プレシーズンリーグ プール戦 第1節マッチサマリー(パナソニック 39-20 Honda)

パナソニック
ワイルドナイツ
パナソニック ワイルドナイツ
39 合計 20
17 前半 10
22 後半 10
5 勝点 0
5 総勝点 0
Honda HEAT
Honda HEAT
(写真:松本かおり)

パナソニック ワイルドナイツ 39-20 Honda HEAT

プレシーズンリーグ プール戦 第1節 プールA
2015年9月5日(土)19:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

トップリーグ連覇の王者パナソニック ワイルドナイツ。
W杯参戦で主力選手も不在となるなかでの今シーズンの初戦、新戦力となる3選手(水上彰太、布巻峻介、テビタ・ツポウ)をバックローでスタメン起用。どのような試合を見せてくれるか注目が集まった。
一方、4シーズンぶりにトップリーグへ復帰したHonda HEATは王者パナソニックに対してどれだけ熱い気持ちをぶつけられるのか。
パナソニックSOベリック・バーンズのキックオフでスタートした。

試合開始直後から相手陣へ攻め込むパナソニック。ゴール前でのハンドリングミスに加え、Hondaのディフェンスも堅く、なかなかリズムに乗れない展開が続いたが、前半16分、相手陣左ゴール前5mラインアウトからFWからの連続攻撃。最後はラックサイドから抜けたLO谷田部洸太郎がポスト左付近にトライ、SOバーンズのコンバージョンゴールも成功し7-0と先制。

Hondaも26分、相手陣22m左付近のスクラムからNo.8トマシ ソンゲタがスクラムサイドを抜け、相手ディフェンスを交わしポスト左付近にトライ。FB森田諒のゴールも成功し7-7と同点にするが、直後の28分、パナソニックはキックオフのこぼれ球を相手陣10m付近で獲得し連続攻撃。最後は前半21分からWTB北川智規ゲームキャプテンとの入替で出場していた児玉健太郎がポスト左脇にトライ(ゴール成功)。14-7とする。
37分には相手陣ゴール前中央でのペナルティーのチャンスから、SOバーンズがPGを成功させ17-7と広げる。

前半終了間際の41分、Hondaは相手陣22m付近で得たペナルティーのチャンスでFB森田諒がPGを確実に決め、17-10で前半が終了。

後半はHondaのキックオフで再開。
後半3分、パナソニックは自陣5m付近でのペナルティーから速攻で仕掛け、相手陣右10m右付近のラックからBKに展開。SOバーンズが相手ディフェンスラインにできたスペースを抜け出し大きくゲイン、左サイドへのロングパスが繋がらずボールがグラウンドに転がるも最後はWTB児玉健太郎がボールを拾い上げ、ゴール右スミへ飛び込んでトライ(ゴール成功)し24-10。

Hondaも10分、相手陣35m付近でのペナルティーからSO古屋孝広がPGを決め24-13と詰め寄るが、直後の12分、パナソニックは相手陣左20m付近のラックからBKに展開。ブラインド側にいたWTB児玉健太郎がサインプレーで参加、相手ディフェンスを交わし、そのまま30m走り切って右中間にトライ(ゴール成功)。19分にも自陣15m中央でのターンオーバーからSOバーンズが相手ディフェンスラインの裏にキック、相手が取り損ねたボールをHO設樂哲也が獲得してゴール右スミにトライ(ゴール失敗)。22分には相手陣30m中央付近からSOバーンズがPGを決め39-13と差を広げる。

最後まで熱い気持ちを忘れないHondaは試合終了のホーンが鳴った42分、相手陣ゴール前10m中央付近で得たペナルティーからスクラムを選択。スクラムから右に展開しサインプレー、最後はスーパーラグビー(ブルズ)でのプレー経験や、南アフリカ代表キャップを持つWTBビヨーン・バッソンが持ち前のスピードで抜け出し、ポスト右付近にトライ。SO古屋孝広のコンバージョンゴールも決まったところでノーサイド。
39-20でパナソニックが勝利し、勝点5を獲得した。パナソニックは新戦力の3選手もフル出場、チームの勝利に貢献した。
マン・オブ・ザ・マッチには、パナソニック ワイルドナイツ HO設樂哲也選手が選ばれた。

次節、パナソニックは初戦のNECグリーンロケッツ戦で勝利したトヨタ自動車ヴェルブリッツと北海道(月寒)で、HondaはNECグリーンロケッツと地元である三重(鈴鹿)で対戦する。
(橋本 光一)


● 記者会見ダイジェスト ●

Honda HEAT

Honda HEAT
藤本ヘッドコーチ(右)、元FWリーダー

藤本知明ヘッドコーチ

「本日、4季ぶりのトップリーグの試合でした。この場に立てたのはチームとして良い経験です。試合は前半から気持ちが入り過ぎて自分たちでピンチを作ってしまったと思います。スクラムは良い出来でした。ラインアウトは修正せねばなりません。もう一度チームとしてフィックスしていきたいと思います

──この時期に注力していることは?

「まず、レベルとしてセットピースが通用しなくては。アタックもディフェンスも、その中でボールをどう動かすかに力を入れてきました。今日は自分たちのストラクチャーがない中でやりました。しかし、パナソニックさんは隙がない。自分たちのミスを得点につながれました」

元公法FWリーダー

「4シーズンぶりでトップリーグに帰って来て、ゲームを楽しめました。ミスも重なりましたが、ミスの後のディフェンスやスクラムでプレッシャーを掛け続けられたのは良かったと思います。パナソニックさんのプレッシャーの下、良いプレーができました。1週間後、さらに成長した姿をお見せしたいと思います」

──この時期に注力していることは?

「しっかりセットピースからファーストフェイズでボールをスペースに運ぼうとやってきました。プレシーズンマッチとはいえ、今日に一つのピークを持ってきましたが、パナソニックさんに組織的に守られました。ラインブレイクした時も、しっかりディフェンスして皆が返っていました。見習いたいと思います」


パナソニック ワイルドナイツ

パナソニック ワイルドナイツ
ディーンズ監督(右)、北川ゲームキャプテン

ロビー・ディーンズ監督

「こんばんは。(と日本語で、以下は英語で)今日の試合については非常に満足しています。しっかりやろうと選手が皆動いて、やってくれました」

──練習試合としてやっているチームもあるが?

「プレシーズンマッチは非常に重要です。このチームのメンバーにとってここがトップリーグだと思ってやってほしいです。初めての選手も多いので、プレシーズンのパフォーマンスがトップリーグのセレクションにつながっています」

──児玉選手たちのパフォーマンスは?

「1年目のバックロー3名は、観客の皆様は1年目と思わなかったのではないでしょうか。児玉選手の3トライも素晴らしかったです」

北川智規ゲームキャプテン

「自分としては何もせずに終わってしまって、選手たちには楽しもう、勝ち切ろうと言ってきましたが、締まりが良くなかったと思います。成長した部分とそうでない部分が見えた試合でした」

──練習試合としてやっているチームもあるが?

「自分たちがやってきたことを出す場面だと思っています。先週、この試合のセレクションと位置付けて臨みましたが、練習試合でチャレンジできる部分はあると思います。公式戦として、秩父宮でこの新調のジャージを着けられるということで、選手たちは凄いパフォーマンスだったと思います」

──児玉選手たちのパフォーマンスは?

「酷な話ですね(苦笑)。同じポジションで。スピードはあるし、あとは経験です。秩父宮で60分、僕も健太郎に負けないように切磋琢磨していきたいと思います。あと二人も一年目と思えないくらいの働きでした。ご飯に連れて行っても、自分のやりたいプレーを話してくれるので、やりやすいと思います。よく溶け込んでくれています」





マン・オブ・ザ・マッチはパナソニック ワイルドナイツ2番、設樂哲也選手

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