナルティを取られ、リズムに乗ることができなかったが、それでもワンチャンスを確実にトライに結びつけたことは大きかった。ヤマハ発動機はラインアウトが取れずPGの得点以後チャンスを作ることができなかった。34分の五郎丸の45mPGも左に外れ、加点することができなかった。

後半も先手を取ったのは東芝。ヒルのキック・オフのボールを直接キャッチし、攻撃の主導権を握るとゴール前から左に展開し、1分、右CTB吉田良平がスピード良く抜け出してトライする。
その後もPGからの素早い展開でトライを取った東芝に対し、ヤマハ発動機は敵陣深く攻め込んでもラインアウトをスティールされ得点することができなかったが、後半21分自陣からSO大田尾竜彦のキックパスを左WTB徐吉嶺がキャッチし左ライン際を60m快走しトライする。さらに攻撃のリズムが出てきたヤマハ発動機が攻め込むが、今日の東芝はディフェンスが良く、ゴールラインを割らせなかった。

終了のホーンがなった後、両チームのボーナスポイントを掛けた攻防が3分間続いた。目まぐるしく変わる攻守に観客も興奮したことだろう。この1ポイントをかけた戦いもトップリーグの醍醐味であると改めて認識した好ゲームだった。

マン・オブ・ザ・マッチは、東芝のブレークダウンで献身的な働きをした左LO望月雄太選手。また、この試合でトップリーグ出場100試合を記録した右LO大野均選手に詰め掛けた観衆から暖かく盛大な拍手を贈られた。愛娘からお祝いの花束を受け取り、満面の笑顔が印象的だった。
ヤマハ発動機 8-21 東芝   ヤマハ発動機 8-21 東芝   ヤマハ発動機 8-21 東芝
ヤマハ・サウ選手の突進 東芝・大野選手のラインアウトでの健闘 東芝・吉田朋選手のパスアウト
会見ダイジェスト
ヤマハ発動機ジュビロ
清宮監督(右)、五郎丸ゲームキャプテン
清宮監督(右)、五郎丸ゲームキャプテン


◎ヤマハ発動機ジュビロ
○清宮克幸監督
「東芝は、もっともハードでタフなチーム。接点の攻防で前半は少し負けていましたが、後半はそのウィークポイントを改善することができた。しかし、それが得点につながりませんでした。負けはしたが手応えを感じることのできた試合でした」

○五郎丸歩ゲームキャプテン
「多くのファンの方が来てくださいましたが、結果を出せず残念です。まだまだ試合はあるので、これから気を引き締めて臨んでいきたいと思います」

──マイボールラインアウトが取れなかったことが目立ったが…
○清宮監督
「(東芝が)すばらしいディフェンスでした。東芝がよかったということです」

──試合終了のホーンからノーサイドまで長い時間であったが。
○清宮監督
「お互いに1ポイントを取りにいく時間でした。互いの意地を見せ合う時間でもありました」

ヤマハ発動機 8-21 東芝   ヤマハ発動機 8-21 東芝   ヤマハ発動機 8-21 東芝
東芝・大野選手の力強い突進 ヤマハ・トゥイプロトゥ選手 100試合出場の東芝・大野選手
東芝ブレイブルーパス
和田監督
和田監督

豊田キャプテン(左)、大野選手
豊田キャプテン(左)、大野選手


◎東芝ブレイブルーパス
○和田賢一監督
「前節からの仕切り直しのゲームでした。そして大野選手の100試合目の試合として意識したゲームでした。ロスタイムでもう1ポイントほしかったですね」

○豊田真人キャプテン
「大野均選手の100試合目のゲームということで、大野均選手のために闘おうと誓ったゲームでした」

○大野均選手
「100試合目を迎えられてうれしいです。皆さんに感謝しています。そして、101試合目に向けて取り組んでいきたいと思います」

──後半のヤマハ発動機の攻撃が厳しかったが。
○和田監督
「前節の敗戦を生かして、低いタックルを意識して取り組みました。ホーンのあとノーサイドまで互いに1ポイントを取りに行きましたが、互いにディフェンスの意地を見せた。1ポイントを取ることはできませんでしたが、取られることもありませんでした。成長の跡が見られたと思います」

──相手のラインアウトを取ることができたポイントは。
○和田監督
「分析の上でのプレーです。メンバー外の選手がよく分析してくれて、仮想ヤマハ発動機となって練習に取り組んでくれました」

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