11節 マッチサマリー(神戸製鋼 27-29 東芝)

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 27-29 東芝ブレイブルーパス
【week11/2012年12月16日(日)/兵庫・ホームズスタジアム神戸】

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プレーオフ進出へ向け、負けられない東芝のキックオフで始まったゲームは、2分東芝WTB宇薄のT(G成功)、6分神戸製鋼PG成功3-7と両チームの激しいアタックで幕を開ける。

10分東芝FWの献身的な動きとSOヒルの巧みなゲームコントロールから掴んだ神戸製鋼ゴール前のスクラム、ボールを持ち出したNO.8豊田とFL7リーチとのスクリーンプレーが見事に決まり、T(G成功3-14)。

アップ&アンダーでの鋭いラッシュのFW、素早いラインアタックを仕掛けるBKと積極的なアタックの東芝に対し、神戸製鋼はリズムに乗れず、追加点は18分のPGのみ。前半を6-14で折り返す。

フーリーを前半で欠いた神戸製鋼は、後半早々今季好調な動きのHO安江が、鋭い縦突破からチャンスをつくるも、ミスから潰してしまうどころか、こぼれ球を東芝の連続攻撃に繋げられてしまう等、劣勢は変わらない。49分神戸製鋼ゴール前5Mスクラムからモールで押し込んだ東芝、最後はFL中居が左中間にT(G成功6-19)、着々と点差を拡げていく。

流れを変えたい神戸製鋼は51分、FL橋本主将→ブラッキー、SOグラント→濱島へ入替、BKをSO山本、CTB今村・アンダーソン、WTB大橋・濱島と昨年の布陣に戻し、閉塞感漂う局面の打開を図る。

55分連続ラックからリズムを掴み、FL安井が鋭いカットインをみせポスト真下にトライ(G成功13-19)。61分東芝にPGを決められ13-22と突き放されるも、CTB今村が水を得た魚のように機能する中の63分、東芝ゴール前ラックからSH猿渡が持ち出したボールを、NO.8マパカイトロが巧みなアングルチェンジで抜け出し、ポスト真下へトライ(G成功20-22)、場内が熱気に包まれる。

残り20分足らず、東芝がFWラッシュを繰り返すも、執拗な神戸製鋼FWのディフェンスにゴールラインを割れない状況が続いたが、77分自陣ゴール前5Mスクラムを押し込まれた神戸製鋼FWが堪らず崩してしまい、痛恨のペナルティートライ(G成功20-29)。このゲームでプレーオフ進出を決定するのに1ポイント必要な神戸製鋼は、アディショナルタイムに攻め続け、最後はCTB今村が50mを走り切りトライ(G成功27-29)。

全勝を守れなかったものの、勝ち点を46に積み上げた神戸製鋼はプレーオフ進出を決めたとともに、ここまで3敗と今ひとつ波に乗れなかった東芝は、プレーオフ進出に勝ち点5以上の大きな収穫を得たゲームだった。

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会見ダイジェスト
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン
苑田ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン

■神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田右二ヘッドコーチ

「本日は今シーズン初のホームゲームで沢山のファンの方々に来て貰い感謝している。この一週間は東芝に勝つために準備をしてきたが負けてしまい残念だ。しかし最後までネバーギブアップの精神でプレーオフ進出ができたことは選手に感謝している」

橋本大輝キャプテン

「本日は多くのファンの方々に来て頂き感謝している。試合では自分たちのスタンダードが出せなかった。気持ちを切り替えて次戦に向けて調整したい」

──プレーオフが決まり、残り2試合の位置づけについて。

苑田ヘッドコーチ
「先を見据えずに、最終的に我々の目標としてる順位になるように一戦一戦を大事に頑張っていきたい」

──本日のゲームでうまくいかなかった点について。

苑田ヘッドコーチ
「前半のセットプレー、相手のキックオフレシーブでミスがあり、自陣でプレーする時間が長かった」

──攻撃で球出しのリズムが悪かったと思うが。

苑田ヘッドコーチ
「レフリーとの兼ね合いもあるので現時点では正確なことはわからない。ブレイクダウンでスローダウンさせられたがこの点については映像を見て確認したい」

──最後のトライでプレーオフ進出を決めたことについては。

苑田ヘッドコーチ
「この試合に勝ってプレーオフ進出を目指していたのでトライを決めた後は、次への修正点を考えていた」

橋本キャプテン
「負けは負けで悔しかったが、今後に繋がるトライだった」

──4季ぶりにプレーオフ進出を決めたカギは?

苑田ヘッドコーチ
「キャプテンが変わったこと(笑)。昨年よりシンプルにアタックすることで相乗効果が出た。またジャック・フーリー、橋本、大橋、伊藤といった玄人集団の活躍でチームのバランスが良くなり、結果として選手層が厚くなった」

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東芝ブレイブルーパス
和田監督(右)、豊田キャプテン
和田監督(右)、豊田キャプテン

■東芝ブレイブルーパス
和田賢一監督

「本日は多くの方々に来て頂き感謝している。昨年の敗戦からこの一進一退のクロスゲームを頑張って勝つことができた。今週は東芝の原点に戻り、接点の動かし方、圧力を中心に調整した。残り2戦、本日の修正をして臨みたい」

豊田真人キャプテン

「多くのファンの方に来て頂き有難うございます。本日は東芝のスタンディングラグビーにこだわり、チームが強い意思を持って戦う事ができた。またニック(ニコラス・ホルテン)に恩返しをしたいと考え全員が頑張った。プレーオフ進出に向けて残り2戦頑張りたい」

──前半は接点で圧倒していた点について。

和田監督
「接点では圧倒できたが、トライ後のリスタートで自らリズムを手放しており、その怖さを知ることができた。これを財産にして次戦以降に活かしたい」

──ニコラスは東芝についてよく知っているのでそこを突かれたことは?

豊田キャプテン
「ブレイクダウンのプレッシャーでは超えていこうと意識していた。その点についてはこだわりは感じた」

──試合中、FWのセットプレー前に円陣を組んでいたが?

豊田キャプテン
「敵陣22M内ではFWで行けと監督から指示を受けていた。また試合に出ていない選手、スタッフの想いをゴールへ持って行こうとFW8人だけじゃないと頑張った」

──今まで波に乗れそうで乗れなかったが、今日で手応えを掴んだのでは?

和田監督
「勝った事は全メンバー46人が練習から準備をしっかり行った結果。しかし最後のトライがいい教訓となった。でもこれをきっかけにしたい」

豊田キャプテン
「サントリーの敗戦後もこれをきっかけにしようと思ったが、この試合が、後々振り返った時に、きっかけになっていると思う」

神戸製鋼 27-29 東芝   神戸製鋼 27-29 東芝

(記事:廣島治、藤本英一 写真:長谷川昭男 広報担当:村島博)

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