「ワイルドカードトーナメント」マッチサマリー(神戸製鋼 32-19 リコー)

ワイルドカード

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 32-19 リコーブラックラムズ
【ワイルドカードトーナメント/2012年2月18日(土) at 大阪・近鉄花園ラグビー場】

神戸製鋼 32-19 リコー   神戸製鋼 32-19 リコー   神戸製鋼 32-19 リコー   神戸製鋼 32-19 リコー   神戸製鋼 32-19 リコー
C:2012, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)

風下に位置するリコーのキックオフ。
風上ながら自陣より積極的に展開する神戸製鋼だが、パスミスから自陣30m右中間で反則を犯す。2分リコーSO河野がPGを決め先制。(0-3)

ミスを怖れずBKで勝負する神戸製鋼、CTBアンダーソンの好ステップでゲインするもフォローが続かず、リコーの激しいプレッシャーに遭い、反則でチャンスを潰すなどリズムに乗れない。
HO木津、FL前川らFWのサイドアタックからリズムを創る神戸製鋼は8分、PGチャンスをFBグラントが決め同点(3-3)とするも、スクラムでリズムを崩し、11分にコラプシングからリコーにPGを許し(3-6)リードされる。

怯むことなくFWが効果的な縦突破をするも、BKでなかなかゲインできない神戸製鋼は14分リコーの激しいタックルに、たまらずボールをこぼす。拾ったリコーWTB横山が70m近くを走り切り左中間にT(G不成功3-11)、ミスで自滅したレギュラーシーズンの対戦が脳裏によぎる。

23分神戸製鋼はゴール前で形成されたモールを押し込みNO.8マパカイトロのトライで点差を詰める(G成功10-11)と、風上ながらキックを多用せず積極的にボールを動かし、リコーからペースを奪い返す。
33分CTBアンダーソンの鋭い切れ込みから、SO正面が素早く反応、左中間にトライを決める(G不成功15-11)と、40分にもPGを決め18-11で折り返す。

後半開始直後、FW、BK一体となった連続アタック、ラックから抜け出したSH佐藤にWTB濱島が好フォローしT。(G成功25-11)
鋭いタックルで反撃したいリコーは56分にPGを決め25-14。なおも風上の利を生かし、キックで神戸製鋼ゴールに迫るが、僅かな綻びをなんとか繕う神戸製鋼。67分モールを押し込みトライを挙げ、一気に逆転を狙うリコー(G不成功25-19)だったが、FWの運動量で神戸製鋼を凌駕できない。
73分神戸製鋼は、連続ラックから抜け出したFL橋本を再びWTB濱島が好サポートし、ゴール中央にT(G成功32-19)、大勢を決めた。

試合後、リコー滝澤キャプテンが「セットプレーで劣勢になった」と悔やむように、前半からFWの鋭いアタックが目立った神戸製鋼が日本選手権出場権を手中にし、「(日本一奪回という)新たな神戸の歴史創り」(苑田HC)に挑む。(廣島 治)

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会見ダイジェスト
リコーブラックラムズ
山品監督(右)、滝澤キャプテン

山品監督(右)、滝澤キャプテン

◎リコーブラックラムズ
○山品博嗣監督

「まずたくさんのファンの方に応援いだいてありがとうございます。
神戸さんに勝って日本選手権へと狙っていましたが力がおよばなかったです、最初のアタックでのセットピースでくずされてしまいました。
今シーズンでチームはかなり成長しましたが、来年はさらに上をめざして頑張っていきます」

○滝澤佳之キャプテン

「『これで終わるのか』と思うと少しさびしいです、チームとして一番最後に最低のゲームをしてしまって…、ここで終わるのは本当に残念です。
ラインアウト、スクラムで予想外にやられました。そこでうちのアタックが劣勢になっているうちにチームとしてのまとまりがくずれてしまいました」

──マア・ノヌーやジェームス・ハスケルはどういったものをチームにもたらしましたか? また来シーズンの契約は?

○山品監督
「来年の契約はないです。ノヌーはアタックのオプションを与えてくれました。ジェームスはブレイクダウンでのプレーです。二人ともフィールドだけでなく、ロッカーでのゲーム前の準備など、世界のトップが細かいところにこだわるプロフェッショナルな意識を与えてくれました、リコーにとっていい文化を残してくれました」

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神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田ヘッドコーチ(左)、伊藤ゲームキャプテン
苑田ヘッドコーチ(左)、伊藤ゲームキャプテン

◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○苑田右二ヘッドコーチ

「すごく寒い中たくさんのファンに応援していただきありがたいです。
トップリーグが終わってからのミーティングで『我々はそろそろ次のステージに行く時期にきているのでは?』と話しました。
自分たちのカラーと、よいパフォーマンスを出してリコーさんに勝って日本選手権を狙えるのはうれしいです。
前半からアタックはできていましたし、相手がキックしてもミスからまたこちらがアタックできたのでそんなにネガティブになることはなかったです。ただ相手のキープレーヤーにトライを取らせると息を吹き返す恐れがあるので、まずこちらから取ることを意識して後半にのぞみました」

○伊藤鐘史ゲームキャプテン

「トップリーグ最後の3ゲームは引き分けもあったが競ったゲームを落とした。もう少しで上位に勝てるというもどかしさがあったが、ブレイクスルーしかかっていました。
今日は自分たちのペースでゲームを進められました。タイトルへ向けて次のゲームを一生懸命頑張ります」

──リコー対策は?

○苑田ヘッドコーチ
「ラインアウトは伊藤鐘史がかなり分析してくれていましたし、アタックに関しては、リコーさんのトライをとる傾向をデータとして平島と伊藤に伝えていました、相手の強みを止めしっかりとスカウティングできていたと思います」

──日本選手権に対して?

○苑田ヘッドコーチ
「もう一度トップとゲームができます。パナソニックもサントリーも競ったゲームができているので、ここを突き破って神戸の歴史を作りたいと思います」

──この前のリコー戦はミスも多かったが、今日は?

○伊藤ゲームキャプテン
「自陣からでも迷いなく攻め、ゲインラインに向かって身体をまっすぐに入れて負けなかった。それでアタックのリズムを作りやすかったです」
○苑田ヘッドコーチ
「前のゲーム(リコー戦)はミスを重ねて、そのミスから4トライをあたえてしまった。同じ過ちを繰り返したくなかったので、その時の映像をもう一度観た。観たくなかったし、選手にも観せたくなかった。
自分たちのラグビーをしてアグレッシブにボールを動かせばディフェンスのほころびは必ずできてくると思っていました」

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