セカンドステージ第4節 マッチサマリー(NTTコミュニケーションズ 14-45 パナソニック)

NTTコミュニケーションズ
シャイニングアークス
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
14 合計 45
7 前半 28
7 後半 17
0 勝点 5
1 総勝点 19
パナソニック
ワイルドナイツ
パナソニック ワイルドナイツ
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NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 14-45 パナソニック ワイルドナイツ

セカンドステージ・第4節 グループA
2014年12月20日(土)14:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

前節、神戸製鋼に前半3-27と大きくリードされながら、後半に逆転勝ちしてグループA首位に復帰した王者パナソニック ワイルドナイツ。
対するNTTコムはセカンドステージ全敗と厳しい戦いを強いられており、この一戦の結果次第ではプレーオフトーナメント進出の可能性が消えてしまうため、何とか勝利をものにしたい。
なおこの試合では、パナソニック株式会社と株式会社ジェイ・スポーツの協力による、ジャパンラグビー トップリーグ初の「レフリーカメラ」を採用。普段は見ることができないアングルや迫力あるプレーに期待が集まった。

前半はパナソニックのキックオフでスタート。
先制したのはパナソニック。
前半4分、相手陣ゴール前のラックから左に展開。SOバーンズからCTB林と渡り、今週「スーパーラグビー」ウェスタン・フォース入りが決定したWTB山田章仁が左隅にトライ。SOバーンズも確実にゴールを決め0-7とする。

その後は、相手陣へ攻め込むも、ペナルティーやハンドリングミス等により、お互いにリズムにのれない時間帯が続くが、NTTコムの反則からパナソニックが追加点のチャンスをつかむ。
25分、相手陣ゴール前の右ラインアウトからモールで押し込み、FL西原忠佑が右隅にトライ(ゴール成功)。0-14とするが、NTTコムも29分、相手陣ゴール前左ラインアウトのチャンスからモールで押し込み、崩れた左サイドをSH西橋勇人が抜け出し左隅にトライ。LOアイザック・ロスのゴールも決まり7-14とする。

しかし、直後の33分にパナソニックは相手陣ゴール前左ラインアウトからモールで攻め込むと、ここでNTTコムがたまらずオフサイドの反則。ペナルティートライを奪い(ゴール成功)7-21とする。更に直後のキックオフでNTTコムのシンビン(危険なプレー)により数的に優位に立つと40分、フォーンの鳴り終えたラストプレーで、相手陣ゴール前のラックからSOバーンズのキックパスをHO設樂がキャッチ。内側でサポートしていた途中出場のPR川俣直樹につなぎ右中間にトライ(ゴール成功)、7-28で前半が終了。

後半は冷たい小雨が降り始めるなかで試合再開。
直後の後半1分、パナソニックはハーフウェイライン付近のキックレシーブからカウンターアタックを仕掛け、連続攻撃から左へ展開。SOバーンズが抜け出し、CTBピーターセンからWTB山田章仁へパスがつながり左隅にトライ(ゴール成功)。7-35とする。
18分には、相手陣10m中央付近で得たペナルティーを後半から途中出場のSOイーリ ニコラスが40mのPGを確実に決め、7-38と点差を広げる。

その後は、両チーム共に戦術的メンバー入れ替えで攻撃を仕掛けるも、双方の堅いディフェンスでなかなか得点を奪えない。
36分、パナソニックは相手ゴール前に攻め込み連続攻撃。右ラックサイドの空いたスペースを後半14分から途中出場のSH内田啓介が中央に廻り込んでトライ。CTB三輪忠寛のゴールも成功し、7-45とする。

意地を見せたいNTTコムも試合終了間際、相手陣15m中央付近のスクラムから連続攻撃を仕掛けて40分に相手陣ゴール前のラックから、後半から途中出場したPR須藤拓輝が右中間にトライ。SOエルトン・ヤンチースのゴールが決まったところでノーサイドとなった。

この結果、パナソニックは勝点5(総勝点:19)とし、首位をガッチリとキープ。試合後の会見でロビー・ディーンズ監督は「選手1人1人が自分の仕事をしっかりしてくれた」と評価。また、トップリーグのデビュー間も無い、三上、谷の両選手の成長を称えた。
一方のNTTコム/ロブ・ペニーヘッドコーチは「スクラムでプレッシャーを掛けられた。反則やミスも多くアタックの機会を失ってしまった」と悔やんだ。次節の神戸製鋼戦からサントリー、東芝との対戦が続くが、残り3試合の奮闘ぶりに注目したい。

なおマン・オブ・ザ・マッチは、トップリーグデビュー2戦目ながら、ブレイクダウンでのプレーが光ったパナソニック ワイルドナイツ LO三上 匠選手が選ばれた。
(橋本 光一)



● 記者会見ダイジェスト ●

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
ペニー ヘッドコーチ(右)、栗原バイスキャプテン

ロブ・ペニー ヘッドコーチ

「パナソニックさんにおめでとうと申し上げます。良いレッスンになりました。今日は、何回かチャンスがありましたが、生かせませんでした。同時に、質の高い対戦相手にチャレンジングすることができて、とてもわくわくしています。このレベルの相手ですと、前半にミスをしてしまうと、うまく戦うことができません。ただ、後半、戦う姿勢が見られたことは良かったと思います。この経験を生かしていけば、チームにとって、より良い未来が開けると思います」

──セカンドステージで苦しんでいる理由は?

「やはり強いプレッシャーの中で、スクラムタイムでボールを保持できないなど、ボールキープができないために、戦略が遂行できていません。今日も、65分までペナルティが14-2でした。アタックチャンスでペナライズされ、ボールを失ってしまったのが敗因です。しかし、トップ8チームは、シリアスですが、とてもよいものです。今後、一貫性を持って戦っていくために、若いグループが良い経験をしてくれています」

──アイザック・ロス選手のゴールキックについて?

「彼はロック以外でもできるスキルフルなプレーヤーです。15,6歳から、ゴールキックも上手い選手です。自分もキャッチングを手伝っていますが、トレーニングも素晴らしい、偉大な選手です」

栗原大介 バイスキャプテン

「シャイニングアークスとして、結構いろいろなシチュエーションでチャレンジしていこうと臨みましたが、パナソニックさんのプレッシャーでそれができませんでした。相手のプレッシャーを大きく受け、結果を急いで大きくミスをしました。上位リーグで結果を求めると、それこそ勝てないことが分かりました。僕たちにとってかけがえのない経験になっています。この反省点を基に、シャイニングアークスとして少しでも成長することが、今日も応援してくださった人への恩返しになると思います」

──パナソニックのディフェンスを突破できなかったが?

「我慢すべきところを、一発で獲ろうとしてしまいます。トップリーグの他のチームは、自分たちのフィジカルをぶつけて、相手の意識を内側に向けて、外へ散らして獲ります。横への圧力がないのに縦へ持って行ったりするので、バックスとフォワードのコンビネーションを高めていく必要があります」

──三上選手らパナソニックの若手選手について?

「全体的にハードワークする印象があります。一人ひとりにコミットしてきます。チームとしてフィットし、外に行けるし、仕事の正確性が印象的です。アタックについても、ブレイクダウンも。例えばディフェンスでラックに入る時のコミットが上手く、こちらのアタックが殺されます。ディフェンスでは、こちらのコミットにも耐えて、起き上がりの速さがあるし、ダミーで入る選手も一つひとつの仕事を意識して、こちらのディフェンスを殺しに来ます」


パナソニック ワイルドナイツ

パナソニック ワイルドナイツ
ディーンズ監督(右)、田中ゲームキャプテン

ロビー・ディーンズ監督

「前半の良いパフォーマンスで勝つことができた試合でした。皆、良く走りました。後半は、前半ほど良いパフォーマンスではなかったですが。今日は、フミ(田中選手)がトスで勝ってくれたので、一生の仕事にしてほしいですね(笑)」

──コムとは前回、苦しい試合をしたが?

「ファーストステージでは、前半、タイトな試合をやってしまいました。後半、縦に行くことができたので、今日は前半からそれをやろうとしました。しっかりボールを持ってプレーする時間を長くし、相手にボールを渡さないことを目指しました。NTTコムさんはアタックの良いチームですので、僅差になることを防いでいこうと。残り20分で出てくるヤンチース選手は危険な選手ですから。前半は、翔太が復活していない中で、あれだけのスクラムを組むことができたのは良かったです」

──谷、三上選手ら若手については?

「良いプレーでした。彼ら二人の成長を喜んでいます。デビュー戦なら気持ちは高ぶっているので良いのですが、2戦目は難しい。だが、2戦目の方が成長しています。谷は下のボールに強いし、ボールキャリアーとしても強い。毎週、同じ選手でやることはできません。どうしてもパフォーマンスが落ちてしまいますから。ただ、毎週、80分プレーしたい選手はいますが(笑)(と、田中選手に振る)」

──山田選手がフォースと契約したが?

「間違いなく、スーパーラグビーで素晴らしいパフォーマンスをしてくれると思います。2カ月ほど前、トッド・ブラッカダーが山田のパフォーマンスを見て、向こうで見たいと言っていましたが、残念がることでしょう。アキ(山田選手)には良いチャンスです。彼が、今回フォースと契約したのは決して偶然ではありません。努力して、チャンスを手に入れたのです。いろいろなスキルを持ち帰って、選手として成長してもらいたいと思います。特にハイランダース(田中選手の所属するSRチーム)戦では活躍を期待しています(笑)」

田中史朗ゲームキャプテン

「前回の太田での試合で、競ったことを考えて、前半から自分たちの戦術を信じてやろうと臨みました。トライを2本、獲られたのは反省点ですが、アタックに関しては良いラグビーができたと思います」

──毎週80分出たい選手とのことだが?

「若手のスクラムハーフも、これからのパナソニックを引っ張るために必要です。僕も中堅となり、個人としては80分出たいが、チームのことを考えれば、自分が引く部分もあるかと。我慢して、お酒を飲んでストレス発散しています(苦笑)」

──山田選手がフォースと契約したが、経験者として?

「今日の試合を見ても分かる通り、スーパーラグビーだけでなく、今シーズン、すごい勢いをチームに与えてくれた選手です。成長したいという思いも持っていて、ジャパンにも欠かせない選手です。フォースの他の選手は知りませんが、チャンスだと思います」

パナソニック ワイルドナイツ
山田選手

山田章仁選手

(SRウェスタン・フォースとの契約締結を受けて)

「フォースの一員として、レベルの高いスーパーラグビーでできることを非常に嬉しく思っています。お世話になったパナソニックのためにも、パース(ウェスタンフォースの本拠地)で頑張ってやっていきたいと思います」

──契約について詳しく?

「漠然と海外挑戦を考えていましたが、チームメイトが何人も海外へ行くのを見て、レベルを上げたいと思うようになりました。今回、この話が来て嬉しいですが、まだ、ジャージーに袖を通すまでは分かりません」

──どんなモチベーションで?

「ワールドカップまでに自分のレベルを上げて、良い経験をプラスしたかったので。ずっと海外でプレーしたいという思いがあるので、ようやく叶ったと」

──どんなプレーを?

「チームの中で、良いところも悪いところもあると思うが、かゆいところに手が届く、チームの特色を生かせる選手になりたいと思います。特にウィングは周りに生かしてもらうポジションなので、チームの中の立ち位置を確かめてやっていきたいと思います」

──オーストラリアのラグビーの印象は?

「天候が良いので、走りやすい環境だと思います。プレーには比較的良いイメージしかありません」

──エディーさん(ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ)からは?

「しっかり試合に出て、立ち向かうようにと。頑張ってくださいと」

──ゲームに出られなくなるリスクもあるが?

「日本代表としてもチーム力が上がっています。もっとチームとして前進するためには、個人としてもやらなくてはと感じました。せっかく頂いたチャンスですから、ワールドカップに生かしていきたいと思います」








マン・オブ・ザ・マッチはパナソニック ワイルドナイツ4番、三上匠選手

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