トップチャレンジ1 第3節マッチサマリー(豊田自動織機 24-58 クボタ)

トップチャレンジ1

豊田自動織機シャトルズ 24-58 クボタスピアーズ
【トップチャレンジ1 第3節/2012年2月11日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】

前節、キヤノンイーグルスに2トライ差で敗れ、何としても勝ち点5を取りにいきたいクボタスピアーズ。CTBをマプスアとオツコロのコンビとし、FW3列に若手四至本とベテラン鈴木を先発メンバーとした。
一方の豊田自動織機シャトルズは、未だ勝ち点0ながらも自動昇格の可能性が残る大事な一戦。こちらもFWの先発メンバーを5名替え、SOに香港代表の調を先発メンバーとした。

クボタスピアーズのキックオフで試合が始まり、立ち上がりから豊田自動織機シャトルズ陣内での攻防となる。
クボタスピアーズは狙い通り両CTBを起点に攻め込むも、豊田自動織機シャトルズのディフェンスが崩れず持ち堪えていたが、豊田自動織機シャトルズ陣22m付近のスクラムで豊田自動織機シャトルズがコプラシングの反則。トライを取りにいきたいクボタスピアーズはラインアウトを選択。6分にラインアウトモールは崩されたが、BKに展開し、10番森脇からCTBの裏を11番根岸が突き、15番伊藤に繋ぎトライ。ゴールも成功し7:0。

15分には豊田自動織機シャトルズゴール前のクボタスピアーズボールラインアウトから、クボタスピアーズFWがラックサイドを執拗に攻め立て、トライ寸前まで行くが実らず。
22分にクボタスピアーズボールのスクラムから右サイドに8番四至本がもぐり、出来たラックを素早く逆サイドの左に展開し、10番森脇から12番マプスアへボールを回しトライ。ゴール成功14:0。
クボタスピアーズペースの試合展開の中、ようやく豊田自動織機シャトルズがクボタスピアーズ陣内に攻め込みフェーズを重ねるが、クイックな球出しが出来ず、なかなかゲイン出来ない。
逆に32分には、豊田自動織機シャトルズ陣内中盤のクボタスピアーズボール左ラインアウトから10番森脇、13番オツコロと繋ぎ、出来たラックのボールを順目に展開。12番マプスア10番森脇、最後はノーマークとなった14番柴原に渡りトライ。ゴールは不成功19:0。

ようやくここから豊田自動織機シャトルズの反撃となり、37分にクボタスピアーズ陣内深い位置で得たラインアウトをモールで押し込み、空いた左サイドを8番宇佐美が突きトライ。左端の難しい位置からのゴールも成功19:7。
クボタスピアーズは40分に右中盤ラインアウトからのボールを9番李が大きくラインブレイクし、フォローした6番マクメニマンに繋ぎゴールポスト中央にトライ。ハーフタイムのホーンと共にゴールも成功し26:7でハーフタイムを迎えた。
両チームともにセットプレーの正確性を欠くが、BKの展開力に優るクボタスピアーズが前半で4トライと目標のボーナスポイントを獲得した。

豊田自動織機シャトルズのキックオフで後半がスタートしたが、前半の勢いのままクボタスピアーズが早々から攻め込む。
1分には左中間ラックから10番森脇、12番マプスアと渡り、マプスアが空クロスで抜けて右中間にトライ。ゴールは不成功31:7。
続いて7分にクボタスピアーズは、自陣10m付近の豊田自動織機シャトルズのパスミスのボールを拾い、そのままタッチライン沿いを15番伊藤が走り抜け左隅にトライ。難しい角度からのゴールも成功し38:7。

ここから豊田自動織機シャトルズが意地を見せ、14分に8番宇佐美が抜け、フォローした10番調に繋いだラックから9番後藤、12番岩根、最後は右隅に14番赤石が抜けてトライ。ゴール成功し38:14。
一方、クボタスピアーズは豊田自動織機シャトルズの反則からPGを取りにいき41:14。
20分には20番笠倉、10番森脇、13番オツコロと繋いだラックから出たボールを、10番森脇がゴロパント。このボールが豊田自動織機シャトルズの選手に当たり、こぼれたボールを15番伊藤が拾いそのままインゴールへ持ち込むラッキーなトライ。ゴールは不成功46:14。

豊田自動織機シャトルズは24分に9番後藤が8番宇佐美に繋ぎ、できたラックから20番吉田、13番ヴァカ、15番大門と繋ぎ左隅にトライ。ゴールは不成功46:19。
ようやくここにきて13番ヴァガが接点での強みを発揮し始める。

豊田自動織機シャトルズ陣内22m外のクボタスピアーズボールのラインアウトから7番鈴木(力)がピールオフで抜け、13番オツコロが縦に繋ぎ出来たラックから素早く展開し、最後は4番鈴木(康)がトライ。ゴール不成功51:19。
豊田自動織機シャトルズも36分にクボタスピアーズ陣5mスクラムから8番宇佐美、9番後藤、14番赤石とショートサイドを突きトライ。ゴール不成功51:24。豊田自動織機シャトルズもボーナスポイント1を獲得。
最後にクボタスピアーズは後半40分のノーサイドのホーンの後、左に展開し15番伊藤が左隅にトライ。ゴールも成功し58:24でノーサイドとなった。

クボタスピアーズはこの試合の目標通り、ボールを大きく動かし攻め続け、9トライを奪い目標の勝ち点5を上げた。
豊田自動織機シャトルズは、次戦の福岡サニックスブルース戦に向け、ディフェンス面の健闘を期待したい。(児玉 隆一郎)

会見ダイジェスト
田村監督(右)、吉田キャプテン
田村監督(右)、吉田キャプテン

◎豊田自動織機シャトルズ
○田村誠監督

「選手は本当に頑張ったと思います。9トライを獲られたことは、ちょっとトップリーグ云々はおこがましいと思います。クボタさんは我々以上の力があって、うちは何もできませんでした。しかし、チャンスがある限り、トップリーグ入りを目指して、しっかりサポートし、練習していくしかないと思います」

──入れ替え戦に向けて?

「サニックスさんとは、今年も練習試合を何回も組ませて貰っています。最も、うちが苦手とする相手です。非常にやりにくいですね。お互い、手の内を分かっていますので」

○吉田正明キャプテン

「結果は負けましたが、チーム全員、一生懸命頑張ってくれたのは良かったと思います。ミスも多く出ましたが、修正していけば良い結果が得られると思うので、入れ替え戦に頑張っていきたいと思います」


佐野監督(右)、今野キャプテン
佐野監督(右)、今野キャプテン

◎クボタスピアーズ
○佐野順監督

「本日はお疲れ様です。正直、嬉しさとホッとした気分とが混在しています。先ずは、この一年、苦しい中でここまでやれて、選手、スタッフに感謝していますし、非常に誇りに思います。最後の試合にしようと、自分たちができることは勝ち点5を取って勝利することだけと確認し合って準備しました。最終的にはFWが非常に頑張って、一年間やってきたことを出し切れたと思います。サポートの会社、従業員の皆様、すべての関係者に感謝申し上げます」

──おめでとうございます。

「まだ、早いです」

──ハーフタイムでは?

「自分が言う前に、選手が、後半の立ち上がりが大事で、ゼロからスタートだと言っていました。前半だけで満足せず、攻め続けようと」

○今野達郎キャプテン

「本日はお疲れ様です。4トライ獲って勝ち点5取っていこうとチームで話し合って臨んだ試合でした。前半から、点数を取ることだけ考えて戦いましたが、ボールを生かして展開もできたと思います」

──プレッシャーは?

「ありましたが、先週、少し攻め方と攻める方向がちぐはぐでしたので、もう一度シンプルに順目を攻めようとやってきました。反省を生かして、ボールをキープし、フェイズミスなくボールを動かそうとしました。また、不用意なキックを蹴らなかったことも良かったと思います」

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