セカンドステージ第6節 マッチサマリー(パナソニック 38-13 キヤノン)
パナソニック ワイルドナイツ 38-13 キヤノンイーグルス セカンドステージ・第6節 グループA パナソニック、前半苦戦するも最後は貫録勝ち 2015年、トップリーグでは年内最初の日程となったセカンドステージ グループA第6節パナソニック ワイルドナイツとキヤノンイーグルスの試合は、年末年始にかけての厳しかった寒さが少し緩んだ快晴の駒沢陸上競技場で行われた。 パナソニックのキックオフで試合開始。前半序盤は、お互いに主導権を取るべくエリアを意識したキックの応酬が続く。最初に先制したのは、パナソニックだった。前半8分、キヤノンのオフサイドで得たPKをSOベリック・バーンズが決め3-0とする。 キヤノンもすぐに反撃する。前半11分。パナソニックの反則で得たPKをタッチキックでゴール前5m付近まで運ぶ。マイボールラインアウトでモールを形成。モールは押し戻されるが、ボールをキープしながらフォワードで2回、3回とサイド攻撃でゴール前まで迫る。最後は、FLレイルア・マーフィーが持ちこんでトライ、3-5(ゴール成功3-7)となった。マーフィーは、トップリーグデビュー戦で初トライを上げた。 パナソニックのトライは、前半14分。キヤノンボールのラインアウトをスティール。ボールはSOバーンズからFB笹倉康誉につながり、ポイントとなる。出たボールをSOバーンズが飛ばしパスでWTB山田章仁へ。WTB山田はライン際を快走しフルバックがディフェンスに来たところにSOバーンズにリターンパス。SOバーンズがそのままトライを決め8-7(ゴール失敗)となった。 その後、キヤノンは17分、32分にWTB原田季郎がPGを決め8-13とした。 後半は、前半の接戦とはうって変わってパナソニックの一方的な展開となる。後半2分、LOダニエル・ヒーナンのトライ20-13(ゴール成功)を皮切りに、後半から途中出場したHO堀江翔太が、16分にトライ27-13(ゴール成功)。その後、21分のPG成功30-13をはさみ、23分PR稲垣啓太がトライを上げ35-13(ゴール失敗)とし試合を決定づけた。 前半、キヤノンがブレイクダウンのボールの奪い合いやディフェンス等で互角以上の戦いをし、スコアイーブンで折り返した試合であった。しかしながら終わってみれば、後半の戦い方を修正したパナソニックが、貫録勝ちし、勝ち点5ポイントを上げグループAの首位をキープした。パナソニックは、第7節のヤマハとの最終戦の結果を待たずに「プレーオフトーナメント LIXIL CUP 2015」への進出を決めた。マン・オブ・ザ・マッチは、パナソニック後半の攻撃の火付け役となったLOダニエル・ヒーナンが獲得した。 ● 記者会見ダイジェスト ●
キヤノンイーグルス 永友監督(左)、和田キャプテン 永友洋司監督 「明けましておめでとうございます。ラグビーシーズンが続いていますので、よろしくお願いいたします。試合を振り返って、両チームともシーズン終盤になって怪我人が出て、ベストの布陣が敷けない状況になっています。そういった布陣でも、勝ちきる強さ、トップリーグの底力をパナソニックさんに感じました。パナソニックさんの素晴らしいラグビーに我々のラグビーが通じませんでした。我々も若い、トップリーグデビューしたメンバーがいます。ポジティブにとらえて、残りの試合をしっかり、やっていきたいと思います」 ──前半はキヤノンらしい自信が感じられたが? 「前半のトライは近場のディフェンスでは勝てないので、当然、自分たちの強みを生かして、10番の回りをどうアタックするかにフォーカスしてきました。ラックサイドのターンオーバー含め、選手が遂行してくれましたが、全般ではやりきれませんでした。後半はパナソニックさんはすごく熱くなって、ヒーナン選手の宇佐美へのすごいヒットをはじめ、我々が攻めようとしたところでの修正能力の高さを見せ付けられました。悔しいけれど、7割くらいの力で勝てるというイメージでした。戦い方に余裕があります」 和田拓キャプテン 「本日はありがとうございました。ここ何試合か、後半に点が取れない試合があり、今日も前半は良いディフェンス、ターンオーバーがありましたが、特に後半はブレイクダウン周辺のところを行かれました。ゲームコントロールは僕の責任ですが、うまく行かなかったところがありました。ディフェンスが頑張れば、良いトライも奪えますので、シンプルなことだと思うので、しっかり、やっていきたいと思います」 ──うまく行かなかった理由は? 「蹴られたとき、ターンオーバーの時のリアクションが遅く、ランナーがいないことがありました。コールがきまらないこともあり、セットすることが大切だと思います」 ──実際感じた質の高さとは? 「どのゾーンでボールを持っても、落ち着いていて、狙いどころがしっかりしています。ランナーがすごく速くて、どこにでも人がいる印象があります」 パナソニック ワイルドナイツ ディーンズ監督(右)、田中ゲームキャプテン ロビー・ディーンズ監督 「今日の結果はうれしく思います。この試合含め、ハードな戦いをしなければいけません。前半はキヤノンさんのブレイクダウン周辺のプレッシャーが激しく、苦戦しましたが、後半は、ある程度修正して、プレーできたと思います。6連戦で非常に疲れてパフォーマンスは良くなかったが、後半は、自分たちから相手に当たって良い仕掛ができたと思います。ヒーナン選手も復帰して良いプレーがありましたし、百武選手も80分プレーを経験できました。リザーブ含めて良かったと思います」 ──ハーフタイムの指示は? 「一番大事なメッセージは相手を動かす前に、自分たちから動くことでした。ボールを外まで動かして、逆目を攻めようということです」 ──堀江キャプテンを入れたら流れが変わったが? 「翔太については、ずっとラグビー、ラグビーで来ているし、チームの若手にもチャンスを与えたいので、両方のバランスをとっています。選手の体力を考え、マネージメントしています」 ──プレーオフの出場が決まって、最後の試合のモチベーションは? 「タフなプールなので、この段階で決まってうれしく思います。サントリーさんが、順番としてはトップ4から離されています。この一番で、作り上げたシーズンの戦いの勢いを落としたくないし、そこのバランスだと思います。ここからシーズンの仕切り直しになりますので、プレーオフは別の大会だとイメージしています」 田中史朗ゲームキャプテン 「今日の試合は、今季初めての相手で、しっかりパナソニックの全力を出していこうと臨みました。前半はコミュニケーションが不足し、小さいミスもあり、プレッシャーを受けてしまいました。後半は良いディフェンスとコミュニケーションができて、良いフェーズを重ねて勝てたと思います。最終的に点差は開きましたが、僕たちが狙うのは、まだ上なので、日本一のチームをつくっていきたいと思います」 ──相手へのタックルが決まっていたが? 「前半は少ししんどい試合をしていましたが、相手の選手も孤立していたので、そこのところを狙えました」 ──30歳になるが、どんな年にしたいか? 「パナソニックとしては、もちろん、2冠を取ることです。個人としては、一つ一つレベルアップしたいですし、年下をケアして、子供たちに指導したいと思います」 マン・オブ・ザ・マッチはパナソニック ワイルドナイツ5番、ダニエル・ヒーナン選手
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