「ワイルドカードトーナメント 1回戦」マッチサマリー(NTTコミュニケーションズ 12-16 リコー)

NTTコミュニケーションズ
シャイニングアークス
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
12 合計 16
9 前半 10
3 後半 6
リコー
ブラックラムズ
リコーブラックラムズ

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 12-16 リコーブラックラムズ

ワイルドカードトーナメント 1回戦
2015年1月24日(土)11:40キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

前半26分、この試合で両チーム通じて唯一のトライを上げたリコーブラックラムズが、その後も2PG加える一方、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスを4PGだけに抑えて逃げ切った。

冬らしい鉛色の寒空の下始まった試合は、NTTコムのSOエルトン・ヤンチースがその左足で2連続PGを決め、NTTコムが立ち上がりを6-0とリードした。それに対するリコーは、自陣からでも積極的にBKへ展開しながらミスやターンオーバーでチャンスを逃していたが、11分、FBピーターズ・ダニエルが右サイドから難しいPGを蹴り込み3点を戻す。その後リコーは、比較的狙いやすい位置でPKを得てもタッチに蹴り出しラインアウトからのアタックを選択するなど、トライへの意欲を感じさせるゲームメイク。「FWの行けそうだという声や、キッカー(ピーターズ)の意見を参考に、自分が判断した」と、試合後SH山本昌太ゲームキャプテンが語ったリコーは26分、中央付近を小刻みに繋いで相手ゴール前に迫ると、ラックから出たボールを山本からSOコリン・ボーク、CTB山藤史也と繋ぎ、最後はWTB長谷川元氣が右隅にグラウンディングした(TMO判定によりトライが認められた)。この後の難しいゴールもピーターズが決め、リコーが9-10と逆転した。

後半も、「若い1番と3番が試合ごとに成長した」(神鳥裕之監督)FWがスクラムで相手にプレッシャーをかけ、全体のボール支配でもやや上回ったリコーが、ピーターズの2PGを加えてリードを守り通した。リコーは、鋭い出足のタックルとボールキープで上回り、「セカンドステージBグループ1位のプライドと責任」(同監督)を示した。

一方敗れたNTTコムは、試合後ロブ・ペニーHCが「がっかりしている。コンタクトシチュエーションではどちらが勝っていたということはなかったと思う。レフリーとの意思疎通が上手くいかず、非常にフラストレーションが溜まった」と話したように、トライチャンスもほとんどないまま4点のビハインドで迎えたフルタイムのホーン。相手陣でのラインアウトから最後のアタックを試みたが、それも実らなかった。8チーム中2回戦を勝ち抜いた2チームのみが日本選手権への出場権を手にできるワイルドカードトーナメントは、負けたら終わり。CTB溝口裕哉主将は、「セカンドステージで全敗するなど力不足だった。ただ若い選手達が成長している」と、早くも次のシーズンに目を向けていた。(米田)

ワイルドカードトーナメント

● 記者会見ダイジェスト ●

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
ペニー ヘッドコーチ(右)、溝口キャプテン

ロブ・ペニー ヘッドコーチ

「リコーの皆様におめでとうと申し上げます。選手は頑張ってハードワークして、良い結果を求めていましたが、そこまで到達させてやれず、本当に残念です」

──ブレイクダウンで負けたが?

「どちらが優位というエリアではなかったと思います。なかなかターンオーバーできなかったのは事実ですが」

──最後の一押しが足りないシーズンだったが?

「例えば、今日はターンオーバーからペナルティを取って、キックを蹴り込んで、2つのビッグゲインがあったシーンでも、最後のパスが通らず、トライが獲れなかったところがありました。年間通して、レフリーとの解釈がうまくいきませんでした」

溝口裕哉キャプテン

「ワイルドカード1回戦で、負けたら終わり、しっかり勝とうと臨んだ試合でした。セカンドステージで連敗して、ワイルドカードでは何としても1勝しようと言って練習してきました。しかし、率直に言って、リコーさんにトライも獲れず負けて、トップ8に入ったと言えども、まだまだ力が足りないと思い知らされました。小さいところの成長が足りないと思います。今日のリコーさんはトライにこだわって、前へ前へ来ていましたが、そこで受けてしまったのが良くなかったと思います。ただ、今シーズンは若いチームで、ここまでやって来られたのは本当に良かったと思います」

──ブレイクダウンで負けたが?

「コンタクトシチュエーションの所では、うちの方がちょっと強かったと思うくらいでしたが、セットプレーはリコーさんの方が強かったです。FWが後手に回っていました。全体的には良い勝負だったと思います」

リコーブラックラムズ

リコーブラックラムズ
神鳥監督(右)、山本ゲームキャプテン

神鳥裕之監督

「まず、今日はリコーとNTTコムさんの多くのファンの前で試合できて、嬉しく思っています。Bグループの1位として、プライドと責任をもって臨んだ試合でした。Bリーグでの戦い方で接戦を勝利できたことは本当に嬉しいです。次も、負けたら終わりの試合ですので、しっかり準備していきたいと思います」

──スクラムは?

「若い二人が1番、3番で経験が浅いのですが、ゲームが続いて自信を付けてきました。安定したスクラムが組めるようになって来ました」

──なかなかトライが獲れない接戦をモノにできたのは?

「こういうゲームになると、恐らくなかなかトライが獲れないので、スコアを重ねていくしかないと試合前に言っていました。しっかりセーブできたと思います。相手は、ワイド・ワイドで来ると分かっていましたので、ハーフの所で止められたのが良かったと思います。内側の攻撃は、我々の方が少し効果的だったと思います」

山本昌太ゲームキャプテン

「今日の試合はグループAのチームに対してどこまでできるかにフォーカスしてきました。結果的に勝利できて、自分たちがセカンドステージでやってきたことが間違いでなかったと自信になる試合でした。負けたら終わりの試合が続くので、しっかり準備していきたいと思います」

──なかなかトライが獲れない接戦をモノにできたのは?

「NTTコムさんの強みであるワイドアタックを、事前にしっかりディフェンスしたことと、敵陣で我慢してボールキープし、スコアすることができたことが良かったと思います」

──9対3の時点でペナルティゴールを狙わなかったのは?

「試合中にFWとBKがうまくコミュニケーションをとって、自分の判断だけでなく、キッカーとショットするか決めていました。あそこはFWで行こうとまとまっていました」

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