ファーストステージ・第1節 マッチサマリー(東芝 10-8 キヤノン)

東芝ブレイブルーパス
東芝ブレイブルーパス
10 合計 8
10 前半 3
0 後半 5
4 勝点 1
4 総勝点 1
キヤノンイーグルス
キヤノンイーグルス

東芝ブレイブルーパス 10-8 キヤノンイーグルス

ファーストステージ・第1節 プールB
2013年8月31日(土)19:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

秩父宮ラグビー場では昨シーズン2位の東芝ブレイブルーパスに、昨シーズントップリーグ初参加で11位と健闘したキヤノンイーグルスが挑む。昨年は接戦だったこの一戦、スロースターターの東芝がどんな試合運びをするのか。

東芝のキックオフで試合は始まった。
3分、早い展開でキヤノンを圧倒する東芝はゴール前のモールをFWで押し込んで最後は7番FLベイツが押さえて先制のトライをあげる。(ゴール不成功) 5-0
13分、東芝は敵陣ゴール前のラックから左へ展開し、外へ飛ばしパスで11番WTB宇薄につなぎ左隅へトライ。(ゴール不成功) 10-0
18分、キヤノンは敵陣深く攻め込んでペナルティをもらう。22m内側中央付近のPGを12番CTB三友が決めてキヤノンの反撃開始か。 10-3
28分過ぎからキヤノンの攻撃で東芝をゴール前にくぎ付けにするもなかなかトライが奪えず、28分、36分と距離のあるPGを狙うが僅かながら外れて得点できなかった。

後半はキヤノンのキックオフで始まった。
開始直後からキヤノンは敵陣深く攻め込むもトライが奪えない。
16分、反則の繰り返しにより東芝2番HO湯原がシンビンで10分間の一時的退出になった。
27分、長い沈黙の後でキヤノンが左へ展開して最後は11番WTBハビリがトライをあげて2点差に詰め寄る。(ゴール不成功) 10-8
しかしこの点差のまま東芝が逃げ切りノーサイドになった。

後半はほとんど防戦一方だった東芝は、後半の反則はキヤノンと比べて3倍の「12」という数字。課題や修正点が多く見つかった試合だった。

この試合で東芝は、日本代表キャプテンでもある廣瀬俊朗のリーグ戦通算100試合出場を勝利で祝うことができた。

キヤノンは後半攻め続けていただけに、金星を挙げるまであと一歩であった。
マン・オブ・ザ・マッチはキヤノンイーグルスの14番WTB和田拓。

キヤノンの次節は9月7日(土)に秩父宮ラグビー場で強豪パナソニック ワイルドナイツ、東芝も同日、福岡レベルファイブスタジアムでコカ・コーラウエストレッドスパークスと戦う。(奥山 禎晴)

● 記者会見ダイジェスト ●

キヤノンイーグルス


永友洋司監督(右)、和田拓キャプテン

永友洋司監督

「ありがとうございます。まず、選手はよく頑張ってくれました。東芝さんには力を引き出してくださって感謝しています。去年より、ちょっとだけ差が縮まって、届かなかったところに届いた部分がありました。選手は成長しましたが、経験の差があります。これがトップレベルのチームとの差で、まだ時間が必要です。今日は廣瀬選手の100試合ということで、東芝さんはベテランと若手で勝つ文化がよくできたチームだと思います。キヤノンもそういう文化を創っていきたいと思います」

──後半、風下から回したが?

「昨日から、こういう風のグラウンドコンディションでしたので、前後半で戦い方を変えただけです。複雑なことはしていません」

──選手交代のタイミングは?

「常に勝つために相手を分析し、東芝さんがどう来るか読みながら、先に先に選手を替えていきました。前半はカラムのゲームメイク、後半はトエアバの突破力に期待していました」

──ブレイクダウンで勝った理由は?

「前半はオーバーコミットで人数をかけ過ぎていましたので、ハーフタイムにシンプルに一人がしっかり仕事しようと、全員が頭を上げようと言いましたが、選手が良くやってくれたと思います」

和田拓キャプテン

「結果は2点差ということで、純粋に悔しいというか、残念です。チームとしてまとまれたと思いますが、このちょっとの差を超えないと上へ行けないことが分かりました。もっとボールを動かして速いテンポでできればと次につながる試合でした。修正して次に臨みたいと思います」

──負けたチームから初めて、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたが?

「受賞自体はありがたいのですが、僕のパフォーマンスは良くなかったと思います。スタッツで評価してもらえるようになりたいです。これを機に、個人としてもチームとしても上昇していきたいと思います」

──最後まで足が止まらなかったが?

「かなり、皆、身体が大きくなり、コンタクトダメージがなくなったと思います。最後まで動けた感触はあります」

東芝ブレイブルーパス


和田賢一監督(右)、望月雄太ゲームキャプテン

和田賢一監督

「今日もたくさんの方々が来て下さって、暑い中、応援して下さいましてありがとうございます。開幕戦、なかなか難しい戦いでした。100試合出場の廣瀬を祝うべき試合でしたが、こういう試合になってしまいました」

──苦戦の原因は?

「ディフェンスの時間が長かったからだと思います」

──キックも良くなかったのでは?

「後半、風上で、キックでテリトリーを取るのは戦術としてあると思います。ただ、蹴った後のリアクションに問題があり、もう少し我慢が必要でした。良い経験として次につなげたいと思います」

──廣瀬選手に?

「10年間トップリーグで5度の優勝、2強と言われた時代をつくったすごい選手です。改めて敬意を表したいと思います。今後、150キャップくらいは、いってほしいですね(笑)」

望月雄太ゲームキャプテン

「昨年もキヤノンさんに厳しい戦いをされ、年々レベルの上がるトップリーグで、今年も勝ったのは良かったと思います。廣瀬の100キャップを思い、祝おうと臨んだが、もう少し花を添えられると良かったと思います」

──苦戦したが?

「前半からキヤノンさんはアタックもディフェンスも身体を当ててきているなと感じました。僕らが受けて食い込まれたというより、単純にディフェンスの時間が長かったと思います。スクラムではシンビンもあってコントロールを失った場面もありましたが、マイボールのコントロールはできていました」

──廣瀬選手に?

「単純に我々みたいな選手と違い、キャプテンとしてあれだけの実績のある選手が1プレーヤーとしてやってくれて、100試合もトップチームで活躍する重要な選手です」


廣瀬俊朗選手

廣瀬俊朗選手

「素直に100試合はすごく嬉しいし、1年目はメンバー割れしたりするなどの下積みがあって、ここまで来ることができた幸せを感じています。今日は緊張しました。変な感じの試合でした。自分のパフォーマンスも100%ではなかったし、まだまだ、若い選手と強い東芝をつくりたいと思っています」

──100試合目でトライを決めたが?

「あのプレーも、チームとして良い準備をして、他の選手が良い判断をしたからです」

──オールラウンドプレーヤーですね?

「1年目はリザーブで、瀬川さんに怒られて、2年目も開幕戦はSOで、薫田さんにも全然ダメと言われて、今日、みんなから祝ってもらえるのが不思議な感じです。僕の場合はかなり色々と経験したので、それを見せられれば良いなと思ってプレーしています」

「リーグ戦100試合出場」を達成した廣瀬選手。ご家族も祝福

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