8節 マッチサマリー(神戸製鋼 48-14 NEC)

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 48-14 NECグリーンロケッツ
【week8/2012年10月27日(土)/高知・高知県立春野総合運動公園陸上競技場】

 
タグ交流大会 高知県知事挨拶
 
土佐女子中学高等学校吹奏楽部のマーチング スタジオ・イング

高知県で3回目となるジャパンラグビー トップリーグは、前日から雨が心配され朝から曇り空の天候であったが、ラグビーファンの熱気で吹き飛ばしたような絶好のラグビー日和となり、神戸製鋼コベルコスティーラーズとNECグリーンロケッツを迎えての好ゲームが期待されての開催となった。

午前中にはタグラグビーの交流試合が開催され、神戸製鋼によるラグビークリニックも行われた。開幕セレモニーでは、高知中央高校のよさこい演舞“桜" の迫力ある演舞の後、中谷高知県ラグビーフットボール協会会長挨拶、一昨年のゲームから大のラグビーファンとなった尾崎(*)高知県知事の歓迎挨拶があり、土佐女子中学高等学校吹奏楽部の一糸乱れぬ見事なマーチング、そして、とても可愛いスタジオ・イングのチアリーディングの熱演がスタンドを盛り上げた中で、大きな拍手に中でエスコートキッズと手を携えた選手達が入場し、スタンドは一気にラグビー熱気で盛り上がった。

試合は、麻生彰久レフリー(日本協会)のホイッスルで、神戸製鋼のキックオフから開始された。開始早々2分神戸製鋼自陣ゴール前から13番 ジャック・フーリーが抜群のスピードと個人技で次々と相手を突破し、左隅に先制トライを決めると場内からスーパープレーに大きな歓声が上がった(5-0)。さらに6分後にはラインアウトモールから10番 ピーター・グラントが左隅にトライを決め(10-0)神戸製鋼の一方的な試合になるのか?と感じさせたが、9分にはNEC13番 アンソニー・ツイタヴァキが22メーター付近のラックから左中間にトライ、ゴールも決まり10対7と迫った。しかし、NECは、浅野キャプテンなどフォワードの主力が怪我で欠場していることもあり、FW戦で神戸製鋼の壁を崩すことができず、逆に15分と22分にBKに展開されウィングとフーリーがトライ。ゴールも決まって24対7となり神戸製鋼が試合の主導権を握った。NECも前半終了5分前には、神戸製鋼ゴール前で連続攻撃を仕掛け、トライにあと一歩まで迫ったが、神戸製鋼の執拗なデフェンスに阻まれチャンスを活かすことができなかった。(前半 神戸製鋼 24対7 NEC )

後半に入って、NECも随所に身体を張った良いプレーが出ていたが、フォワードが安定に欠け攻守の要でのポイント作りやゲインが突破できず、攻めあぐねる状態が続いたが、神戸製鋼は安定したプレーで10分に8番 マパカイトロパスカ(31-7)、24分14番 今村がトライを重ねた(38-7)。なかなか得点に結びつけられないNECだったが、終了間際の38分に自陣22メーター付近ラックから9-10-15と繋ぎ11番 釜池が70メートル独走しトライ、場内を沸かせた(41-14)。しかし、その後すぐに神戸製鋼がキックオフでNECゴール前に攻め込みラックから9-12と繋ぎ12番 クレイグ・ウイングがトライし、ゴールも成功して48対14と神戸製鋼の快勝でノーサイドとなった。(後半 神戸製鋼 24対7 NEC )

高知でのトップリーグの試合は、世界の一流選手も加わり両チーム共に身体を張った最後まで継続する大変見応えのあるすばらしいゲームとなった。会場設営などで頑張ってくれた県内の高校生たちにも大きな刺激となったことであろう。これらの経験が今後の高知県ラグビーの発展に繋げていけると信じています。神戸製鋼、NEC両チームの選手たちに大きな感謝とお礼を申し上げます。(高知県協会・西村景男)

(*) 崎は正しくは「山」へんに「竒」

 
両チームの入場 激しい攻防
会見ダイジェスト
NECグリーンロケッツ
クーパー ヘッドコーチ(左)、土佐ゲームキャプテン
クーパー ヘッドコーチ(左)、土佐ゲームキャプテン

■NECグリーンロケッツ
グレッグ・クーパー ヘッドコーチ

「今日のゲームは、けが人が多く十分なゲームはできなかった。今日はタックルの悪さが原因だった。ブレイクダウンからの返りもできている者ものが多くいてデフェンス力はわずかに向上していたとみている」

土佐誠ゲームキャプテン

「本日はありがとうございました。
自分としてはプレーは安定していたが、思った以上に点差が開いてしまったのがちょっと残念です。かなりけが人も出てしまい、こういう良いチームとやる時にこんな状態でやらなければならなかったのは残念です。自分たちはチャレンジする気持ちでやらなければならないと選手達はチャレンジしていたと思うが、結果としてはこうなってしまった。ゲームキャプテンとして選手一人一人のプレーに刺激を受ける良いものが見えた感じだった。後半戦に向けて自分たちはプラスにとらえて、NECにはこれだけの力があると言うことを出していきたい」

──前半、フォワード戦でモールを取られるなどかなりプレッシャーを受け、最後まで修正できなかったが、キャプテン等のけが人による影響が大きかったのでしょうか。

クーパー ヘッドコーチ
「モールを最初押されたのは、浅野キャプテンだけの影響では無いと思う。ボールに入るタイミングが少し遅れてしまいモールを押し込まれてしまった。前半最後の五分にゴール前の攻撃がトライに結びつかなかったことが悔やまれる」

──トライを2本とられた後1本取り返したが、その後が続かなかった。前半終了間際の攻撃からはもう一本取れると思ったのですが。

クーパー ヘッドコーチ
「最後のゴール前での攻撃はみんな分かっていたが、神戸製鋼の前に出るディフェンスに止められてしまい、なかなかゲインするのが難しかった。
前半でフーリーのすばらしいプレーを止められなかったことが悔やまれる。あそこでもう1本取れれば流れが変わっていたと思う」

NEC前半のゴール前攻撃
神戸製鋼の突進
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン
苑田ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン

■神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田右二ヘッドコーチ

「一昨年以来の高知でのゲームに感謝しています。相手はアクシデントがあってベストメンバーでは無かったが、神戸製鋼としてはスタンダードのラグビーができて前半節の結果が残せたと思う」

橋本大輝キャプテン

「今日のゲームは、自分たちのスタンダードができた良いゲームになったし、昨年度負けたNECさんに借りが返せたゲームとなった」

──最初から主導権を握れたゲームになったと思うが、フォワードのボール支配の形が最初からうまくいったのですか。フォワード戦に関してはどうでしたか。

苑田ヘッドコーチ
「最初からボールをキープし外に逃げないで、縦にボールをキャリーしていくことをこのゲームのターゲットにしていたので、自分たちのスタンダードができた。フォワード戦も問題なくできていたと思う。ただ、ラインアウトではミスがあったので修正していこうと思う」

──ジャック・フーリー選手の活躍も大きかったと思うが、今年の活躍は予想どおりかもしくはそれ以上ですか。次の1ヶ月間での目指す修正点は。

苑田ヘッドコーチ
「予想以上だと思う(笑)。プレーだけで無く人間性も含めて彼の性格が、明るくポジティブでコミュニケーション力もありチームに活力を与えている。プレーに関しても世界最高峰のアウトサイドセンターなので、想像以上にチームにエネルギーを与えてくれている。修正点としては、もう一度フィジカルな面で底上げをしていきたい。特に前半節の課題(お話しできないが)を修正していきたい。アタックディフェンスもスタンダードのバージョンアップをしていく」

──トップリーグの試合は、なかなか高知では見られないですが、高知のファンに何かメッセージをお願いします。

苑田ヘッドコーチ
「高知県の皆様の前で良いラグビーをして勝てたことが嬉しく皆様に感謝している。高知県のラグビーの普及になれば嬉しいし、ゲームで恩返しができたと思う」

「高知県も元気が出ました。良い試合をありがとうございました」(会長より)

 
神戸製鋼、マパカイトロパスカのトライ ラインアウト神戸製鋼
マン・オブ・ザ・マッチ、フーリー選手

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