1節 マッチサマリー(トヨタ自動車 12-26 ヤマハ発動機)

トヨタ自動車ヴェルブリッツ 12-26 ヤマハ発動機ジュビロ
【week1/2012年9月1日(土) at 愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場】

 

前半はトヨタのキックオフで開始された。前半1分、ヤマハは敵陣10m付近右中間でペナルティを獲得すると、FB五郎丸が確実にPGを成功させ3点を先制した。その後もヤマハはSH矢富がテンポ良くボールを動かし大きく展開するがハンドリングエラーが多くトライチャンスを逃した。前半14分、17分にトヨタのインゴールに迫るがトヨタの気迫溢れる鋭いタックルが阻止した。

一方、トヨタは前半10分にFW・BK一体となった連続攻撃でヤマハ陣に攻め込むがトライを取りきることができない。それでもトヨタは前半23分にペナルティから敵陣深くに入りラインアウトを獲得する。すると連続でラックサイドを前進し、最後はFL吉田が飛び込み逆転のトライをあげた。SO文字がゴールも決め7-3とトヨタがリードした。

その後は両チームの激しい意地がぶつかり合い、我慢比べとなりゲームは均衡した。しかし、前半38分にトヨタは自陣で痛恨のペナルティをしてしまいヤマハFB五郎丸がPGを成功し3点を返した。そのまま前半が終了し、前半は7-6とトヨタがリードした。

後半の立ち上がりは両チームキックを多用しエリアを獲得しにいく。後半3分、先にチャンスを迎えたのはトヨタだった。左中間ゴール前スクラムからBK展開し、ラックからFLホップグッドがインゴールに飛び込んだ。その後のゴールは失敗したがトヨタが12-6とリードを広げた。しかし、直後の後半7分に五郎丸が再びPGを成功させヤマハも離されない。すると、ヤマハは後半10分に五郎丸がキックカウンターで大きく前進すると、矢富、大田尾、マレ・サウ、宮澤と繋ぎ最後はWTB中園が右隅に飛び込み逆転トライをあげた。難しい角度から五郎丸がゴールを決めて12-16と試合をひっくり返した。その後はヤマハがトヨタ陣でゲームを進める時間が長くなる。ゴール目前まで攻め込むがトヨタが意地をみせ、これ以上の得点を与えない。しかし、終了間際にヤマハがとどめのPGとトライをあげて試合を決めた。最終スコアは12-26でヤマハ発動機ジュビロが開幕戦に勝利した。

MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)はヤマハ発動機FB五郎丸選手。試合後にトップリーグ100試合出場でヤマハ発動機PR山村亮選手が家族より花束のプレゼントで祝福され開幕戦勝利に花を添えた。

 
会見ダイジェスト
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
広瀬監督(左)、上野キャプテン
広瀬監督(左)、上野キャプテン

トヨタ自動車ヴェルブリッツ
広瀬監督

「準備してきた事があまり出せなかったというか、あまりさせてもらえなかった。特に後半トライを取ってからのミスが多く、もったいない試合を落とした感じです」

上野キャプテン

「開幕戦なので絶対に勝利したかった。フィジカルラグビーを掲げているが、接点でのミスが多く、やってきた事が出せなかったのが全てです。来週出直します」

──ミスが多くなった原因は。

広瀬監督
「ダイレクトタッチやハンドリングミスなど、個人のミスが多かったです。ヤマハのセットプレーが安定していたので、厳しい試合になりました。ノーミスで地域をとっていきたかったです」

──準備してきた事とは具体的にどんな事ですか。

広瀬監督
「ボールを継続し、ボールを運ぶという事をやってきました」

──プレシーズンからチーム内の競争による底上げを行われていましたが、その評価は。

広瀬監督
「個々の選手は良いプレーをしていたが、ゲームの運び方が悪くもったいなかった。ルーキーの選手も実力を出してくれた」

──スクラムについては想定内か。

広瀬監督
「前半は良かったが、後半コントロールされた。じわじわプレッシャーをかけられたので、早めに選手交代を行った」

 
ヤマハ発動機ジュビロ
右から清宮監督、山村選手、矢富ゲームキャプテン
右から清宮監督、山村選手、矢富ゲームキャプテン

ヤマハ発動機ジュビロ
清宮監督

「開幕戦を勝てて嬉しい。試合後の選手たちの充実した顔を見られて嬉しかった。タイトなゲームだったが、トヨタさんがメンバーチェンジをしてからゲームの流れがヤマハにきた。後半はゲームを支配できた。新キャプテンを含む新加入メンバー4人を1分しか出せられなかった事は残念だったが、そのうちの1人がトライを取ってくれて良かった。
山村はトップリーグ100試合出場を達成しました。モセは6時半に第2子の出産に立ち会い、睡眠不足ながら活躍してくれた。矢富も1年振りの復帰だったが、頑張ってくれた。今日は良い事ばかり、ヤマハデーになりました」

矢富ゲームキャプテン

「ゲームキャプテンとして何かしたという事はなく、チームが一体となってプレーできた事が良かった。内容も良く、特に後半は自分達の力を出すことができた。目標は優勝なので、これからも頑張りたい」

山村選手 トップリーグ100キャップを達成して

「皆様に支えられて達成することができました。ありがとうございました。100キャップも嬉しいが、開幕戦でタイトな試合を勝てたことが嬉しい。これからも頑張りたい。スクラムは試合前にはもう少しいけるかと思ったが、トヨタさんがアングルを変えてきたので、なかなか思うようにいかなかった。いいのが何本かあったので、ヤマハのスクラムはこんなものではないというところを見せたい」

──ゲームプランはどういうものか。

清宮監督
「前半はトヨタが上手く戦った。マレ・サウがなかなか前に出ることができなかった。後半プランを変えて対応した」

──スクラムはどうでしたか。

山村選手
「もう少しいきたかったです」

──コラプシングについては。

山村選手
「両チームとも1番が落ちているという判断でした」

清宮監督
「自分達がコントロールできていない。スクラムとしては低い評価なので、これから改善していきたい」

──清宮監督のご子息が野球で世界一になられたことについて。

清宮監督
「とても良い刺激になり嬉しい。家族でいろいろな場面で精一杯頑張り結果を出し合うことは大変良い刺激を受ける」

 
 
 
 
 

(文:植村元統・山下 岳)

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