ファーストステージ・第7節 マッチサマリー(パナソニック 41-18 リコー)

パナソニック
ワイルドナイツ
パナソニック ワイルドナイツ
41 合計 18
15 前半 11
26 後半 7
5 勝点 0
28 総勝点 9
リコー
ブラックラムズ
リコーブラックラムズ

パナソニック ワイルドナイツ 41-18 リコーブラックラムズ

ファーストステージ・第7節 プールB
2013年10月26日(土)13:00キックオフ/群馬・太田市運動公園陸上競技場

台風の影響で心配されていた雨は上がったが、上空では風が巻き午前中までの雨でグラウンドはぬかるみ、ボールがほとんど弾まないようなコンディションの中での対戦となった。
パナソニック ワイルドナイツのキックオフで試合開始するも、先手を取ったのはリコーブラックラムズ。前半3分、WTBロイ・キニキニラウが豪快な突破でタックルを外して右隅にトライを決める。その後もキックでエリアを取る着実な戦略でリコーがゲームを進める展開。12分にパナソニックもフォワードでしつこく攻め立ててペナルティを誘いペナルティゴールで得点するも、リコーの出足の早い気迫のタックルに押され15分、自陣ゴール前で不用意なペナルティを犯しペナルティゴールを与えて3-8とされる。

キニキニラウの再三にわたる好走、NO.8マイケル・ブロードハーストの厳しいタックルなどに攻めあぐねるパナソニックの反撃はWTB山田章仁から。23分、この日SOとして初先発のベリック・バーンズの絶妙なゴロパントを上手く押さえ込んでトライ。FB三輪忠寛のゴールも決まって8-8と追いつく。
36分にはCTB JP・ピーターセンが魅せた。オープン攻撃から力強くカットインして大きくゲインしフォワードの集散を待ってラックに持ち込むと、自らボールをピックしてラックサイドを突破してこの日1本目のトライを決める。ゴールも決まって15-8。
直後のキックオフからもパナソニックが敵陣でゲームを進め、このままパナソニックがペースを握るかに見えたが、リコーもSO河野好光がペナルティゴールを決めて15-11と食い下がり射程圏内に追いついて前半を終える。

後半開始、ニュージーランドから帰って間もないSH田中史朗がピッチに入ると、両チームのファンから大きな歓声が上がった。
リコーがキックオフから果敢にアタックを仕掛けるも、PRホラニ龍シオアペラトゥーやFLバツベイシオネらの強烈なタックルが決まり出し、パナソニックがパナソニックらしい堅守でゲームを支配しはじめる。攻めてもモールを押し込んでペナルティを誘うなどでリコーを圧倒。

11分にバーンズがラックからのボールをパスダミーで鋭く切れ込んでトライを決めると、続いて16分にはピーターセンがルーズボールを足にかけて自らキャッチしてそのままゴールラインまで走りこむ。ゴールも決まって29-11と一気に突き放す。
その後も替わって入ったCTB霜村誠一やLOダニエル・ヒーナンらの豪華な控え陣が存分に力を発揮し、25分には息の合い始めたピーターセンとの絶妙なのコンビネーションで山田が2本目のトライ。
37分、モールを左右にずらしながら力強くドライブし最後はヒーナンが飛び込んでスコアを固めゲームを決めた。
ノーサイド直前にはリコーも意地の連続攻撃から1T1Gを返し、41-18で試合終了となった。

ハーフタイムにはワイルドナイツゆかりの、地元発ラグビーとまちを応援する映画『グラス☆ホッパー』から“ご競技アイドルユニット”RGBが歌って踊り、また試合後には太田ならではの両チームキャプテンによるマイクを持っての挨拶で、天気の悪い中競技場を訪れてくださった多くのファンの皆さんを喜ばせた。
(群馬県協会・相澤)

この日も攻守に抜群の存在感・ピーターセン選手

● 記者会見ダイジェスト ●

リコーブラックラムズ


神鳥裕之監督(右)、小松大祐キャプテン

神鳥裕之監督

「我々としてはセカンドステージのグループBが確定した中で、リーグのトップ争いをしているパナソニックに対して存在感を示せる試合をしようと臨んだ。選手たちはよく戦ってくれて前半は互角にやりあえたが、後半は小さいミスや連携の悪さが出てしまいパナソニックの勢いに飲まれてしまい結果的にスコアも開いてしまった。
一から出直すくらいの気持ちでこの(ウィンドウマンスの)一か月間チームを作り直してセカンドステージに向けてしっかり頑張っていきたい」

──前半は素晴らしいディフェンスでチャンスも作れていたと思うが、手応えはあったか?

「リーグ戦全般を通して、特にここ数試合、前半はよく戦えていると見ています。攻撃のシフトの形や細かい約束事が後半に入ると崩れてクオリティの高いアタックができなくなってしまうことが課題。80分間通して自分たちの求めるプレーを続けることができれば上位チームに対しても十分戦える。後半40分間の精度にこだわっていきたい」

──具体的にはどんなことを?

「フィットネスを含めて選手は一生懸命取り組んでくれているので、基礎的な部分、細かい約束事などを基本の基本に立ち返って落とし込んでいきたい」

小松大祐キャプテン

「前節のクボタ戦では、自分たちのプレーを90%出すことができた。最後の10%を出し切るつもりでパナソニック戦に臨んだが、前半もう一つ取りたかったところでトライを取りきれなかったことが後半に響き、50%くらいしか出せなかった。パナソニックがターンオーバーからアタックしてくることは研究してきたが対応できずその通りにプレーさせてしまったという印象。
セカンドステージはメンタル面での強さが必要と感じている。監督やメンバーとよく話し合って強化していきたい」

接点の激しい攻防
SOで初先発・バーンズ選手

パナソニック ワイルドナイツ


中嶋則文監督(右)、堀江翔太キャプテン

中嶋則文監督

「ホームであり不敗神話の続いているここ太田で今シーズンも勝利できたことを喜んでいる。前半はミスで自滅する場面があったが、後半はディフェンスがよく機能し最終的にこのような点差で勝ったことは評価したいが、特にアタックの面でまだまだ精度を上げていかないとさらにプレッシャーのかかるセカンドステージでは戦っていけない。ウィンドウマンスでしっかり修正して臨みたい」

──堀江選手を久しぶりに先発で起用したが?

「これまでは怪我の状態とゲームプランの面でリザーブスタートだったが、戦える状態まで回復したのと、キャプテンとしてチームに必要な選手だし一人のプレーヤーとしても重要な選手なので、チームとして総合的に判断してスターターとして起用した」

──田中選手の合流については?

「帰ってきて間もないがすぐに日本代表への合流でチームを離れることになるので、ベリック・バーンズとのコンビネーションを合わせる必要があると考え、セカンドステージに向けて起用した」

──この試合のプランはどのようなものだったか?

「自分たちのやるべきことをしっかりとやろうと臨んだが、グラウンド状態も悪くリコーさんのプレッシャーも強く、なかなかその通りにできずに攻め急いでしまった。
我々の強みであるディフェンスは被トライ数を見てもよく機能していたと思う。相手のボールを奪って得点する能力は高いと思うが、自分たちのセットからの攻撃の面ではまだまだ精度を上げていきたい」

堀江翔太キャプテン

「前半は少し点を取り急いで自分たちのペースを乱してしまった。我慢して我慢して自分たちのペースを作れていればもっと楽に戦えたと思う。後半はディフェンスで前に出られ、フォワードの近場でボールを継続できたことが勝利につながったと思う。もっともっと成長していきたい」

──今後の課題は?

「もっと自信を持ってボールを継続したい。今日は自陣からボールを回していたが、敵陣でどう攻めるかを考えた上でキックも使っていきたい。ディフェンスについても細かい修正点はたくさんあるので、ファーストステージを振り返り相手の戦い方もよく見ながらやっていきたい」

──ハーフタイムあたりでヤマハ発動機の敗戦の情報は入ったか?

「まったく知りませんでした。試合が終わって円陣を組んでいた時に誰かが言ってくれて初めて知った。自分たちは成績のことよりも目の前のリコーさんに対して真剣に向かうだけだった。まさか首位になるとは思わなかったのでよかったです」

── 一週間後にオールブラックス戦があるが?

「今日の試合で怪我がなかったのでとりあえず安心。自分の身体と向き合い、これまでの怪我とうまく付き合いながら代表の活動に入っていきたい。特に一番近いオールブラックス戦に合わせていきたい」

NZから帰ってきたこの人もご挨拶・田中史朗選手
マン・オブ・ザ・マッチは山田章仁選手

映画『グラス☆ホッパー』からご競技アイドルRGB

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