ファーストステージ第1節 マッチサマリー(神戸製鋼 19-17 リコー)

神戸製鋼コベルコ
スティーラーズ
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
19 合計 17
6 前半 10
13 後半 7
4 勝点 1
4 総勝点 1
リコー
ブラックラムズ
リコーブラックラムズ

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 19-17 リコーブラックラムズ

ファーストステージ・第1節 プールB
2014年8月24日(日)19:00キックオフ/京都・西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場

京都・京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場、第1試合の開始前から強い雨が降り続き水浸しのグラウンドコンディションのなかでの第2試合。昨季3位の神戸製鋼コベルコスティーラーズが昨季11位のリコーブラックラムズを迎えた一戦。リコーのキックオフで試合が開始された。

開始早々2分、リコーSH山本昌太がハーフライン付近のラインアウトから出たボールを好判断で持ち出しいきなりゴール前までビッグゲイン、ここで神戸製鋼のオフサイドの反則を誘った。ゴール前10メートルほぼ正面からPGをFBピータース ダニエルが難なく決め0-3と先取する。しかし、13分には神戸製鋼が敵陣22メートル中央でスクラムを押し込みリコーは反則を犯してしまう。神戸製鋼CTB田邊秀樹がPGを決め3-3とゲームを振り出しに戻す。さらに、17分にリコーSOコリン・ボークが自陣ゴール前でノーボールタックルによりシンビン、このPGを神戸製鋼CTB田邊が決め6-3と逆転に成功する。

この後、両チームとも攻めるものの雨の影響でボールが手につかず膠着状態がしばらく続く。だが、35分にゲームは動いた。神戸製鋼FL前川鐘平が自陣ゴール前の敵ラインアウトの反則でシンビンとなり、ゴール前10メートル左中間付近でリコーはスクラムを選択。相手が7人となったスクラムを迷わず押し込みNO8マウ ジョシュアがサイドを潜り込みトライ。ゴールも決まり、6-10とリコーが再びリードし前半を終了する。

後半は、神戸製鋼のキックオフでスタート。グラウンドコンディションが悪いなか、お互いエリアを意識しキックが多い戦法をとるが、なかなかゴールを割れない。だが9分、スコアが動いた。神戸製鋼が敵陣ゴール前スクラムを8人に戻ったFWで押し込み少し左にホイールさせNO8谷口到が左サイドに抜け出しトライ。難しいゴールをCTB田邊が決め13-10と再び逆転。24分にはリコーのホールディングの反則からこれも神戸製鋼CTB田邊がPGを決め16-10とリードを広げ、やや神戸製鋼のペースでゲームが進行する。

しかし、初戦勝利に向けてリコーもこのままでは終われない。34分、ハンドリングが難しいなかで、SOコリン・ボークを起点に右に左にとフェーズを重ね、最後は大外のキャプテンWTB小松大祐が走り込み左サイドぎりぎりに飛び込む。TMO(テレビジョンマッチオフィシャル)判定となったものの見事なトライ。非常に難しいゴールをFBピータース ダニエルが決め16-17と再逆転。

残り5分の1点差勝負、どちらが初戦をものにするか。会場も熱い応援が続くなか、何としてもリードを守りたいリコーだが、38分に自陣ゴール前25メートル右中間付近で痛恨のコラプシングの反則。神戸製鋼CTB田邊が慎重にPGを蹴りゴールポストを通過させ、19-17と再々逆転した神戸製鋼に勝利の女神がほほ笑んだ。

昨季11位のリコーが昨季3位の神戸製鋼を苦しめ、リコーの善戦がたたえられるゲームとなった。しかし、大雨のコンディションでの戦い方(敵陣にボールを運んで反則を誘い、ショットで点を積み上げていく)を行った神戸製鋼の冷静なゲームコントロールにも拍手を送りたい。
(関西協会広報担当 高橋茂治)


● 記者会見ダイジェスト ●

リコーブラックラムズ

神鳥裕之監督

「雨の中、沢山の方に応援に来ていただきありがとうございました。
開幕戦に向けて春から取り組んできたところ、特にディフェンスの部分をしっかりと実行すれば必ずチャンスはあると臨み、選手達はやれるだけの力は出してくれたと思っています。細かいところの精度や勝負どころでの小さなミスが神戸製鋼さんと2ポイントの差に繋がったので、しっかりと反省して次戦のキヤノン戦に向けて気持ちを切り替えて挑みたいと思います」

小松大祐キャプテン

「京都まで応援に駆け付けていただいたリコーファンの皆さんに感謝致します。ありがとうございました。両チーム共、ミスはあったと思いますが神戸製鋼さんはここぞというところでポイントとトライを取っていました。こちらはここぞというところでミスをしてチャンスを逃してしまいました。もっと実行力を高めないと、トライまでもっていけないという印象がありました。後半の最後のところでいいアタックができていたのでテンポのいいラグビーをやっていきたいと思います」

──スクラムでかなりプレッシャーを受けていながら2点差であったところは頑張ったと思うがそれ以外で上手くいかなかったところは。

小松キャプテン

「セットプレーでピンチの時に我慢しきれなかったところと、神戸製鋼のSHからのキックが少し機能していたと思います。ボールをこぼし過ぎて、相手に取られてしまいました。カバーリングミスやコミュニケーションミスもあり、そこを突かれてしまいました」

神鳥監督

「神戸製鋼さんのセットプレーの強さやラインアウトの高さは想定しており、その中でもう少しやれると思っていましたが、上手くいかないながらもしっかりと対応し接戦に持ち込めたところは評価したいと思います。セットプレーは課題として取り組んでいかなければならないところは感じました」


神戸製鋼コベルコスティーラーズ

ギャリー・ゴールド ヘッドコーチ

「コンディションが非常に難しかったので、トリッキーな戦い方をせざるを得なかった。強敵であるリコーに対し選手がやるべき事を実行してくれたことを誇りに思います。FWが凄く頑張ってくれたと思います」

伊藤鐘史ゲームキャプテン

「ホテルを出発する前から雨が激しく降っていたので、スコアも僅差になると分かっていたので狙えるところはショットでどんどんポイントを取り、少ない点差でもいいのでとにかく勝点4以上を取るつもりでいました。我々は練習でもテリトリーを取っていく事をやっているので、雨の中ではより大事になってくる。前半にキックでハイボールを上げ過ぎて敵陣に入り込みにくかったですが、後半はテリトリーを我々が制圧できて、ペナルティを誘いショットを狙っていけました。しんどかったが思い描いていた通りにゲームを運べました」

──スクラム、ラインアウトは制圧できたと思うがどのあたりが良かったか。

ゴールド ヘッドコーチ

「選手の頑張りに尽きると思います。春シーズンからハードワークをしてきた結果であり、スクラムでは早く入り早く押さないという規律も守られていました。ハードワークをした結果でいいドライブができていたのではないでしょうか」

伊藤ゲームキャプテン

「ノンメンバーが練習でしっかりとプレッシャーを掛けてくれたので想定以上にいい準備ができました」








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