「プレーオフトーナメント セミファイナル」マッチサマリー(パナソニック 55-15 東芝)

パナソニック
ワイルドナイツ
パナソニック ワイルドナイツ
55 合計 15
22 前半 8
33 後半 7
東芝
ブレイブルーパス
東芝ブレイブルーパス

パナソニック ワイルドナイツ 55-15 東芝ブレイブルーパス

プレーオフトーナメント セミファイナル
2014年2月1日(土)14:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

2月1日(土)プレーオフトーナメント セミファイナルは、秩父宮ラグビー場で第1戦のパナソニック ワイルドナイツ(セカンドステージ7勝0敗)と東芝ブレイブルーパス(セカンドステージ4勝3敗)の戦いが行われた。両チームの戦いは今シーズンファーストステージでは40-22、セカンドステージは14-12でパナソニックが勝利している。

試合は9,916人の両チームの熱いファンの応援の中で、パナソニックのキックオフで開始された。開始早々からパナソニックが積極的にボールを展開する攻撃を仕掛け東芝陣に攻め込み、前半3分に東芝陣22m付近ラックより左オープンに早い展開でボールを繋ぎ、NO.8ホラニ龍コリニアシが左サイドにトライを奪い先制(GK失敗/5-0)、対する東芝はリスタートの前半6分に、パナソニック陣22m付近で相手ノックオンよりスクラムのチャンスを得てパナソニックの激しいディフェンスに遭いながらもボールを動かしチャンスを伺うがトライを奪えない。

両チームの激しい攻防が続いた前半13分にパナソニックは東芝陣ゴールライン手前10m付近のラインアウトより早い展開でボールを回し、ゴール前の攻防からSH田中史朗がトライを奪い(GK成功)12-0とする。その後もパナソニックの攻撃が続き19分には敵陣22m中央付近で相手ペナルティー(オフサイド)よりチャンスを作り、しっかりとSOベリック・バーンズがPGを決め15-0。東芝も22分に敵陣15m付近中央の相手ペナルティー(オフサイド)よりSH小川高廣がPGで取り返し15-3。東芝は攻撃の手を緩めずパナソニック陣に攻め込むも22m付近でラックよりこぼれたボールをパナソニックがターンオーバーし、敵陣10m付近よりWTB山田章仁が敵陣左サイドゴール付近への絶妙なキックパスでFB笹倉康誉がトライ(GK成功/22-3)と東芝を突き放す。パナソニックの応援席より「ワイルドナイツ、GO・GO・GO!!」の声援が場内に響いた。

ここまでノートライの東芝は前半39分にセンター付近でのラインアウトから出たボールをSO廣瀬俊朗が敵陣22m付近へハイパント、そのボールを奪い右サイドのライン際を攻め上がりWTB大島修平よりSO廣瀬へとボールを繋ぎゴール右サイドにトライを奪い22-8(GK失敗)とし前半が終了した。

後半は東芝が開始早々より積極的に攻め込み敵陣ゴール前10m付近のラインアウトよりモールを形成し押し込むが、レフリーから東芝に「ユーズイット」のコールがかけられてもボールが動かず得点のチャンスを逸した。その後も東芝はパナソニック陣に攻め込むも後半10分にパナソニック陣22m付近でのラックから出たボールを23番三宅敬がインターセプトし東芝陣20m付近まで運びCTB霜村誠一にボールを繋ぎトライを奪い(GK失敗/30-8)突き放す。
両チームの激しい攻防はその後も続いたがパナソニックはワイドに早い展開、ブレイクダウンでのプレッシャー、SOバーンズのキックなどを有効に使い東芝に自分達のラグビーをさせずに後半だけで5トライを奪い、55-15で勝利した。

パナソニックは2日に行われる神戸製鋼コベルコスティーラーズ - サントリーサンゴリアス戦(秩父宮/14:00キックオフ)の勝者とトップリーグ優勝をかけて戦う(2/9(日)/秩父宮/14:00キックオフ)。東芝は日本選手権でのリベンジを誓った。
(佐藤克則)



● 記者会見ダイジェスト ●

東芝ブレイブルーパス


和田賢一監督(右)、望月雄太ゲームキャプテン

和田賢一監督

「本日は多くの方々、東芝関係者に来ていただいて、感謝申し上げます。試合は、一言で言うとパナソニックさんが強かったに尽きます。セットプレーでも、1オン1のところでも、上回られ、こちらの自滅の部分もあったが、それ以上にパナソニックさんが良かったと思います。ただ、日本選手権という次のステージがありますので、しっかり修正したいと思います」

──自滅とは?

「ディフェンスで、ファーストタックラーが少し見て、食い込まれたところで、ワイドに動かされたところです。数少ないアタックチャンスでも、2つのブレイクダウンのミスと2つのパスミスで、計4回、相手にボールを渡してしまいました。精神状態はもちろん止め切るつもりでしたが、一歩踏み込めず、相手のステップを一歩見てしまいました。そこで、パナソニックさんのカットアウト、オフロードをやられたと思います」

──後半の入りは?

「ハーフタイムの修正ポイントは、14点差を追いかける状況でしたので、一気に獲ろうとするのでなく、攻める意思をもって継続を指示したのですが、最初のラインアウトモールを獲り切れず、根負けして22mラインの内側から無理なアタックをするなど、焦ってしまったと思います」

──小川選手と廣瀬選手のスタンドオフの評価は?

「廣瀬は良い判断でボールをスペースに運んでいたと思います。小川も、さばき、持ち出しの部分は良かったし、彼の持ち味を消したくはないですね」

──日本選手権に向けて?

「いかに一つのボールをトライラインまで運ぶか、意思統一して、結束して臨みたいです」

望月雄太ゲームキャプテン

「本日はありがとうございました。監督の言うとおり、パナソニックさんが非常に強かったと思います。僕らがしたかったラグビーをさせてもらえず、パナソニックさんにやりたいラグビーをやられたのが敗因です。しかし、これで終わりじゃないので、次の日本選手権に向けて、身体も気持ちも修正して、メンタル的にも日本一を目指していきたいと思います」

──何が原因で?

「ブレイクダウン含めて、ボールを継続できませんでした。パナソニックさんのディフェンスが良く、プレッシャーを掛けられて、相手のジャッカルも上手かったこともあったと思います」

──あっさり蹴る場面も多かったが?

「ゲインラインを切れれば継続で、できなければタッチという戦術でしたが、もう一度見返してしっかり修正したいと思います。ゲインも切れず、ブレイクダウンでもプレッシャーを掛けられて、中盤でもっと継続したかったところもありましたが、少ないフェイズで獲られてしまう場面もありました。パナソニックさんのディフェンスの見切りが非常に上手かったです。全部が全部、捨てるわけでなく、これが出ていれば、という場面での危機管理が素晴らしかったです。こちらのアタックの一人一人の寝方、ボールリリースなどの基本のプレーができていない部分も多かったと思います」

──ラインアウトモールで獲り切れなかった部分は?

「モールが一瞬止まった時に『ユーズイット』がかかったのですが、モールが押せて動いていたので、中のFWは継続し続けてしまいました」



パナソニック ワイルドナイツ


中嶋則文監督(右)、堀江翔太キャプテン

中嶋則文監督

「お疲れ様です。東芝さん相手でしたが、この2週間はどれだけ自分たちのアタック、ディフェンスができるかにフォーカスしてきました。メンタルの部分でどれだけ『勝ちたい』という気持ちが上回れるか、選手がしっかり理解してくれて、泥臭く、ボールに働きかけて、しっかり80分間戦ってくれました。試合に出られなかった選手もしっかり準備してくれました。部員45名の良い準備が勝因です。あと一つ残っているので、しっかり準備して勝ちたいと思います」

──ディフェンスも良く、キックも効果的だったが?

「ブレイクダウンは、まず、タックラーが一人で倒しきることでした。それをしないと、東芝さんは3人くらいでつないできます。今日は二人目が良い球出しをさせないことにフォーカスしました。キックの精度は完全にバーンズ選手のものです。ゲームプランとして、しっかり敵陣で試合をしようと。うまく状況を見て後ろへキックし、外が空いていれば継続ができたと思います」

──ファイナルまでの1週間は?

「今週やってきたスケジュールで、リカバリーが必要な選手を見極めて、基本的にはあまり変えずに、やってきたことをしっかりやっていくことですね。キャプテンから、『80分間、何があるか分からない』と気を抜かずにやってくれると思います」

堀江翔太キャプテン

「(報道陣が)たくさん集まって下さって久々ですね(笑)。試合前は、日本選手権も含めて残り4試合だが、とりあえず、目の前の試合に100%準備して臨もうと言ってきました。プレーオフうんぬんより、まず、必死にどんな準備をしたらよいか考えました。試合はポンポンと獲って、僕から80分、何があるか分からないと言わなくても、各プレーヤーから声が出ていて、油断なくできたと思います。東芝さんは、怪我人が多くても、点を取ってくる凄いチームだと思いました」

──獲られた場面は?

「少しキックチェイスの部分で穴が開いて、カフイ選手に行かれてしまいました。FW、BKリンクして空けないようにしたいと思います。バーンズ選手に、相手は元々のポジションでない選手がいるので、コミュニケーションをとって、慣れない位置にいるよと伝えました。あの辺りはうまくいきました」

──フィジカルで勝ちきったように見えたが?

「特に変わった部分はありません。BKの人たちが時にはFWより練習を長くやっていて、結構、タフになってきました。BKのブレイクダウンが強みになってきたと思います」

──若手は?

「西原選手が、結構、声を出してくれてリードしてくれます。以前は波もありましたが、今年に入って、常に上のレベルでやってくれています。若手が押し上げて、ベテランには刺激になって、中堅の僕たちはうまくやっています(笑)」

──ファイナルまでの1週間は?

「スタッフから、どんなメニューが来るのか。ガンガン走るのは止めていただきたい(苦笑)。選手個人で、お年の方は、身体が痛いと言うと思います(笑)。僕としては、怪我のない、ベストのメンバーを使ってほしいし、その辺はスタッフが見てくれているので、僕らは、次の試合に向けて、サントリーさんだろうが、神戸製鋼さんだろうが勝とうと思います」










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