ファーストステージ・第3節 マッチサマリー(リコー 25-20 キヤノン)

リコー
ブラックラムズ
リコーブラックラムズ
25 合計 20
3 前半 3
22 後半 17
4 勝点 1
8 総勝点 6
キヤノン
イーグルス
キヤノンイーグルス

リコーブラックラムズ 25-20 キヤノンイーグルス

ファーストステージ・第3節 プールB
2013年9月13日(金)19:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

開幕戦の東芝を接戦で落としたものの、前節は優勝候補の一角のパナソニック ワイルドナイツを堂々と破って波に乗るキヤノンイーグルスと、開幕戦のコカ・コーラウエストレッドスパークスに引き分け、前節ヤマハ発動機ジュビロには最後に逆転負けでなかなか勝てないリコーブラックラムズとの一戦。
昨季はリコーが勝利しているが、今年はどちらに勝利の女神は微笑むのか。

両チームの大応援団の中でリコーのキックオフで試合が始まった。
14分、押し気味に試合を進めていたキヤノンが中央43m付近で反則をもらいPGをCTB13三友が決めて先制。  0-3
18分、キヤノンのオフサイドによる反則でリコーが中央左20mからのPGをFB高平が狙ったが惜しくもポストに当たり、得点が奪えなかった。
39分、リコーはキヤノンのレイトチャージで得た反則から、中央25mのPGをFB高平が慎重に決めて3-3の同点にした。

前半のリコーはマイボールラインアウトを敵陣で4本取られたのは痛かった。好調キヤノンはかなり押していたが、最後のパスの精度が甘くなかなかトライが取れない。両チーム後半どう修正してくるのか。

後半はキヤノンのキックオフで始まった。
14分、リコーは中央右ゴール前のキヤノンの反則からPGをFB15高平が決めて逆転。  6-3
17分、リコーが敵陣ゴール前5mスクラムを押してNo.8野口がこの試合初トライ。(ゴール不成功)11-3
22分、キヤノンのオフサイドの反則で22m左からリコーFB高平がPGを決めて14-3
24分、リコーはたたみかけるような攻撃。モールからSH9池田→LO5カウヘンガ→WTB14 星野へ渡り、星野が内側へ切れ込みインゴールへなだれ込んでトライ(ゴール不成功)19-3とリコーが突き放しにかかる。

28分、リコーLO5カウヘンガが反則の繰り返しによるシンビンで10分間の一時的退出。
29分、キヤノンはCTB12三友がPGを決めて19-6と追い上げる。
31分、リコーのCTB12フルーティが中央22m付近からDGを決めて22-6

34分、リコーWTB11渡邊が故意の反則によるシンビンで10分間の退出でリコーは13人に。
34分、キヤノンは敵陣右22mライン際からSH21高城→CTB13ベネット→LO20トムソン→WTB23原田と渡って左隅にトライ(ゴール成功)22-13
37分、キヤノンの反則からFB22ピータースがPGを決めて25-13
41分、ノーサイドのホーンが鳴った後にキヤノンが最後の攻撃。PKのクイックスタートからHO16金子がトライをあげ(ゴール成功)25-20となり、キヤノンもボーナスポイントで勝点を得てノーサイド。

リコーは神鳥新監督に初勝利のプレゼント。キヤノンは古豪リコーの前に連勝とはならなかった。
マン・オブ・ザ・マッチはリコーブラックラムズゲームキャプテンNo.8野口真寛選手。

リコーの次節の試合は9月27日(金)に秩父宮ラグビー場で強豪東芝ブレイブルーパスと、キヤノンの次節は9月28日(土)山口維新百年記念公園陸上競技場で近鉄ライナーズと試合を行う。
(奥山 禎晴)

● 記者会見ダイジェスト ●

キヤノンイーグルス


永友洋司監督(右)、和田拓キャプテン

永友洋司監督

「敗戦を残念に思います。リコーのプレッシャーに耐えきれず、ミスを犯してしまった。選手のプレーは素晴らしかった。次節までに修正点を直して頑張っていきたいと思います」

──後半、SOトエアバを交替させたが、その理由は?

「後半、もっとボールを動かしたかった。リコーが動くより、先に動きたかったと思いました」

──前半、ラインアウトでターンオーバーされることが多かったが? また、流れはいい形での攻めがあったが、攻め急いでいたような場面が多かったが?

「ブレイクダウンでのオーバーコミットが多すぎたと思います。オーバーラップでプレッシャーを受けていた。取れるところで取っていくことが大事だと思います。攻め急いでいたと言うより、ペナルティでボールを持ち込んだときに、必ずしも選手が皆同じ意識を持てていないことが課題だと思います」

──3週連続、また、前節からは中5日での試合となったが、疲れはないか?

「3週連続で試合となったが、それに対してはプランを立てて臨みました。リコーも条件は同じであり、敗戦の理由にはなりません。エラーの数が多くなったが、これは準備が足らなかったためだと思います」

──最後、ロスタイムでスクラムからトライを取り、勝ち点1を獲得したが?

「ファーストステージではまだ4位以内のチャンスは十分あると思います。このためには今日のボーナスポイント1点はとても大きなポイントだと思います」

和田拓キャプテン

「リコーのプレッシャーに耐えきれずミスを繰り返したことが敗因です。しかし、チームとして下を向かず、前を向いて、次節以降チャレンジし直したいと思います」

──前節の対パナソニック戦ではいいファイトができたのに、今日は負けてしまったが?

「今日は、ボールキャリアがしっかりした体勢でダウンボールできていなかった。自分たちのタイミングで継続できていなかったと思います。先週に比べると少し、後手後手に回ってしまったと思います」

──後半29分、19-3の16点差ビハインドのときに得たPKでトライを狙わず、ショットを狙ったが?

「難しい判断でした。まず点を入れて逆転できる点差の範囲に持ち込みたいという判断でした。しかし、それよりも、あの場面ではもっと早く判断するべきだったと思います。ただし、最後まで皆でファイトするという気持ちはステップアップしています」

リコーブラックラムズ


神鳥裕之監督(右)、野口真寛ゲームキャプテン

神鳥裕之監督

「大舞台での試合ができたことに、両チーム・関係者の方々に感謝申し上げます。厳しい戦いでしたが、後半はディフェンスが修正できて良くなったと思います」

──前節のパナソニック対キヤノンの試合でキヤノンSOトエアバが活躍したが、これについては分析したのか?

「メンバーの布陣を含めてキヤノンの強みを打ち消せるように、また、ディフェンスを意識的にやるようにしました。この両面がうまくいったと思います。SOトエアバに突破されないようなカバーディフェンスがよくできていた。ただし、このレベルのディフェンスは、これからトップリーグのトップチームと戦っていくのに最低限のレベルにはなるかと思います」

──今季、これまで3試合のゲームキャプテンを務めている野口選手については?

「最高です。野口選手は口下手ですが、体を張ってチームを鼓舞してくれています。特に今日の試合ではいいところがすべて出たと思います」

──3試合目でようやく初勝利となったが?

「前半は堅くなっていたのか、いいペースではできなかった。後半、我々のラグビーをやろうということを課題としていたが、キックに頼らず、ボールをしっかり動かすことができたと思います」

──37歳のSH池田選手がよく頑張っているが? また、新戦力のFB高平選手の評価は?

「SH池田選手はまだまだ必要不可欠の選手。経験値も高く、フィットネスレベルも高く評価できます。FB高平選手は1試合ずつ良くなっており、今日の大事な試合では仕事をやり切っている。しかし、まだまだ、成長するべき点も多いと思います」

野口真寛ゲームキャプテン

「忙しい中、秩父宮に来ていただいた多くの皆さんに感謝します。終始ディフェンスをよくやってくれました。自分たちのやってきたことをやり切れたと思います。前を見てプレーをするようにしているのがよかったと思います」

──キヤノンのSOトエアバの印象は?

「トエアバに対して、特別に意識していたのは事実です。ディフェンスがよくやってくれたためか、対パナソニック戦ほどはトエアバ選手がアタックしてこなかったという印象です」

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