トップチャレンジ1 第1節マッチサマリー(豊田自動織機 26-16 三菱重工)

豊田自動織機シャトルズ 26-16 三菱重工相模原
【トップチャレンジ1 第1節/2013年1月5日(土)/東京・秩父宮ラグビー場】

トップウェストAリーグを全勝で制した豊田自動織機シャトルズとトップイーストD1、トップウェストA、トップキュウシュウAの3つのリーグの2位チームのトップチャレンジ2から勝ち上がった三菱重工相模原ダイナボアーズの一戦である。

トップチャレンジ1では4チームで総当たりリーグ戦を行い、1位と2位のチームは自動的に2013年度のトップリーグへ昇格となる。3位4位になったチームは、今季トップリーグで13位以下が確定したNTTドコモレッドハリケーンズ、もしくは福岡サニックスブルースとの入替戦に回る。
第1節を勝ったチームは昇格にグッと近づくだけに両チームとも負けられない戦いである。

豊田自動織機シャトルズのキックオフで試合が始まった。
試合開始から目まぐるしく攻守が入れ替る展開で10分豊田自動織機のペナルティに、三菱重工10番ウォルダー選手がPGを決めて先制点を取る。0-3。
14分三菱重工6番李選手が縦に抜けだして中央にトライして10番ウォルダー選手がGを決めて0-10と突き放す。

21分三菱重工のペナルティに、豊田自動織機10番ジェラード選手がPGを決めて3-10。
24分豊田自動織機がラインアウトからモールを押し込み6番高田選手がトライして、左隅の難しいGを10番ジェラード選手が決めて10-10の同点にする。
27分豊田自動織機のペナルティに、三菱重工10番ウォルダー選手がPGを決めて10-13と再び引き離す。前半ノーサイド寸前に豊田自動織機がボールを保持して押していたが、点には結びつかなかった。
まだどちらに勝利が転がるのかわからない。
また三菱重工のシェーン・ウィリアムズがいつ出てくるのか後半戦が楽しみである。

三菱のキックオフで後半が始まる。12分三菱のペナルティに、織機10番ジェラード選手が中央20mのPGを難なく決めて再度同点になる。13-13。
ここで三菱重工は22番シェーン・ウィリアムズ選手が入替えで登場して場内が沸く。
21分、豊田自動織機のペナルティで22番ウィリアムズ選手が左足でPGを決めて三度突き放す。13-16。

23分、豊田自動織機が左へ展開して20-10-11-22番朝見選手とボールが渡ってトライを取って10番ジェラード選手がGを決めて豊田自動織機が初めて逆転する。20-16。
32分、攻め込んでいるのになかなかトライが取れない豊田自動織機はゴール前のラインアウトのこぼれ球を三菱重工に奪われるが、三菱重工のキックがタッチラインを割ることができず、逆に豊田自動織機に渡り10番ジェラード選手がDGを決めて23-16。
37分三菱重工のペナルティに、豊田自動織機10番ジェラード選手が中央45mのPGを決めて26-16。
このまま、ノーサイドを迎えた。

三菱重工は後半ペナルティが目立ち、そこから失点に結びついた。この後の試合はペナルティも含めて修正してほしい。
豊田自動織機は勝っても試合内容はよくはなく、グラウンド状況を差し引いても試合運びでは反省点が多く見受けられた。残り2試合気を引き締めて戦ってほしい。

トップチャレンジ1の第2節は1月12日(土)に大阪・近鉄花園ラグビー場で、「コカ・コーラウエストレッドスパークス×三菱重工相模原ダイナボアーズ」「豊田自動織機シャトルズ×クボタピアーズ」のカードで行われる。(奥山 禎晴)

会見ダイジェスト
高岩監督(右)、芝本キャプテン

■三菱重工相模原ダイナボアーズ
高岩映善監督

「今日はバックスタンドが(チームカラーの)緑に染まって、本当に会社、関係者の皆様に感謝しています。それだけに非常に残念です。ただ、ネガティブな試合内容ではなかったので、ポジティブに、残り2試合に勝つつもりで臨みます」

──勝ち越した後の反則が多かったが?

「選手の変化は、それほど感じませんでした。しかし、反則を取られやすいプレーがあったので、そういう勝負の駆け引きのところがまだまだかなと思います」

──トップチャレンジ2で他チームより多く戦った影響は?

「けが人は出ていないので、メンバー以外もサポートして良い雰囲気でできています。当然、選手に疲れはありますが、逆にチームがまとまったと思います」

──攻撃がうまくいかなかったが?

「セットピースとペナルティ、単純にこの二つが春からの課題です。本当にここが勝負どころですので、何とかしたいと思います」

──シェーン・ウィリアムズ選手の良さは?

「もちろん、世界的なプレーヤーですので、プレーも素晴らしいのですが、彼が入るとチームのテンポが上がるんですね。トッププレーヤーとして見習うところは多いと思います」

芝本裕吏キャプテン

「本当にたくさんの方が応援してくだって、メンバー外の選手たちも良くサポートしてくれた試合でした。ペナルティが多く、自分たちのペースにできず、自陣でやる時間が長かったのが敗因です。ただ、ディフェンスは自信につながったので、次のコカ・コーラウエスト戦に向けて頑張りたいと思います」

──反則が多かったが?

「相手のジャッカルが上手かったというのもありますが、やってはいけないところのディシプリンでこちらが劣っていたと思います。早くボールを出そうとしてペナライズされました」

──シェーン・ウィリアムズ選手の良さは?

「出し惜しみなく、練習中もうちのバック3に世界の知識を教えてくれています。バック3には本当にお手本になっています」

田村監督(右)、神谷キャプテン

■豊田自動織機シャトルズ
田村誠監督

「すごくミスの多いゲームでした。ボールコントロールが難しくて、最悪の出来でしたが、3点のビハインドで前半を終えることができました。後半はもう少しボールキープしたら、うまく行くよと送り出し、良い結果になりました」

──ロースコア(という内容)は三菱重工のゲームだったのでは?

「ロースコアの戦いは三菱重工さんのゲームプラン通りだったのではと思います。多分、ポゼッションはほぼイーブンで、うちが攻めている間のミスがとても多かったですね」

──ハーフタイムの指示は?

「基本的にボールキープしようということと、下の状態が良いところでは方向性を変えてゲインしようということです。それが最後のワイドプレーに効いたと思います」

──ヴァカ選手は?

「調子悪かったですね。トライを獲れたときのプレーが一番良かったです。足場を取られる状況で、ジェラードからの長いパスの間に間合いを詰められたので、ハーフタイムにもっと短くシンプルに行こうと伝えました。三菱重工さんのディフェンスはすごく良かったと思います」

──次の試合に向けて?

「勝ちましたけれど、4ポイントしか取れませんでした。ポイント制なので、勝つしかないですね。今日は関東のチームとやって、こんな感じかと選手は肌で感じてくれたと思います。クボタさんも、同じくらい激しいプレーをしてくると思いますので、厳しい中でどういうプレーをジャッジしていくのかが大切です。例えば、今日の試合で言えば、パスすると詰まるので、ボールキャリアーが持って前へ出るという判断です」

神谷享志キャプテン

「前半に課題が多くて、後半もいくつかあって、勝って反省できることが一番良かったと思います」

──少しミスが目立ったが?

「特別な試合という気持ちは特になかったのですが、グラウンドコンディションがあまり良くなく、入りからどれだけミスを少なくなるかという戦いでしたが、うまく行きませんでした」

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