プレシーズンリーグ トーナメント戦 2回戦マッチサマリー(NTTコミュニケーションズ 48-25 キヤノン)

NTTコミュニケーションズ
シャイニングアークス
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
48 合計 25
10 前半 18
38 後半 7
キヤノン
イーグルス
キヤノンイーグルス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 48-25 キヤノンイーグルス

プレシーズンリーグ ボウルトーナメント 決勝戦
2015年10月10日(土)14:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

今シーズン国内では、W杯開催に併せて実験的・革新的なスタイルを導入した「プレシーズンリーグ」も最終週に突入。代表選手のいない戦いとなるプレシーズンでは各チーム戦力の厚みを確かめ、新戦力や成長著しいプレイヤーを発掘できる試みでもある。

曇り空の中、キヤノン側キックオフで始まった前半開始2分、NTTコムのオフサイドの反則に続き19分SOヤンチースが反則の繰り返しの為、シンビンによる一時退場。ともにWTB森谷がペナルティキックを確実に決めて6-0とキヤノンリード。
続く25分には自陣深くからボールを繋ぎ最後はSO和田がトライ。ゴールキックも決まり、13-0とキヤノン優位にゲームを進める。32分にはキヤノン側反則によるペナルティキックをSOヤンチースが決めて13-3と、追撃の気勢を高めるも直後の33分、NTTコム側のハイパントキャッチミスを突き、キヤノンFBマイケル・ボンドがトライを奪い18-3とリードを広げた。

反撃に転じたいNTTコムは前半終了前の37分、SOヤンチースによるキヤノン側ディフェンス裏へのショートパントを拾って繋ぎ、最後はFL八藤後がトライを決め18-10と差を詰め後半戦に望みを託した。

前半を良い形で終えたNTTコムは開始2分LOヴィリー・ブリッツがハーフウェイライン付近から抜け出し左サイドを攻め、サポートのWTB小泉へ繋いでトライ。続く後半8分にはキヤノン陣ラインアウトから大きく波状攻撃を展開して最後はHO三浦がトライ。SOヤンチースがゴールキックを決めて18-24と一気に逆転した。

その後は一進一退の攻防が続いた。キヤノンFBマイケル・ボンドがトライを決めれば直後の14分にはNTTコムFL金のトライによって、流れが一気にNTTコム側へと傾いた。
16分HO三浦、24分にはこの日2本目となるFL金が立て続けにトライを奪い、粘るキヤノンを突き放した。終わってみれば25-48、NTTコムの勝利。

NTTコム ロブ・ペニーヘッドコーチの選手起用の試みは、SOヤンチース、FBに本来のポジションである小倉を起用した点は今後の注目に値する。SOのポジションには川本や小野寛智ら才能のある選手も在籍し、11月からの新シーズンでの起用からも目が離せない。
キヤノン側の収穫としてはプレースキッカー三友に変えて、今年2年目のWTB森谷が安定したゴールキックを決めることができた点が大きな収穫。両チームともに新シーズンに向けて新しい選手も出てきた点、バックアップメンバーの層が厚くなったこともプレシーズンリーグの産物であった。
(志賀 剛)

● 記者会見ダイジェスト ●

キヤノンイーグルス

キヤノンイーグルス
永友監督(右)、庭井ゲームキャプテン

永友洋司監督

「本日はありがとうございます。プレシーズンで5試合、いろいろな選手をテストできて、収穫がありました。今日の試合は前半、最後のプレーで獲られてしまったり、後半最初に獲られたりと要所の失点でペースがつかめませんでした。残りの時間を開幕戦に向けて、メンバーを固めていきたいと思います」

──小野澤宏時選手については?

「2年ぶりに、小野澤が2試合フルゲーム出られたのは、我々にとって明るい材料でした。トップリーグに入ると、コンディションが大切になります。大きな怪我なくプレシーズンを乗り切り、小野澤も80分グラウンドに立てたのはオプションが増えて明るい材料です」

──橋野キャプテンは?

「トップリーグ最初から勝負なります。この時期に無理させたくないので、ドクターストップがかかった訳ではないのですが、開幕戦に立たせるために、急遽メンバー変更をしました」

庭井祐輔ゲームキャプテン

「本日はありがとうございます。キヤノンとして、ブレイクダウンでプレッシャーを掛けられ、終始苦戦してこちらのテンポが出せませんでした。前半の中盤に良い形もあったが、後半、要所で獲られてしまいました。自分たちの集中を欠いたところもあり、こういう点差に繋がったと思います。まだ、完成していないチームです。ここから開幕戦に向けて仕上げていきたいと思います」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
ペニーヘッドコーチ(右)、金ゲームキャプテン

ロブ・ペニー ヘッドコーチ

「本日はありがとうございます。目標は達成できませんでしたが、8か月努力した結果が出ました。我々がプレーしたいラグビーができていたと思います。ここから集中して自信をもって開幕戦に臨みたいと思います」

──開幕戦までにどういう修正を?

「キヤノンの2トライはミスからのトライで、自分たちの方が3、4チャンスあったと思います。とてもシンプルにプレッシャーを掛けることができれば、チャンスが回ってくるし、良い流れがつかめると思います」

──ヤンチース、小倉選手のアタックは?

「似たような形でアタックして行けると思います。若い選手も育って来ましたので、自分たちの形でやっていきたいと思います」

──金正奎選手の評価は?

「与えられた能力のある若い選手です。人としても、素晴らしい選手です。課題としては、ブレイクダウンで強く生き残ることと、タックルの精度です。日本代表もぜひ注目してほしい選手です」

金正奎ゲームキャプテン

「まず、このような場を提供していただいた協会関係者の皆様にお礼申し上げます。当初の目標は達成できませんでしたが、ミーティングでマインドチェンジして、NECさん、キヤノンさんに勝てて、結果的に次に繋がる良いプレシーズンだったと思います。今日の試合は前半はちょっと良くなかったのですが、先週からのメンバーが、後半、しっかり修正してくれました。後半、入りの10分で2トライ獲ろうとして、しっかりハマったと思います。勢いに乗って、勝つことができましたが、後半出せたものを前半から出せればこのチームはもっと良くなると思います」

──課題としては?

「まだ、自分の力に満足できないし、タックルの正確性、ブレイクダウンの激しさなど、まだまだ成長できると思います。展開ラグビーのリンクプレーヤー、コンティニティプレーヤーとして、BKのプレーもできるFWの強みとして出せれば、チャンスが広がると思います。もちろん、リーダーシップもとっていこうと思います」

RELATED NEWS