2節 マッチサマリー(キヤノン 15-21 東芝)

キヤノンイーグルス 15-21 東芝ブレイブルーパス
【week2/2012年9月7日(金) at 東京・秩父宮ラグビー場】

キヤノン 15-21 東芝   キヤノン 15-21 東芝   キヤノン 15-21 東芝   キヤノン 15-21 東芝

キヤノンイーグルス vs 東芝ブレイブルーパスの試合が、開幕戦同様に金曜日のナイターで秩父宮ラグビー場にて行われた。
共に第1節を勝利しているだけに今日も勝って波に乗りたいところだ。
特にイーグルスは今年トップリーグに昇格し、今日から昨年度の上位チームとの対戦が続くだけにブレイブルーパスに一泡吹かせたい。

ブレイブルーパスのキックオフで試合が始まった。
試合開始から試合巧者のブレイブルーパスの猛攻でイーグルスは防戦一方になるが、肝心なところでブレイブルーパスがペナルティを犯してなかなか得点を奪えない。
イーグルスも時折、カウンターアタックを見せて観客を沸かせる。

16分ブレイブルーパスのNo8豊田選手が縦突破でイーグルスのディフェンスを抜けてそこへ他の選手がフォローし、 CTB12番渡邊選手が右インゴールに飛び込んでこの試合の初トライをあげた。SO10番ヒル選手がゴールキックを決めて0-7。
その後もブレイブルーパスが敵陣深く攻め込むが、イーグルスの捨て身のタックルになかなかトライを奪うことができない。が、ついに28分ゴール前の密集をHO2番湯原選手が打ち抜いて右隅にトライを奪った。SOヒル選手が右隅から難しいゴールキックを決めて0-14。

31分イーグルスの反撃開始、敵陣に攻め込んで右端にできたラックから左へ素早く展開し、ブレイブルーパスのディフェンスを置き去りにしてWTB11番大居選手が左隅にトライを取り、CTB12番三友選手がゴールキックを決めて 7-14と食い下がる。
34分またもNo8豊田選手が縦突破で抜けた所をフォローしてラックを作り、FL6番ベイツ選手がサイドを突いて右隅にトライ。これも右隅の難しいゴールキックを決めて7-21。

前半、イーグルスはディフェンスからの攻撃で走り回り、観客を沸かせるがなかなかブレイブルーパスの防御を破れない。一方、ブレイブルーパスも走りまわされながらもトライを取って主導権を握るが、トライチャンスのゴール前でペナルティやミスを犯して追加のトライを取りきることができない。後半はどちらのチームがうまく修正してくるかが、カギになるのではないかと思われた。

後半はイーグルスのキックオフ。
13分、膠着した試合が動いたのは両チームのキックの応酬にブレイブルーパスNo8豊田選手がキック処理をもたつき、頭の上を越えて転がったボールをフォローしたイーグルスCTB12番三友選手がそのままキャッチして左隅へトライを奪った。12-21
22分オフサイドのペナルティをもらったイーグルスは中央22m付近からペナルティゴールを選択しCTB三友選手が成功。15-21で1トライ1ゴールをあげれば逆転できるところまで追い上げた。

その後、ブレイブルーパスのバックスの選手入替が続き、SOヒル選手の交替でWTB14番で出場だった廣瀬選手がCTB13番→SO10番へと目まぐるしくポジションチェンジをして何とかしのぐ。
31分イーグルスがスクラムから右へ展開し、インゴール右隅へ飛び込んでトライを取ったかに思われたが、トライのひとつ前のパスがスローフォワードで幻のトライになった。

最後のノーサイドの笛が鳴ってからも攻め込むブレイブルーパスはペナルティでペナルティゴールを狙わずにタッチからのトライで4トライのボーナスポイントを狙うが、ラインアウトからモールで攻めたてるもトライを奪うことができずノーサイド。
バックス選手の交替でディフェンスラインが崩壊寸前だったブレイブルーパスが後半は無得点ながら、辛うじて前半のリードの守り抜いた。

逆にイーグルスは勝機があっただけに惜しい試合だったが、トップリーグ10年間常にトップ4以上のブレイブルーパス相手に走り回ってトライを取り、7点差以内のボーナスポイントを取ったことは、十分にトップリーグでも通用することが証明されたのではないか。
次節のキヤノンイーグルスの相手は神戸製鋼コベルコスティーラーズで今度は勝って進化した姿を秩父宮で見せたい。
東芝ブレイブルーパスはNTTドコモレッドハリケーンズとの試合となるが、昨年度の下位チームに取りこぼすようだと今後のリーグ戦が苦しくなるだけに、早急なチームの立て直しが迫られそうだ。
マン・オブ・ザ・マッチはこの試合のファーストトライを取った東芝ブレイブルーパスCTB渡邊太生選手が選ばれた。(奥山禎晴)

キヤノン 15-21 東芝   キヤノン 15-21 東芝   キヤノン 15-21 東芝   キヤノン 15-21 東芝
会見ダイジェスト
キヤノンイーグルス
永友監督(右)、和田キャプテン
永友監督(右)、和田キャプテン

■キヤノンイーグルス
永友洋司監督

「ありがとうございました。選手が非常にハードワークをしてくれて、誇りに思います。次につながる試合でした。東芝さんの経験値、気迫など、勝ちたかったけれども、それより得たものが大きかった試合でした」

──どのくらい考えた通りの試合になったか?

「僕自身、選手はハードワークしてくれましたが、これでやれると思ったら怖いと思います。東芝さんの方にアクシデントがありましたし、冷静になってみると東芝さんの弱みはなかなかないのですが、ゲームプランを選手がうまく遂行してくれました。ただ、キックはここまで多用するプランではありませんでした。もう少し、ラインの外側を使って徹底したかったですね」

和田拓キャプテン

「最後に多くの選手が悔しい、悔しいと言っていて、純粋に悔しかった試合です。ただ、僕たちにとっては、勝ちも負けも財産です。次につながる大事な試合でした。長いシーズンですので、ハードワークをしながら、大事に一戦、一戦を戦っていきたいと思います。今日はFWが非常によくやってくれましたので、BKも修正してやっていきたいと思います」

──プランでよくできたところと反省点は?

「BKでつないで、外に回すことは思ったよりできました。修正すべき点とすれば、ラインオフサイドです。ちょっと食い込まれていたところで、たぶん外からの声を聞いていなかったのではと思います」

──試合前はどういう気持ちで?

「前半から僕たちのラグビーをしようと、FWがファイトしてくれてプランどおりで、しっかり守れていました。フィールドの選手たちが頼もしく、パッションが落ちなかったです」

キヤノン 15-21 東芝
東芝ブレイブルーパス
和田監督(右)、豊田キャプテン
和田監督(右)、豊田キャプテン

■東芝ブレイブルーパス
和田賢一監督

「本日は金曜の夜ということもあり、会社の方を含め、数多くの皆様にご覧いただき、ありがとうございました。前節から継続してブレイクダウンのところで入り負けて良いボールを出せず、苦戦の原因となりました。けが人も出ましたので、その状況を見ながら、次のゲームに備えていきたいと思います」

──強みを出せず、サポートが薄かったのは?

「一つ一つのブレイクダウンの質が悪かったからだと思います。相手の低さに負けていて、1から3次フェイズではボールを出せていても、アライビングプレーヤーが入り負けていました。複数のオーバーラップを目指したのですが、4次、5次で人任せのプレーが出ていました。前半の最初からプレッシャーを受けて、体力を奪われていたせいかもしれません」

豊田真人キャプテン

「多くのファンの皆様、本当にありがとうございます。先週、攻めあぐねてミスがあり、ブレイクダウンでは東芝らしく、激しくをテーマに臨んだのですが。相手のプレッシャーがあり、二人目、三人目が遅れて思うようにボールを出せなかったのが、この点数になったと思います。良い試練として受け止め、反省を生かして来週に向かっていきたいと思います」

──最後のPGを決めれば相手のボーナスポイントを消せたが?

「うちの4トライのボーナスポイントを取りにいった結果です。迷いはありませんでした。あと一つトライを獲るという思いしかありませんでした」

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