8節 マッチサマリー(パナソニック 23-20 近鉄)

パナソニック ワイルドナイツ 23-20 近鉄ライナーズ
【week8/2012年10月27日(土)/群馬・太田市運動公園陸上競技場】

SBW先制トライ
(写真提供・上毛新聞社)

ここまでに3敗を喫しプレーオフ進出に向けて"後がない"パナソニックが、不敗神話の続く地元・太田市運動公園陸上競技場に、ここ数年接戦を繰り広げている好敵手近鉄を迎えて第8節を戦った。身体を張ってワイルドナイツの黄金期を築いてきた三宅敬選手のリーグ戦出場100試合記念、好調山田の連続トライ記録の更新、SBWことソニー ビル・ウィリアムズの地元初お目見え、またこの日飛び込んだビッグニュース、田中史朗選手のスーパーラグビー入り決定など、野武士軍団にとって負けられない理由はいくつもあった。
対する近鉄も今季、上位チームを相手にあと一歩のところまで追い詰める戦いをしてきており、この試合に向けても「勝つための準備」をして乗り込んだ。

先制したのはパナソニック。キックオフからラックを連取、左外に開いたコリニアシが大きく抜け出して内側をフォローするソニー ビルに絶妙なパスを送りそのまま中央にトライ。田邉のゴールも決まり7-0とする。
近鉄もすぐに取り返す。敵陣ゴール前スクラムから連続して攻め、トンプソンのロングパスを受けた森田が右隅にトライ。大西がゴールを決めて7-7の同点とする。
パナソニックにとって痛かったのは、このトライにつながる近鉄の攻撃中にタックルに入ったソニー ビルが、右肩を負傷して交替してしまったことだったか。
その後はお互いによく攻めながらもミスでフェイズを終わらせてしまう場面が続く。ペナルティも多く、PGをお互い1本ずつ与えあった前半31分、パナソニックが敵陣に深く攻め込み、ラックサイドを鋭く突いたバツベイをよくフォローした設楽が飛び込んで中央にトライ。17-10で前半を折り返す。

後半最初のスコアは近鉄。開始6分に連続攻撃から重光が切れ込んでトライ、ゴールも決めて再び追いつく。
後半もお互いによくボールを動かすが、双方の粘り強いディフェンスの前に取りきるところまではいけず、試合は最後までもつれる。前半同様にミスや反則も多く後半のトライは近鉄の1つだけとなり、PGの数2-1でパナソニックが辛くも勝利を手にした。
勝ったパナソニックにとってはほろ苦く、惜しくもまた接戦を逃した近鉄にとっては悔しい試合だったといえよう。

MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)には攻守によく絡んだバツベイ シオネ選手が選ばれた。
試合後には、トップリーグ100試合出場を果たした三宅選手に、ご家族からの花束とこの日競技場を訪れた3,209人のラグビーファンから温かい祝福の拍手が贈られた。(群馬県協会・相澤悦朗)

 
ブレイクダウンでの激しい攻防 ライナーズの厳しいディフェンス
 
ホラニの力強い突進 霜村のラインブレイク
会見ダイジェスト
近鉄ライナーズ
前田監督(右)、高キャプテン
前田監督(右)、高キャプテン

■近鉄ライナーズ
前田隆介監督

「太田まで応援に来ていただいたファンのみなさんに感謝申し上げます。試合の方はとても悔しい結果になりました。ミスで自滅し、ペースに乗りきれないゲームでした。(ウィンドウマンスで)一呼吸おくので、しっかりとプレーの精度を高めて12月の再スタートに向けて準備していきたい。本日はどうもありがとうございました」

──どの部分で勝とうという準備をしてきたか?

「基本的には自分たちのテンポでボールを動かして、ディフェンスが強いパナソニックさんが相手だったので、そこをこじ開けるための準備をしてきました。キャプテンを中心に選手たちはいい雰囲気でチームを作ってきてくれた。あとは結果をだすことだけ」

──ミスの話が出ましたが、監督から見てうまくいかなかったところは?

「接点の部分であったり、確実にボールを繋がなければいけない場面でハンドリングエラーを起してしまった。(接点での)2人目のサポートも終始、相手よりも遅れていた」

──紙一重のところでミスが起こってしまった理由は?

「パナソニックさんのプレッシャーが強かったこともあるが、コミュニケーションの遅さが気になった。細かいコミュニケーションでもう少し早く簡単にパスをつなげばミスも減ったと思う。一段階上のコミュニケーション力が大事になってくる」

高 忠伸キャプテン

「悔しいですね・・・。それだけです」

──パナソニックのラインディフェンスの押し上げが今日は速く感じたが?

「上がってくるスピードが過去の試合と比べてかなり速かったが、それに対応しようと全員でポジティブに捉えることはできていた。ハーフタイムでの監督・コーチからの対策の指示もあり、それを遂行したかった。
まだ冷静に振り返ることはできないが、最後のスキルミスが起こってしまう原因について、しっかり整理する必要があると思う」

 
MOM、バツベイ 祝100CAP三宅選手
パナソニック ワイルドナイツ
中嶋監督(右)、霜村キャプテン
中嶋監督(右)、霜村キャプテン

■パナソニック ワイルドナイツ
中嶋則文監督

「お疲れ様でした。正直、今日の試合は"勝ててよかった"という内容でした。なかなかマイボールを確保できず、特に後半は攻撃の時間が少ない中で、うまくエリアと取ることができていたがペナルティはミスでリズムを崩していた。
序盤に簡単にトライを取れたことで緊張が緩んだのかもしれない。L.O.の後のモールなどの時に、しっかりと対応をせずに楽をしてボールを奪おうとしたり、簡単にスコアまで持っていこうというような雰囲気が見え、それが今日の結果につながった。ここで1カ月試合が空くのでしっかりと修正して、次のトヨタ自動車戦に準備したい」

──ディフェンスのプランはどんなものだったか?

「近鉄さんは、ブレイクダウン周辺ではなく、攻撃の幅を持ってゲインラインの少し後ろ目のところでの攻撃オプションで攻めてくるチーム。そこに対してプレッシャーをかけようと1週間取り組んできた。選手はそれをよく実行してくれていたと思う」

──NZから戻る田中、堀江、アイブス選手。調整の時間は少ないが不安は?

「彼らは昨日今日チームに入った訳ではなく、私たちのスタイルは理解しているので1週間もあればしっかりフィットしてくれると思う」

──なぜ、坊主頭に?

「不祥事を起こして丸めた訳ではありません(笑)。
オセアニアの子どもたちのためのチャリティーに参加しました。キャプテンと副キャプテンが刈ったので自分もやらないわけにはいきませんでした。もう少し威圧感が出ると思ったが、かわいくなったと笑われました」

霜村誠一キャプテン

「勝ててよかったというゲームでした。ゲーム内容はこの後よくチェックしたいが、序盤でサニー(ソニー ビル)が怪我をしたり、山田がトライできなかったりと、不完全燃焼で"何かができた"という感じがしない試合だった。
しかしそれ以上に、勝てたこと、三宅選手の100キャップの試合を勝利で飾れたことがよかったと思う。1カ月空くので修正すべき点は修正し、自分たちの強みをもっと伸ばせるようにしっかりと準備したい」

──苦戦の要因は?

「自陣に入られた時のタックルミス、簡単にゲインを越えられてしまったこと、また自分たちが攻めた時にミスを犯してしまったこと・・・。なんとなく『行こうと思えばいつでも行ける』というような雰囲気で、走り出しが遅く"見て"いる場面が多かった。相馬さんがしきりに『動け!』と声を出していたので、FWの中でもそういうムードがあったのかもしれない。堀江が帰ってきたらしっかり尻を叩いてくれると思います」

今季もWKM15が笑顔でお迎え

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