セカンドステージ・第7節 グループB マッチサマリー(NTTドコモ 38-12 豊田自動織機)
NTTドコモレッドハリケーンズ 38-12 豊田自動織機シャトルズ セカンドステージ・第7節 グループB 8月末から始まったトップリーグ2013-2014レギュラーシーズン、11月末からの2ndステージもいよいよ最終節、前節まで勝点9とグループB最下位で自動降格確定まで後のないNTTドコモと、こちらも一気にワイルドカードトーナメント進出を決めたい豊田自動織機の対決。冷たい冬空にも関わらず花園ラグビー場にかけつけた、5,000人近い熱心な両チームの応援団らが見守る中、豊田自動織機のキックオフで開始された。 両チームの攻防が一進一退の静かな立ち上がりの中、前半14分、NTTドコモが10mライン中央付近のラックからSH秦が左に展開し、最後はFBフィルヨーンが個人技でディフェンスラインをすり抜けて左隅にトライを挙げ、幸先良く先制した(5-0)。しかし豊田自動織機も直後の19分、NTTドコモのホールディングで得たゴール前5m右中間のペナルティより、FBハイレットペティがタップキックからそのまま右中間にトライ、5-5の同点とした。 しかしその後は一方的なNTTドコモのペース、FW中心に相手ゴール前でボールを支配して、27分、36分にそれぞれFW・BKがトライ・ゴールを挙げ、19-5とリードして前半を終えた。 後半に入ってもNTTドコモのペースは衰えず、後半4分に再びFBフィルヨーンのトライで追加点を挙げた後、豊田自動織機の外国人選手2名がラフプレイでシンビン中の21分、直前の20分に入替でWTBに入った元フィジー代表の23番ボンボが自陣10mラインより長駆60mを独走してトライを挙げ、33-5とほぼ試合を決定づけた。終了間際に双方トライを追加したが大勢には影響なく、最終的には38-12とNTTドコモがチーム今シーズン最多得点で快勝した。 NTTドコモは執拗なディフェンスで豊田自動織機に反撃の隙を与えず、BKもハーフ団SH秦・SO茂木の小気味よいボール捌きから自在に加点するベストゲームで、この結果、翌日に最終戦を迎えて順位を争うコカ・コーラウエストと九州電力に大きなプレッシャーを与えることとなった。一方の豊田自動織機は、FWの得意なブレイクダウンからのターンオーバーがNTTドコモからは殆ど奪えずに完敗した。 ● 記者会見ダイジェスト ●
豊田自動織機シャトルズ 田村誠監督 「最終節でいろいろなことがかかった試合で、しっかり準備をして臨みましたが、NTTドコモが全てのプレーで上回っていて、大切な試合で気持ちが相手より上回ることができませんでした。本当に素晴らしいゲームをされて我々は叶わなかった」 梅田紘一ゲームキャプテン 「本日は有難うございました。悔しいの一言です。自分たちのラグビーができませんでした」 ──想定していたことと何が違ったか? 田村監督 「想定はしていました。NTTドコモが22m内に入った時はモールでFW近くを仕掛けてくることは分かっていましたし、気迫で来るのも分かっていたので、敵陣で無理なゲームをしないようにと言っていました。我々のゲームスタイルもありますが、無理なプレーをしすぎました。NTTドコモは自分達の強みを全て得点にしていたのが今日の試合だったと思います」 ──全体のシーズンを通じての成長は? 田村監督 「競った試合が勝ち切れない。後半戦からは勝つことができましたが、良いプレーを続けることを積み重ねて行かなくてはならないと思います。今日のNTTドコモは、修羅場を何シーズンも経験しています。我々も経験はしているが回数とかの差があったと思います。これから先は自分たちが決めることではないので、チャンスがあれば上で戦っていきたいです」 ──マーク・ジェラード選手の状態は? 田村監督 「前日の練習で腕と足を痛めました。ぎりぎりまで待ったが難しいと判断しました」 NTTドコモレッドハリケーンズ 下沖正博ヘッドコーチ 「NTTドコモとしては負ければ自動降格が確定だったので、本当に後がない試合でした。プレッシャーを感じさせると良いプレーができないので、一方で色々と経験もしている中で緊張感とリラックス感の2つを合わせながら今週は準備をしていました。良い準備をしていたので、キックオフから動きも良く勝利に結びついたと思います」 吉岡宏樹キャプテン 「最終節まで多くのファンと関係者の人達に来て頂き、またどの会場でもNTTドコモの応援が多く私達としてもやりやすい環境でプレーできた事に感謝しています。負ければ自動降格となりますが、チャレンジャーとして緊張感を楽しもうとテーマを持って試合に臨みました。明日の試合結果でどうなるかは判らないですが、自分達としては、やれることは全てやったと思っていますし、入替戦に行けたらと思っています」 ──相手の強みより勝ったNTTドコモの勝因は? 下沖ヘッドコーチ 「春からフィジカル面を強化していました。かなり時間をかけて強化し、具体的に前へ行く自信を持っていました。豊田自動織機はブレイクダウンに人をかけないのは分かっていたので、そこに対してFWでトライに結びつけることができ、プラン通りに行けたと思います」 ──シーズンを通じて、チームとして成長したところは? 吉岡キャプテン 「ファーストステージの前半2節まで良かったが、3節目の神戸製鋼戦で負けて自信を無くしたところがありました。春からメンバー全員がポジティブな練習をしてきて、やればできると取り組みました。最後まで一生懸命やっていたことが良かったと思います」 ──シレリ・ボンボは予定通りの起用か? 下沖ヘッドコーチ 「タイミング的には早かったです。リアン・フィルヨーン選手が足を痛めていたので、少し早めの起用となりました。インパクトプレーヤーとしての力を十分発揮し、いいトライも獲ってくれて良かったと思います」 マン・オブ・ザ・マッチはNTTドコモレッドハリケーンズ、No.8箕内拓郎選手
(記事:蜷川善夫、石川悟、玉川育夫 広報担当:村島博) (この他の写真については、関西協会ウェブサイトでご覧いただけます) |