11節 マッチサマリー(NTTドコモ 14-44 リコー)

NTTドコモレッドハリケーンズ 14-44 リコーブラックラムズ
【week11/2012年12月15日(土)/滋賀・皇子山総合運動公園陸上競技場】

師走の風が身にしむころ、武蔵坊弁慶とゆかりの深い三井寺の麓、滋賀県皇子山陸上競技場では、終盤を迎えたトップリーグ第11節が行われた。
前節わずか1点差に泣いたリコーブラックラムズは、ここまで4勝6敗。一方、ここまでトップリーグで未だ勝利のないNTTドコモレッドハリケーンズ。
内容はもちろん重要だが、「勝利」が及ぼすチームへの影響力にも注目してみたい。

最初のトライはリコー。NTTドコモ陣ラインアウトからの連続攻撃から、13番山藤史也がトライ、G成功(0-7)。
その後リコーは14分・27分・35分とFW・BKを巧みに交えた攻撃で連続トライを上げ、早々に4トライ以上のボーナスポイント獲得。一気に点差を離しにかかる。(0-26)
前半終了間際、リコー陣内右サイドゴール前のラインアウトからNTTドコモがラックでボールをキープし素早く展開。2番神野慧二郎が右中間にトライ、G成功。(7-26)
リコーにとってはあと1トライでたたみかけたかった所を逆にトライを取られ、嫌な流れに。ここで前半終了。
NTTドコモが後半はじめにトライを取れば一気に流れが変わる可能性が出てきた。

後半開始7分、NTTドコモがカウンターアタックで前進。できたラックから12番中矢健が抜け出しトライ、G成功。(14-26)
前半からの流れが変わった瞬間でもあり、NTTドコモ陣営・サポーターも一気に盛り上がりを見せる。
リコーも前節からの修正が出せるか、両チームにとってここが勝負所である。

この後、何度もリコー陣内に攻め込むNTTドコモは、自分達の小さなミスが重なりリコーの早い出だしに反応が遅れ、傾きかけた流れを引き寄せる事が出来ないまま試合終了(14-44)。
マン・オブ・ザ・マッチにはリコーブラックラムズのPR柴田和宏が選ばれた。

両チーム共、確実に「今が勝負」の時間帯があった。
戦力的に見ても点差ほどの差があるとは思えない両チームの違いは、「勝利」と言う目に見える結果がもたらす、目に見えないここ一番での「団結力」や「集中力」かもしれない。

会見ダイジェスト
NTTドコモレッドハリケーンズ
高野へッドコーチ(左)、平瀬キャプテン
高野へッドコーチ(左)、平瀬キャプテン

■NTTドコモレッドハリケーンズ
高野一成へッドコーチ

「今日はありがとうございました。先週のパナソニック戦の敗退から残り3試合、チームを立て直し勝っていくしかない状況での挑戦でした。
前半の立ち上がりから試合のテンポを上げて戦う戦略でしたが相手のプレスが早く、前半20分までテンポ上げることができませんでした。20分以降徐々に動きが良くなったものの、自分達でゲームをコントロールする事ができませんでした。
後半に入って先にトライを取り、流れが傾きかけた時間帯があったものの、後半20分から失速してしまい、初めの20分・残りの20分が今まで課題の時間帯でしたが、今日も出てしまいました。また、空いたスペースなどに対して選手間での少しの認識違いがターンオーバーにつながるなどあり、そこを次から修正していきたいです。
ここ皇子山は関西圏で、多くのサポーターの皆様や社員の皆様が来て下さっていた中で、結果が出せなかった事は本当に申し訳なく思っています。次回こそNTTドコモのラグビーを取り戻したいと思います」

平瀬健志キャプテン

「お疲れ様です。トップリーグ第11節でNTTドコモがまだ未勝利なので、この関西の地で初勝利を挙げたかったのですが、前半ブレイクダウンの激しさというところで負けてしまい、勝つことができませんでした。
ただ後半の立ち上がりでトライも取れて逆転の流れが来ていたんですが、掴みきれずリコーさんに押し切られました。
残り2試合、入れ替え戦を視野に入れ来年もトップリーグに残れるよう頑張ります」

──流れを掴みかけた時に掴みきれない要因は?

高野へッドコーチ
「ミスに対してのリアクションや、攻守が切り替わった時のリアクションが相手より遅かったところです」

リコーブラックラムズ
山品監督(右)、山藤ゲームキャプテン
山品監督(右)、山藤ゲームキャプテン

■リコーブラックラムズ
山品博嗣監督

「滋賀県のラグビーファンの皆様、またグラウンドまで足を運んで頂いたファンの皆様、応援どうもありがとうございました。
今週はいつにも増していい準備ができ、しっかりと自分達のスタンダードを守れたゲームができました」

山藤史也ゲームキャプテン

「滋賀県という素晴らしい環境の中でラグビーができたことに、まずは感謝したいと思います。
前節まで2連敗していたので是が非でも勝たなければいけない試合で、中盤流れが悪い時間帯があったものの自分達で修正できた試合でした」

──いい準備ができた中で、チームにはどういった共通意識を持たせたのか?

山品監督
「相手がどこであれ、自分達のスタンダードを落とさないという事です」

──今季初スタメンだった川口選手と徳永選手の評価は?

山品監督
「二人共良いパフォーマンスはできたと思います。川口に関してはフィールドプレーだけでなくセットプレーも良かったです。
徳永もゲームをよくコントロールし、トライに繋がるパスをいくつも出していたので良かったです。二人共十分なパフォーマンスだったと思います」

──攻め込まれた時間帯にどういった修正をしたのか?

山藤ゲームキャプテン
「前節までは攻め込まれた時にペナルティーをし、自らペースを崩すという事が見られたので、規律を守るという事を再度確認・我慢し、修正しました」

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