6節 マッチサマリー(トヨタ自動車 22-25 サントリー)

トヨタ自動車ヴェルブリッツ 22-25 サントリーサンゴリアス
【week6/2012年10月13日(土)/愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場】

 

今シーズン全勝のサントリーサンゴリアスをホーム瑞穂に迎えるトヨタ自動車ヴェルブリッツ。トヨタ自動車も前々節、神戸製鋼と引き分け、前節は東芝に勝利しチームの士気も上がる。また、今節は「ラガールデー」。多くの両チーム女性ファンでイベントに列ができ、好試合に期待するファンで試合前より会場全体が盛り上がる。

熱気あふれるスタンドに爽やかな秋風が吹く中、トヨタ自動車のキックオフで前半が開始した。最初にチャンスを向かえたのはサントリーであった。前半4分に右中間10m付近ラックから9→10→15→7→11と繋ぎWTB小野澤が左隅に飛び込むがトヨタ自動車が必死に戻りトライを許さなかった。その後もサントリーSHデュプレアがリズム良くボールを動かすが、トヨタ自動車の低く鋭いタックルが突破を許さなかった。特にトヨタ自動車CTB八役のタックルが突き刺さっていた。トヨタ自動車は激しいブレイクダウンでサントリーからターンオーバーを繰り返す。しかし、ゴール前まで攻め込むもハンドリングエラーをし、トライに繋げることができなかった。

前半は両チームともトライをあげられずPGでの得点。サントリーは前半8分と41分にCTBニコラス が二本を成功させて6点、トヨタ自動車は前半24分にSOスティーブン・ブレットが成功させ3点をあげた。前半の得点は3-6とサントリーがリードした。

後半も序盤はサントリーがトヨタ自動車陣でゲームを行う展開になった。しかし後半6分、サントリーがBK展開をしたボールをトヨタ自動車SOブレットが狙いすまし、インターセプトして70mの独走トライをあげ逆転する。
サントリーはSH日和佐とSOピシを入れリズムを変える。すると、早速その二人が基点となり後半8分にCTB平が中央に逆転トライをあげた。後半は前半の静かな展開と一変した。後半18分にトヨタ自動車のSOブレットがサントリーのディフェンスラインの裏に絶妙なキックをすると、そのままドリブルしトライをあげ、トヨタ自動車が再逆転する。するとサントリーは後半23分に左中間ラックから狭いサイドをWTB小野澤が突破し、そのまま中央に回り込みトライをあげた。ここで17-18とサントリーが1点リードした。

後半31分にトヨタ自動車は逆転を狙い自陣からチャレンジするが、パスミスからサントリーWTB長友がこぼれ球を拾い、右隅に飛び込んだ。サントリーが17-25とリードを広げた。しかし、トヨタ自動車も諦めず後半37分に22m付近中央ラックから9→10→8と繋ぎ、最後は途中交代のCTBスティーブン・イェーツがインゴールに飛び込み3点差に迫る。トヨタ自動車のドラマティックな逆転劇が期待されたが惜しくもノーサイド。大接戦をサントリーが22-25で制した。マン・オブ・ザ・マッチはSH日和佐選手。(植村元統)

トヨタ自動車 22-25 サントリー   トヨタ自動車 22-25 サントリー   トヨタ自動車 22-25 サントリー   トヨタ自動車 22-25 サントリー
会見ダイジェスト
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
廣瀬監督(左)、上野キャプテン
廣瀬監督(左)、上野キャプテン

■トヨタ自動車ヴェルブリッツ
廣瀬佳司監督

「サントリーさんに対して受けずに前に出ようと戦いました。ディフェンスは80分間良くやってくれました。取られた3つのトライはいずれもミスからのもので非常に悔しいです。選手は良くやってくれました。まだまだ強くなるしこれからも頑張っていきたいと思います」

上野隆太キャプテン

「多くのお客さんが来てくれたことに感謝したいです。サントリーのアタックに対してトヨタ自動車の良いディフェンスができました。セットプレーの安定がポイントです。次に活きる試合でした」

──神戸製鋼戦で引き分け、東芝戦で勝利しての試合だったが、どこが良くなったか?

廣瀬監督
「戦術を理解し、上野と菊谷が良く15人を引っ張ってくれました。しかし、ディフェンスは良かったですが、アタックの精度は、相手の方がまったく上です」

──要所のミスとは?

上野キャプテン
「僕のラインアウトでのスローイングミスが多かったと思います。もっとスキル練習しプレーの精度を上げていきたい」

トヨタ自動車 22-25 サントリー   トヨタ自動車 22-25 サントリー   トヨタ自動車 22-25 サントリー   トヨタ自動車 22-25 サントリー
サントリーサンゴリアス
大久保監督(左)、真壁キャプテン
大久保監督(左)、真壁キャプテン

マン・オブ・ザ・マッチ、日和佐選手
マン・オブ・ザ・マッチ、日和佐選手

■サントリーサンゴリアス
大久保直弥監督

「最後まで勝つか負けるかわからない試合でした。ここに座るのはどちらか、ボールの転がり一つで変わるような試合でした。こういったタフな試合を経験することでチームレベルが上がると思います」

真壁伸弥キャプテン

「ブレイクダウンで後手に回ってしまいました。後半、ミスにつけ込みトライが取れましたがまだまだです」

──素晴らしい試合であったがどんな点で苦戦したと考えているか?

大久保監督
「フィットネスでサントリーが上回ると思っていましたが、トヨタ自動車さんのフィットネスも想像以上に素晴らしかったです」

──サントリーのアタッキングラグビーは出せましたか?

大久保監督
「サントリーはアタッキングラグビーを目指していますが、ラインブレイクされたときに相手より人数で上回ることが大事です。これは、技術云々よりファイティングスピリッツ。その面は出せていますが、相手にあれほどブレイクダウンで入られてはいけません」

──次節の(昨シーズン)4強対決。パナソニック戦に向け一言お願いします。

大久保監督
「週末はサテライトで東芝戦もあり、サントリーにとって、タフな1週間になります。チャレンジ精神で46人部員一丸となり戦いたいと思います」

真壁キャプテン
「ディフェンスの良いチームです。サントリーのオリジナルアタックを前面に出して、勝ちたいと思います」

 
 
 

RELATED NEWS