12節 マッチサマリー(ヤマハ発動機 29-35 サントリー)

ヤマハ発動機ジュビロ 29-35 サントリーサンゴリアス
【week12/2012年12月23日(日)/静岡・ヤマハスタジアム】

   

ヤマハ善戦するもサントリーが貫録勝ち、リーグ首位確定する

リーグ4強に残るためには負けられないヤマハ発動機と、リーグ戦全勝のサントリーとの対戦が、12月23日(日)快晴のヤマハスタジアムで行われた。ヤマハ発動機のホーム最終戦で、人気のあるチーム同士の対戦とあって、5,578人と多くのラグビーファンが集まった。

試合はヤマハ発動機のキックオフで始まる。序盤はお互いに非常にいいテンポで連続攻撃を仕掛けるも、相手の好ディフェンスにゲインラインを突破できない。
試合が動いたのは前半13分、ヤマハ発動機15番 FB五郎丸が敵陣中央ゴール正面からのPGを決めて先制する。
サントリーも24分12番 ニコラス ライアンがゴール前5m正面のPGを決め同点とし、さらに6番 FLジョージ・スミスを中心に攻撃を仕掛ける。だが、ヤマハ発動機の堅いディフェンスがトライを許さない。
しかし33分、ペナルティで得たゴール前5mのスクラムからの攻撃で、1番 PR金井が右中間にトライ、ゴールも成功し逆転する。

ヤマハ発動機は38分のPGを15番 FB五郎丸が外し、前半はサントリーのリードで終わると思われた39分、敵陣でのラインアウトからボールを展開、11番 WTB徐がディフェンスの裏に抜け、ラストパスを受けた14番 WTB中園がゴール右隅にトライ。難しい角度からのゴールを15番 FB五郎丸が決め、両者同点で前半が終了する。

後半、サントリーはキックオフ直後から一段ギアを上げ実力を見せつける。開始1分、相手キックをキャッチした6番 FLジョージ・スミスがカウンター攻撃を仕掛け連続攻撃、最後は左に展開し、11番 WTB小野澤がゴール左隅にトライ(ゴール失敗)。6分にも敵陣ゴール前のペナルティからの速攻で7番 FL佐々木が右中間にトライ、ゴールも成功し点差を12点に広げる。

さらに、18分にはヤマハ発動機のペナルティで得たラインアウトからの攻撃で6番 FLジョージ・スミスが相手ディフェンスをひきつけ、10番 SOトゥシ・ピシにパス。ピシは個人技でディフェンスを突破し、右中間にトライ(ゴール失敗)。点差はさらに広がる。

点差をつけられたヤマハ発動機は相手陣でペナルティを得るがPGを狙わずラインアウトを選択し反撃開始。25分、ラインアウトからの連続攻撃でボールを展開し、最後は12番 CTBマレ・サウが左中間にトライ。ゴールも成功し点差を縮める。しかし、サントリーは29分敵陣5mのスクラムから左に展開し、13番 CTB平らが左中間にトライ(ゴール失敗)、再び突き放す。

試合も終盤に入り、ヤマハ発動機は36分、自陣からのスクラムから連続攻撃。交替した20番 SO曽我部のパスを受けた12番 CTBマレ・サウが大きくゲインラインを突破、マレ・サウからパスを受けた22番 WTB田中がタッチラインを快走しゴール右隅にトライ。ゴールは失敗するも点差を10点に縮める。
しかし、サントリーは38分に交替した21番 FBピーター・ヒューワットが22mライン付近ゴール左側からのPGを決め、この試合の決着がついたかにみえたが、ヤマハ発動機は諦めない。

キックオフ後の39分、相手キックをキャッチした15番 FB五郎丸がカウンターを仕掛ける。終了のホーンが鳴った40分、ラックから20番 SO曽我部がディフェンスを突破しロングパス。パスを受けた22番 WTB田中が右中間に連続トライ、15番 FB五郎丸のゴールも決まり試合が終了した。

この結果、サントリーはリーグ戦12連勝とし、最終節を残しリーグ首位を確定。一方の敗れたヤマハ発動機は4強入りは逃したものの、4トライ7点差以内のため勝ち点2を獲得し、7位以上を確定した。

この日のマンオブザマッチは、後半開始直後に勝ち越しのトライを決めたサントリー11番  小野澤が受賞した。

会見ダイジェスト
ヤマハ発動機ジュビロ
清宮監督(右)、笠原キャプテン
清宮監督(右)、笠原キャプテン

■ヤマハ発動機ジュビロ
清宮克幸監督

「前半は体を張ったプレーができていて、競ったタイトなゲームとなったが、後半に入り、20分までにサントリーが素晴らしいプレーをしました。このあたりに1位のチームとの差を感じました。この差はフィットネス(体力)の差です。前半できたことが後半にできなくなってしまいました。この差を埋めていくことが課題だと思います」

笠原雄太キャプテン

「後半の試合への入り方に課題が出ました。得点を取られた後に、気持ちを切り替えることができず、追加点を許してしまいました。スクラムも前半と後半でサントリーは3番アップと組み方を変えてきましたが、対応がうまくできませんでした。ここもしっかりと修正できるようなチームになりたいと思います。最終節、諦めずにひたむきに勝ちを取りに行きたいです」

──フィットネスの差を詳しく。

清宮監督
「前半立てていた位置に後半立てていなかったこと、視野が狭くなってしまうことです。この差が大きい。イメージで言うと、サントリーは80分間すっと固いですが、ヤマハ発動機は固い時間帯と柔らかい時間帯が混在しています」

 
サントリーサンゴリアス
大久保監督(右)、真壁キャプテン
大久保監督(右)、真壁キャプテン

■サントリーサンゴリアス
大久保直弥監督

「準備に準備を重ねてきました。ヤマハ発動機ファンの大声援とセットプレーの強いヤマハ発動機との厳しいゲームに勝てたことは大きいです。
しかし、前半と後半の最後にトライを奪われたことを反省して前に進んでいきたいと思います」

真壁伸弥キャプテン

「スクラムに関しては前半ヤマハ発動機が優勢でした。ラインアウトもチャンスで取りきれていませんでした。この点を修正してこれからの試合に臨みたいと思います」

──リーグ首位通過の感想と昨年と今シーズンの違いは?

大久保監督
「キャプテンと監督が代わって4強に残れて嬉しいです。自信になります。去年より強くなるようトレーニングを続けてきたので、プレーオフを楽しみにしています。選手一人ひとりのスピードやフィジカルは強くなっています。体重も2kgはアップしているので、去年よりアタッキングラグビーができていますが、今シーズンのベストゲームはまだなのでプレーオフで出したいと思います」

真壁キャプテン
「1位通過は嬉しいですが、3冠が目標です。若手も多いですが、今は誰が出てもサントリーのゲームが出来ていることが強い要因と思います」

   
この日、ヤマハスタジアムでは、3月に開催予定の「女子ラグビーワールドカップ2014フランス大会 アジア地区予選」に出場する女子日本代表のセレクションを兼ねた、女子三地域対抗試合「関西代表 対 九州代表」の試合も行われた。
 

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