トップリーグ2015-2016 第4節 マッチサマリー(豊田自動織機 12-27 神戸製鋼)

豊田自動織機
シャトルズ
豊田自動織機シャトルズ
12 合計 27
12 前半 5
0 後半 22
0 勝点 5
4 総勝点 15
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
自陣ゴール前で体を張る神戸製鋼LO中島ヴァカウタイシレリ選手と伊藤鐘史選手

豊田自動織機シャトルズ 12-27 神戸製鋼コベルコスティーラーズ

トップリーグ2015-2016 第4節 グループB
2015年12月6日(日)13:00キックオフ/愛媛・ニンジニアスタジアム(愛媛県総合運動公園陸上競技場)

神戸製鋼が後半一気に逆転し勝ち点5をゲット

ここまで1勝2敗の豊田自動織機と前節、NTTドコモに1点差で敗れ2勝1敗となった神戸製鋼の対戦は、2017年愛媛国体に向けて改修工事が進む愛媛県・ニンジニアスタジアムで開催された。

2003-2004年シーズンに始まったトップリーグも今シーズンで13年目。愛媛での開催は8回目である。最初2回の開催では3000人を超える集客を得たが、その後は2000人前後に低迷。しかし今シーズンは、ワールドカップをきっかけとしたラグビーブームで愛媛開催として過去最高の3370人の観客が詰めかけた。

ゲームは13時に豊田自動織機のキックオフで始まった。「チャレンジャー」(松岡毅キャプテン)として神戸製鋼に挑んだ豊田自動織機は、立ち上がりから神戸製鋼陣に攻め入り、前半15分にWTB徐吉嶺のトライで先制。FB山下一のゴールも決まって7-0とリードした。神戸製鋼は前半23分に豊田自動織機のパスミスからFL橋本大輝がトライ(ゴール不成功)して5-7と追いあげるも、ここまでミスを連発し調子がでない。

前半28分には豊田自動織機がハーフライン付近からBKに展開し、WTB朝見力弥がタックラーをかわして独走トライかと思われたが、その前にスローフォワード。しかし前半34分、神戸製鋼が攻め込んだ場面でのインターセプトから、豊田自動織機SOマーク・ジェラード→FB山下とつながり、山下が走り切ってトライ(ゴール不成功)。12-5と神戸製鋼を突き放して前半を終えた。豊田自動織機の出来の良さが目立った前半であった。

しかし、ハーフタイムにアリスター・クッツェー ヘッドコーチから、個人個人の仕事を果たすよう指示を受けた神戸製鋼は後半立ち上がりから一気にギアチェンジ。後半2分にスクラムから数度縦を攻めた後、左に展開しWTBアンダーソン フレイザーが左隅にトライ。ゴールキックは不成功も10-12と追い上げた。さらに後半6分にはモールを押し込んでFL前川鐘平のトライで逆転。SO山中亮平のゴールキックも決まって17-12とした。さらに後半17分にはCTBジャック・フーリーがトライ(山中がゴール成功)、23分には山中がPGを決めて27-12とリードを広げた。

しかし残り時間10分となった頃からは、豊田自動織機が再び猛攻。ゴールライン前で攻め続けたが、神戸製鋼の堅い守りに結局トライラインを割ることができず、15点差のままノーサイドとなった。

勝った神戸製鋼は、4トライ以上のボーナスポイントも得て勝ち点5をゲット。第4節を終えてグループBで4位、豊田自動織機は6位となった。

マン・オブ・ザ・マッチは神戸製鋼のLO中島ヴァカウタイシレリ選手。反則を犯すことなく、ひたむきに体を張り続けた。

前半立ち上がりからゴール前に攻め込んだ豊田自動織機

● 記者会見ダイジェスト ●

豊田自動織機シャトルズ

豊田自動織機シャトルズ
丹生ヘッドコーチ(右)、松岡キャプテン

丹生雅也ヘッドコーチ

「神戸製鋼さんにチャレンジということで、前半の入りから我々の持てる力を出し切るつもりで戦いました。前半の出来はすごくよかった。後半も前半同様で臨みましたが、自分たちのミスから神戸製鋼さんに勢いを与えてしまいました。チームとしては課題を少しずつ改善できているので、また来週に臨みたいと思います」

松岡毅キャプテン

「僕らはチャレンジャーなので、先制パンチをくらわして、前半から仕掛けて行こうと話をしていました。その点ではすごくいい入りができました。後半も意識を確認して臨みましたが、入りのところでいくつか大きなミスが出てしまいました。そういうミスを見逃さず、神戸製鋼さんはスコアにつなげました。そこが敗因と思います。またゴール前に何度も迫って、あれだけ攻めて、2トライしか奪えなかった。ここは課題と思います。修正したいです」

──前半リードしたことで、後半立ち上がりのアグレッシブさがなくなったように見えたが、どうか?

松岡キャプテン

「神戸製鋼さんはこのままでは終わりません。必ずスイッチを入れて攻めてくることは分かっていましたので、相当集中力を高めて後半に臨んだつもりでしたが、神戸製鋼さんの集中力がすごかった。それと自らの大きなミス。その両方で神戸製鋼さんに流れが行ってしまいました」

前半34分 神戸製鋼BKのパスをインターセプトした豊田自動織機。SOジェラード選手からFB山下選手に渡りトライ

神戸製鋼コベルコスティーラーズ

神戸製鋼コベルコスティーラーズ
クッツェー ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン

アリスター・クッツェー ヘッドコーチ

「今日のゲームで一番重要なのは勝点5をとって勝つことでした。そういう意味ではミッションは完遂しました。ただチームとしては、前半の出来はハッピーではありません。個人的なシンプルなミスが多かった。後半見せたプレーが我々のしなければいけないプレーです。そうしたプレーを80分間+αの時間できるようになることが重要です」

橋本大輝キャプテン

「先週に続いて、ベーシックなスキルの点でミスが出て、前半はああいう展開になってしまいました。後半は自分たちの流れを取り戻すことができたので、次に向けて修正していきたいと思います」

──ハーフタイムに具体的にどのような指示をしたのか?

クッツェー ヘッドコーチ

「もしできるならば選手を鞭で打ちたかったのですが(笑)、選手へはシンプルなメッセージを出しました。チームとしていいプランがあるので、選手1人1人が自分の仕事をすることを徹底しました。うちのチームはペナルティの少ないチームではありますが、重要な局面で反則を犯すことがあるので、そこを減らすように指示しました。それがゲームコントロールにもつながります」

──前半ミスが多かった原因は? メンバーが変わったことにあるのか?

クッツェー ヘッドコーチ

「今週から新たにリーグ戦に先発出場した選手が何名かいますが、それは言い訳にはしません。それ以外の選手もミスをしていたからです。ミスを多く犯したことはハッピーではありませんが、勝点5を得ることができたのはハッピーです。そういうミスを少なくするために厳しい姿勢で修正していきたいと思います」

後半残り時間10分で自陣ゴール前に攻め込まれた神戸製鋼だが、FWの戻りが速く、トライラインを割らせない

マン・オブ・ザ・マッチは神戸製鋼コベルコスティーラーズ4番、中島ヴァカウタイシレリ選手

キックオフ前に2017年愛媛国体のマスコット「みきゃん」がチアリーディング

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