ファーストステージ・第5節 マッチサマリー(神戸製鋼 10-43 トヨタ自動車)

神戸製鋼
コベルコスティーラーズ
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
10 合計 43
10 前半 15
0 後半 28
0 勝点 5
19 総勝点 14
トヨタ自動車
ヴェルブリッツ
トヨタ自動車ヴェルブリッツ

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 10-43 トヨタ自動車ヴェルブリッツ

ファーストステージ・第5節 プールA
2013年10月6日()14:00キックオフ/大阪・近鉄花園ラグビー場

1stステージ第5節を迎え、プールAで唯一全勝を守る神戸製鋼はこの試合に勝利して2ndステージグループAを目指す。対する2勝2敗で6位のトヨタ自動車は、昨年のようなチーム状態に戻し1stステージでの浮上のきっかけをつかみたい一戦。
昨シーズンの両者の対戦は引き分けに終わっている。トヨタ自動車にとっては今後のチームの行方を左右する落とせない重要な一戦。

前半、トヨタ自動車のキックオフで試合開始。先取したのは神戸製鋼、開始3分にトヨタ自動車ラックオフサイドの反則からSO森田恭平がPGを決め3-0と試合が動くと、すかさずトヨタ自動車も6分、神戸製鋼のノットロールアウェーの反則からSOキャメロン・マッキンタイアーがPGを返し、3-3の同点とする。
この後互いに攻撃の糸口が見いだせないまま迎えた中盤20分、トヨタ自動車は神戸製鋼陣内に入りゴール前5m左中間のラックを支配後、右に展開。CTBタウモエピアウ・シリベヌシィの飛ばしパスが新人の右WTB彦坂匡克に渡り右中間にトライ、3-8とトヨタ自動車が一歩リードする。

しかし、神戸製鋼は33分ハーフライン中央でのトヨタ自動車攻撃のこぼれ球をFL清水佑がインゴールに蹴り込み、トヨタ自動車BKとの競り合いも制してトライ(ゴール)。10-8と逆転する。一方のトヨタ自動車は、この後すぐにハーフライン付近ラックからショートサイドをFB松下馨が抜け、左WTB和田耕二にボールが渡ると、するすると神戸製鋼ディフェンスをかわし左中間にトライ(ゴール)。10-15と再逆転し、トヨタ自動車が半歩リードで前半を終える。

後半は神戸製鋼のキックオフで試合が再開、再々逆転の期待がかかるが、先取したのはトヨタ自動車。3分に神戸製鋼がゴール前で反則を犯すと左WTB和田がPKから速攻し、ショートサイドの右WTB彦坂に繋ぎ、右中間にトライ。ゴールも決め10-22と突き放しにかかる。
この後、神戸製鋼は今までのように一気にゴールまで持ち込むことができず、イージーなミスを繰り返すなどフラストレーションがたまる試合内容。一方のトヨタ自動車は素早い仕掛けで神戸製鋼ディフェンスを崩すと、チームの歯車がかみ合い16分、20分、33分と右WTB彦坂がこの試合だけで5本のトライを挙げ、神戸製鋼に大差をつけノーサイドとなる。

神戸製鋼はムービングラグビーを仕掛けられず、2ndステージグループAへの進出はお預けとなった。一方のトヨタ自動車は空中戦を制し常にアタックを仕掛ける試合運びで勝点5を加え、総勝点14とし2ndステージグループAへの足掛かりとした。
マン・オブ・ザ・マッチには、この試合5トライを挙げたトヨタ自動車のWTB彦坂匡克が選ばれた。


● 記者会見ダイジェスト ●

神戸製鋼コベルコスティーラーズ


苑田右二ヘッドコーチ(左)、伊藤鐘史ゲームキャプテン

苑田右二ヘッドコーチ

「今季の花園での初めてのゲームで勝ち点5を取りに行くために、チームのキーワードにリレントレス、アグレッシブ、ワンオンアタック、レッグドライブをかかげ、実行するつもりでしたが、それができませんでした。トヨタ自動車さんの『これ以上は負けられない』というひたむきさに、アタックでプレッシャーをかけられ、こちらのペースをスローダウンさせられてしまいました。風下では我慢強くボールキープしてアタックしたかったです。応援していただいたファンに申し訳ないです」

伊藤鐘史ゲームキャプテン

「いい形でのゲームがまったくできませんでした。前半はテリトリーを取っている場面もありましたがミスでビッグゲインを許してしまい、またセットプレーやブレイクダウンで正確なプレーができませんでした」

──ディフェンスをくずされた原因は?

苑田ヘッドコーチ

「自分たちのストラクチャーが実行できませんでした。ファーストタックラーが上に(体を)当ててしまい、引き倒すところで少しずつゲインされてしまう。トヨタ自動車さんは(タックルを)ローで入り、そこでブレイクダウンに持ち込みゲームのテンポをスローダウンにさせられたことです」

──ハーフタイムの修正点は?

苑田ヘッドコーチ

「ゲームプランとしてエリアはとっていましたが、ミスからターンオーバーされたのでその辺を修正しました」


トヨタ自動車ヴェルブリッツ


廣瀬佳司監督(左)、上野隆太キャプテン

廣瀬佳司監督

「負けると自力ベスト4が無くなるという状況で選手はよくやってくれました。『自分たちのプレーをどう出すか』という所にフォーカスして準備してきました。あと2ゲーム厳しい戦いが待っていますが、今日のゲームをベースにしっかり調整していきたいです」

上野隆太キャプテン

「いい準備ができ、一つひとつのプレーを大切にしました。まだ後のない状況ですが、しっかり勝っていきたいです」

──具体的に1週間どのように練習したのか?

廣瀬監督

「セットプレーやディフェンスで自分たちのプレーができなかったのはなぜか? そこにフォーカスしました。結果的にボールをキープしている時間が少なかった。自分たちのゲームをするためにはボールをキープし、動かしていきプレーに集中することですね」

──今日5トライの彦坂選手について。

廣瀬監督

「観ての通り、タックルを受けてもしっかりレッグドライブしてボールを前へ運んでくれます。期待通りで、彼のゲインでチームに勢いがつきました」

上野キャプテン

「ちょっと抜けている?〈笑〉しかしやる時はやってくれる、ムードメーカーで良いコミュニケーションをとってくれています」


マン・オブ・ザ・マッチはトヨタ自動車ヴェルブリッツ、WTB彦坂匡克選手

(記事:蜷川善夫、山林右二、北畑幸二 写真:柳元啓志 広報担当:村島博)

(この他の写真については、関西協会ウェブサイトでご覧いただけます)

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