トップチャレンジ1 第2節マッチサマリー(豊田自動織機 30-32 クボタ)

トップチャレンジ1

豊田自動織機シャトルズ 30-32 クボタスピアーズ
【トップチャレンジ1 第2節/2013年1月12日(土)/大阪・近鉄花園ラグビー場】

     

前節で勝点4をあげた豊田自動織機、この試合でも勝点を重ねトップリーグ自動昇格に一歩でも近づきたい一戦。一方のクボタは前節ディシプリンに欠けて逆転負けを喫し、勝点1にとどまったが、トップイーストディヴィジョン1のプライドもあり巻き返しを図りたい一戦。
豊田自動織機応援団はチームカラーの青いグラウンドコートでメインスタンドに陣取り、クボタはオレンジのヤッケでバックスタンドを埋め尽くす中、試合が始まった。

前半、クボタのキックオフで試合が開始され、キックオフの勢いそのままに開始1分ゴール前5m右中間ラックから左展開し左WTB柴原がノーホイッスルトライ、バックスタンドのオレンジの応援団からは大きな歓声が上がる。
一方の豊田自動織機は、リスタート後クボタのゴール前で仕掛けるがゴールを割ることはできず、12分、SOジェラードがPGを決め3-5と差を詰める。この後も豊田自動織機はクボタゴール前で試合を進め、ゴール前スクラムから好機を得て26分、左PR浪岡がラックサイドを抜けトライ(ゴール成功)し、10-5とこの試合初めてリードを奪う。クボタはスクラムで再三コラプシングを犯すなどうまくリズムをつかめない。
この後、豊田自動織機が1PG、クボタも1トライ1ゴールを決め13-12としたあとの前半終了直前、豊田自動織機の自陣ゴール前での反則に、クボタSO立川がPGを確実に決め13-15とクボタが僅差のリードで前半を折り返す。

後半、先取したのはクボタ。4分SO立川がゴール前右中間のラックからの攻撃でトライ、11分には右WTB伊藤がゴールを割り13-29(いずれもゴール成功)と試合の流れはクボタが掴んだかと思われたが、ここから豊田自動織機の反撃が始まる。
豊田自動織機は17分ゴール前のスクラムからNO8カンコウスキーが右サイドを抜き中央にトライ、21分にはHL付近中央からSOジェラードがPGを決め21-29とその差をじりじりと詰める。32分にはクボタのスクラムコラプシング(シンビン)で得たPKに対しさらにスクラムを選択、ゴールまでスクラムを押し込みSH梅田がトライを奪う。ゴールも決まり30-29と再逆転するとメインスタンドからは大きな拍手が沸き起こった。

しかし、ドラマはこれで終わらず36分、クボタは豊田自動織機の痛恨の反則から得た35mのPGをSO立川が慎重に決め、30-32としてそのまま逃げ切ってノーサイド。
クボタは総勝点6、豊田自動織機は総勝点5といずれも最終節に自動昇格を賭けることになった。クボタは三菱重工相模原との対戦でいかに反則を減らすかが課題、豊田自動織機は全勝のコカ・コーラウエスト(総勝点10)をボーナスポイントも与えることなく完璧に抑え込めるかがトップリーグ昇格の条件となる。

     
会見ダイジェスト
田村監督(右)、神谷キャプテン

■豊田自動織機シャトルズ
田村誠監督

「今までの戦いの中で一番激しいトップチャレンジシリーズになると思っていた。結果は負けたが、どんな状況になっても最後まで粘り強く戦ってくれたことが観られたと思う」

神谷享志キャプテン

「内容は、前半詰められ、後半はまき返すことができたので、評価したい。まだ来週一試合残っているので、ばん回したい」

──次のコカ・コーラ戦に向けてのポイントは?

田村監督
「一週間でどのチームも、大きく変化することはないと思う。ここ2試合でやってきたことをもう80分間戦うことと、いいプレーと悪いプレーとの差があるので、得点したあとの集中力を再度、修正したい」

     
     
石倉監督(右)、今野キャプテン

■クボタスピアーズ
石倉俊二監督

「結果的に勝点5を獲ったことを非常に嬉しく思う。ただ内容はぎりぎりで厳しい試合だった。4チームどこが勝っても不思議でなく、今日は勝って勝点5を獲らなければここで終わってしまうので、80分間戦い抜こうと言っていた。
試合の入りも良かったし、前後半の入りもよかったが、ミスが多くスクラムで崩され、トライを獲られるシーンが多く反省点はあるが、首の皮一枚繋がっているので、来週勝てばトップリーグに上がれると信じている、しっかり頑張っていこうと思う」

今野達朗キャプテン

「勝点5を獲って勝つことが出来て良かった。この試合でもイエローカードをもらってしまったので、ここを修正して次に臨みたい」

──勝点5と4トライを獲るオプションは?

石倉監督
「特に変わったことはしていない。春からやってきたことをしっかりやっていこうと言っていた。相手は外国人選手が強いのでそこを外していこうと言っていたが、特に秘策といったものはなかった。しっかり自分達のラグビーをして、4トライを獲ろうと言っていた」

     

(記事:山林右二、玉川育夫 写真:長谷川昭男 広報担当:村島博)

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