プレシーズンリーグ トーナメント戦 1回戦マッチサマリー(トヨタ自動車 14-30 神戸製鋼)
(写真:山口勝一、林美菜子)
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トヨタ自動車ヴェルブリッツ 14-30 神戸製鋼コベルコスティーラーズ プレシーズンリーグ カップトーナメント 1回戦 プレシーズンリーグもいよいよ決勝トーナメント。晴天に恵まれた花園での1回戦はプールA1位のトヨタ自動車とプールC1位の神戸製鋼との対戦になった。 試合は神戸SO山中亮平のトヨタ陣奥深へ蹴り込んだキックオフで始まった。インゴールに入ったボールをタッチに逃げようとするトヨタのキックを神戸キャプテン右FL橋本大輝がチャージ。いきなり得点かと会場をわかす。 前半10分、トヨタはBDからターンオーバーし自陣から神戸陣に攻め込み、ゴール前30m左中間で得たPGをSO文字隆也が決めて3-0と先制する。15分にも同じ位置からPGをSO文字が決めて6-0とリードをひろげた。 後半5分、神戸はゴール前20m中央ラックより後半から入ったSH21番アンドリュー・エリスがSO山中に繋ぎ、絶妙の右キックパスを右WTBアンダーソン フレイザーがインゴールでキャッチし、この試合初のトライを右中間に押さえ6-8と逆転した。 26分、神戸はゴール前35m中央からSO22番 田邊がPGを決め9-18と引き離しにかかる。33分、ゴール前15m左中間スクラムからNo.8 19番 前川鐘平がサイドアタックし相手のタックルを振りほどき左隅にトライ、9-23と追加点をあげた。 二転三転したおもしろいゲーム展開、両チームのFW対決、セットプレーからの攻撃と防御、我慢比べと、非常に見ごたえのある試合だった。MOMには神戸製鋼コベルコスティーラーズの右WTBアンダーソン フレイザーが選ばれた。 ● 記者会見ダイジェスト ●
トヨタ自動車ヴェルブリッツ 菅原監督(左)、滑川ゲームキャプテン 菅原大志監督 「今日のゲームは大阪だったが豊田からも多くのファンに駆けつけていただき、トヨタの変わった部分を見せることができた。前半はセットプレーやディフェンスの時間が長かったが、良いプレーも多く見られたし、トヨタらしく激しく神戸の激しいアタックを凌ぐことができた。ただ後半については、やはり最後のところで神戸に持っていかれてしまったことは残念だった。今日のゲームで感じたことはやはりセットプレーが重要であり、トヨタも基本部分を重視して取り組んできたにもかかわらず、最後の時間帯には基本部分がとても重要になると改めて実感できた。来週の東芝戦に向けて、この一週間でもう一度基本部分とセットプレーの両面を強化し、良いゲームをするとともにレギュラーシーズンにつなげていきたい」 滑川剛人ゲームキャプテン 「今シーズン初めての大阪での公式戦で、多くのファンに応援してもらえてとても幸せだった。試合の内容としてはやはり神戸製鋼の強いFW、巧いBKにプレッシャーをかけられた。ただ前半はトヨタの進化したアタック、ディフェンスを見せることができた。後半は神戸製鋼のプレッシャーを受けてこのような結果になったが、このプレッシャー下でトヨタのラグビーをやりきるために、今後一週間でもう一度トヨタらしさを取り戻し、東芝戦に臨みたい」 ──レギュラーシーズンに向けての課題、目標は? 菅原監督 「今年のプレシーズンリーグを良い機会ととらえて、春からやってきたトヨタのベース・ゲームがあと1試合できることで、レギュラーシーズンに向けたトヨタの基盤を強化していきたい」 神戸製鋼コベルコスティーラーズ クッツェー ヘッドコーチ(右)、佐藤選手 アリスター・クッツェー ヘッドコーチ 「最初は非常にタフな試合だった。トヨタは大きくフィジカルなチームで、とても良いプレーをしていた。スタートが良くなければプレッシャーを受けてしまう。前半開始直後には得点のチャンスがあったが、そこをモノにできなかったことで流れが大きくトヨタに傾いた。そこでフラストレーションをかかえてペナルティを重ねてしまった。ただ前半の最後の10分間と後半はとても良いプレーができた。ボールを持ってアタックする際にプレッシャーをかけ続けることができた。フィットネスとコンディショニング両方で、最後の最後まで強いパフォーマンスをキープしながら戦うことができた。プレシーズンリーグではあるが、チームとしての良い勢いは作ることができており、決勝まで進めたことはとても良い結果である」 佐藤貴志選手 「フィジカルに強いトヨタ相手にこのような良いゲームができて、自分たちの強みを再確認することができた。また選手全員が自信を持てるゲームであった。内容的にはこの試合を、次の相手に対してもう一度再現していくことが我々の役割である」 ──ハーフタイムでどういう指示を出したか? クッツェー ヘッドコーチ 「まずは我慢しようと話した。前半もやるべきハードワークはきちんとできているので、我慢することとプランを守り続けることを完遂しようと話した」 マン・オブ・ザ・マッチは神戸製鋼コベルコスティーラーズ14番、アンダーソン フレイザー選手
(記事:鈴木博之、石川悟、丸井康充) |