「ワイルドカードトーナメント 2回戦」マッチサマリー(ヤマハ発動機 13-12 NEC)

ヤマハ発動機
ジュビロ
ヤマハ発動機ジュビロ
13 合計 12
0 前半 9
13 後半 3
NEC
グリーンロケッツ
NECグリーンロケッツ

ヤマハ発動機ジュビロ 13-12 NECグリーンロケッツ

ワイルドカードトーナメント 2回戦
2014年2月8日(土)14:05キックオフ/大阪・近鉄花園ラグビー場

ワイルドカードトーナメント1回戦で豊田自動織機シャトルズを零封して2回戦に進出したヤマハ発動機ジュビロ。対してクボタスピアーズを大差で退けトーナメント戦では俄然強みを発揮するNECグリーンロケッツの対戦。レギュラーシーズン、リーグ戦セカンドステージでの対戦では、ヤマハ発動機が前半のリードを守りきり40-26でNECを下している。
立春寒波で昨夜来の雪が残る近鉄花園ラグビー場。あいにくの氷雨にも係らず2,500人を超える熱心なファンが詰めかけ、グラウンドは雪かきによって熱戦に備えられた。

ヤマハ発動機が風下のエリアを選択、風上のNECはキックオフからの勢いでヤマハ発動機陣内深く攻め込む。ヤマハ発動機はNECの猛攻に耐えラインアウトのターンオーバーからSO大田尾竜彦のキックパスに11番左WTB徐吉嶺がナイスキャッチ。NECゴール前まで迫る好走を見せるも、ゴールラインを割ることができず中盤に差し掛かる。

試合を優位に進めてきたNEC、13分に10mL左中間からSO田村優が意表を突きDG、レフリーがゴール成功をコールし0-3とNECが均衡を破る。
一方、ヤマハ発動機はリスタートからの攻撃でNECが犯した反則からPGを狙わず、タッチキックでラインアウトを選択。モールでトライを奪おうとする。しかし、NECはヤマハ発動機の攻撃を防ぎきり、逆に風上の利を活かしキックで地域を回復、SO田村が28分、34分にPGを決め、0-9とリードして前半を終える。NECの鋭い出足とヤマハ発動機の固いディフェンスの攻防が前半の見どころ。

後半、逆転を狙うヤマハ発動機は7分に10mL右中間からFB五郎丸歩がPGを慎重に決め3-9と詰め寄る。対するNECも12分、SO田村が逆風をものともせず30m中央からのPGを決め3-12と9点差を守る。
ヤマハ発動機はこの後NEC陣22mL内に攻め込むがノックオンのミスなどでなかなかリズムに乗れない中、やっと24分ラインアウトの反則からPGをFB五郎丸が決め6-12とする。

両チームとも得点を上げられず息詰まる攻防が繰り広げられる終盤、NECの反則にヤマハ発動機はラインアウトを選択し勝負を決めに行く。32分ゴール前5mL左ラインアウトからモールを押し込みNo.8堀江恭佑がトライ、FB五郎丸が左端から角度のあるGKを着実に決め、13-12と逆転。両チームとも反則を犯せない緊迫した状況に、NECは最後の力を振り絞り再逆転を目指すが、キックでボールをヤマハ発動機に渡してしまい、万事休す。
ヤマハ発動機ジュビロは日本選手権出場を決め、早稲田大学との対戦を迎える。敗れたNECグリーンロケッツも、トーナメント巧者ぶりを十分に発揮しファンを魅了した。この試合で公式戦を終了となるが、次シーズンに向け新たな挑戦が始まる。



● 記者会見ダイジェスト ●

NECグリーンロケッツ

グレッグ・クーパー ヘッドコーチ

「まず、ヤマハの日本選手権出場をお祝いする。今日は十分勝てる試合のパフォーマンスをしたが負けたことは非常に残念、終盤のエラーが高くついた。ただ、選手たちの勇気ある献身的なディフェンスは素晴らしく、ヤマハのアタックをしっかり封じ込めることができたと思う。終盤にモールでトライをとられてしまったが、最後までどちらに転んでもおかしくない試合であったと思う」

浅野良太キャプテン

「雪も降って寒い悪天候の中、会場まで応援にきていただいたファンの皆さまに感謝する。これで1年のシーズンが終わってしまうが、スタッフ、選手のみんなが本当に献身的にチームのために働いてくれた。『ノーリミット』のスローガンのもとみんなが体現できていたと思う。結果は勝って終わりたかったが、みんなに『ありがとう、感謝している』と伝えたい」

──モール攻撃への対策は?

浅野キャプテン

「ヤマハは毎試合モールでトライをとっており、これを武器にしていることは分かっていたので対策は立てていた。ただ、モールでスコアされ、それにより1点差で負けたことは相手の強みを消せなかったディフェンスの部分で残念。やっていても手ごたえはあったし、『あそこを止めていれば』とあの一本は本当に悔やまれる。悪天候であまりボールを動かせない中でロースコアになることはあらかじめ予想していたので、エリアマネジメントが大切になってくると思っていた。前半は風上で規律よくエリアマネジメントを徹底できたが、後半は規律の部分が少し乱れてしまった。そこができていれば、もう少し失点を抑えられたと思う」


ヤマハ発動機ジュビロ

清宮克幸監督

「非常にタフな試合であった。前半の風下、後半の風上をどう戦うかという試合であったが、雨でボールが濡れるという中で、前半の9失点はギリギリのところで許容範囲。後半はもちろんもう少しスッキリ勝ちたかったが、トーナメント(負けたら終わり)という形式では、こういう展開になるのかなという印象を持っている。次のステップに進めて来週は早稲田との対戦となったが、ヤマハラグビーを全開にしてお見せしたいと思う」

三村勇飛丸キャプテン

「まずは、日本選手権に出場できてうれしく思う。今日は天候も悪い中、フォワードでしっかり勝負しようと決めていた。グラウンドの上で、PGかモールか、あるいはスクラムかをリーダーとしてしっかりと判断しなければならない局面があった。次の試合に向けて、こうした判断を含めてしっかりと精度を上げていきたいと思う。また、相手は学生であるが、自分たちはチャレンジャーの気持ちで臨んでいきたい」

──早稲田戦に向けては?

清宮監督

「今年の早稲田は、学生の中では良いセットプレーを組んでいるし、特に後半の何試合かはボールも非常にうまく動かせるようになってきている。トータル的な力は伸びてきているという印象を持っている。ヤマハにすごく似ている部分もあると思うので、そういう所での少しずつの違いという部分をお見せしたいと考えている。みなさんに注目していただけるような試合になるよう準備をしていきたい」









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