トップリーグ2015-2016【順位決定トーナメント】13位決定戦 マッチサマリー(コカ・コーラ 22-27 リコー)

コカ・コーラ
レッドスパークス
コカ・コーラレッドスパークス
22 合計 27
7 前半 12
15 後半 15
リコー
ブラックラムズ
リコーブラックラムズ

コカ・コーラレッドスパークス 22-27 リコーブラックラムズ

トップリーグ2015-2016【順位決定トーナメント】13位決定戦
2016年1月23日(土)14:00キックオフ/東京・駒沢陸上競技場

今冬最大の寒波の中、曇天の寒空のもと駒沢陸上競技場に2,500名の熱心なファンがつめかけた。
コカ・コーラレッドスパークスは、リーグ戦で惜敗したNTTドコモレッドハリケーンズ相手に後半の中盤に追い上げられたものの、最後まで試合を支配し完勝。
一方のリコーブラックラムズもSOフォーリーとCTBロトアヘアがチームとして機能し、NECグリーンロケッツに完勝と、両チームとも前節に今シーズントップリーグ初勝利をあげ、13位・14位の順位決定戦を迎えた。

リコーブラックラムズのキックオフで始まった試合は、立ち上がり両チームともテリトリーを意識したキックで試合序盤の様子を見る展開。
先制はコカ・コーラレッドスパークス。
前半7分にリコーのペナルティーからラインアウトを選択し、リコーゴールライン5m付近の左サイドのラインアウトからモールで押し込みFWが近場を攻め込み右のBKラインに展開。9番江頭、10番福田とつなぎ、最後は15番山田が抜け左隅に先制トライ。難しい角度のゴールも成功させ7対0と先制した。

コカ・コーラはワイドにボールを動かし、終始試合のペースを掴む。
15分にリコーのペナルティーからまたラインアウトを狙い、FWがラインアウトモールから執拗に近場を攻めたて、堪らずリコーがペナルティー。今度はスクラムを選択しNO.8豊田が持ち出すが、ゴールラインまでは届かず追加点を奪えない。

リコー陣内での試合が続く中、21分にハーフライン付近のラックから、リコー9番山本が約30mを走り抜け最後はフォローした2番芳野がゴール中央にトライ。ゴールも成功させ7:7の同点に追いつく。

リコーはSOフォーリーのキックを主体とした攻撃に対し、コカ・コーラは積極的にボールをワイドに動かす展開。お互いに攻め込みながらも、イージーミスで返され一進一退の状況が続く。

リコーは前半40分のフォーンが鳴った後、ハーフライン付近のラックから左へ展開し、9番山本→10番フォーリー→12番ロトアヘア→10番フォーリー→11番渡邊と繋ぎ左隅にトライ。10番フォーリーのキックはゴールポストに当たりノーゴールとなったが、12:7とリコーブラックラムズが逆転しハーフタイムを向えた。

コカ・コーラのキックオフで始まった後半、コカ・コーラはマイボールのキックオフを確保し、そのまま攻め込み5番サム・ワイクスが抜け出し左隅にトライ。ゴールは失敗となるが12:12の同点と追いつく。後半もポゼッションはコカ・コーラが上回りボールを動かすが、リコーの速い出足のディフェンスラインをなかなかゲインできずに進み、18分にリコーは10番フォーリーがペナルティーゴール決め15:12。

コカ・コーラも15分にリコーゴール前5mでペナルティーを得て、左サイドのスクラムからブラインドを攻めるが、ノックオンとなり追加点のチャンスを潰す。
これで流れが変わり、19分にリコーが自陣10m付近のラックから6番ロトアヘアが抜け20m走りラック。9番山本から10番フォーリーと繋げてトライ。ゴールも成功し12:22と突き放しに入った。

コカ・コーラも23分に23番カミンズのゲインを足掛かりにリコー陣内に攻め込みフェーズを重ねるが、ターンオーバーされなかなか得点に結びつかない。
27分リコーは左ラックから右に展開し、10番フォーリーが二人を飛ばし、大外の14番松本がギリギリでキャッチし、倒れ込むように右隅にトライ。ゴールは失敗するが27:12となる。

ここからようやくコカ・コーラの反撃が始まる。
34分にFWがラックサイドの攻撃を続け、男子セブンズ日本代表の主将、桑水流がゴール中央にトライ。ゴールも成功させ19:27。
37分には10番福田が距離のあるペナルティーゴールを成功させ、22:27とワントライ差まで追い上げた。
しかし最後は、コカ・コーラのスローフォワードでフォーンが鳴り、リコーボールのスクラムから、6番ロトアヘアが蹴り出しノーサイドとなった。

コカ・コーラは、ポゼッション・テリトリーとも優位に進めたが、自らのミスでチャンスを潰し、一方のリコーは、少ないチャンスを確実に得点に結びつけた。
(児玉 隆一郎)


● 記者会見ダイジェスト ●

コカ・コーラレッドスパークス

コカ・コーラレッドスパークス
臼井監督(右)、山下キャプテン

臼井章広監督

「今日は寒い中、多くのファンの方々に応援に来ていただきありがとうございます。今日はリコーに走り勝つ目標で試合に臨みましたが、一人一人が差し込まれて走り負けてしまいました。今日の結果、14位となって入替戦に臨むことになりますが、入替戦では必ず勝ってトップリーグに絶対に残留したいと思います」

──今シーズンはアタックが必ずしもチームの中に浸透していないように感じましたが?

「今シーズンはアタックではグラウンド一杯にワイドに動かすことを目指しました。そうできれば、ボールをキャリーすればアタックでのチャネルの選択をできます。これを完成させるため、ドライブ、サポートの力を磨いていき、得点につなげなければいけないと思っています」

──まだ、相手チームは決まっていませんが、次戦の入替戦に向けては?

「昨年も一昨年も入替戦で戦いましたが、入替戦は一発勝負なので、何が起こるかわかりません。トップリーグで戦ってきたということで優位性はあると思いますが、相手チームもまた、優位性があると思います。入替戦ではトップリーグで戦ってきた自分たちの優位性を出し切りたいと思います」

山下昂大キャプテン

「すでに13位以下が確定し、入替戦を戦うことになっていますが、今日は、自分たちのラグビーをするということにフォーカスしました。いい準備はできましたが、今日は1対1で、リコー、特にSO(バーナード・フォリー)に走られて、自分たちのディフェンスができませんでした。次戦の入替戦へは前に向かって、しっかり準備して臨みたいと思います」

──今シーズンはアタックが必ずしもチームの中に浸透していないように感じましたが?

「アタックが単調にならないことを常に考えてきました。しかしながら、なかなか得点につながらなかったのは相手チームのディフェンスがしやすかったアタックパターンだったのかと思います」


リコーブラックラムズ

リコーブラックラムズ
神鳥監督(右)、武者ゲームキャプテン

神鳥裕之監督

「今日は今シーズントップリーグでの最後の試合になるので、勝って一つでも順位を上げて入替戦を戦おうと試合に臨みました。プレッシャーを感じてか、最後はコーラに追い上げられるというところがありましたが、この点を修正して入替戦に臨みたいと思います」

──次戦の入替戦の相手チームはまだ決まってはいませんが、どういった点を修正するつもりでしょうか?

「ディフェンスで受けに回らずに、タックルの精度を上げることを実行したいと思います。先週のNEC戦で今季のトップリーグで初の勝利を得ましたが、この試合では先週の勝利から得た自信、あるいは勝つといういいイメージと『勝てるだろう』という甘さの悪い影響の両方が出てしまいました。次戦へはこれをしっかり修正していきます」

──今日のSOバーナード・フォーリーのプレーについては?

「バーナード・フォーリーは非常にチームにフィットしてきました。フォーリーは世界のトップレベルでの経験が多く、練習でもいいパーフォーマンスを上げていました。ここへきて、チームによくフィットしてきて、高いレベルのプレーができてきたと思います」

武者大輔ゲームキャプテン

「今日はどうしても勝たなければいけないという意識のもと試合に臨みました。勝てたことは良かったですが、課題が出た点をしっかり修正して入替戦に臨みたいと思います」

──先週のNEC戦での勝利の影響はありましたか?

「相手に得点をとらせないと思ってやりましたが、最後、コーラさんに得点をとられて点差を詰められてしまいました。自分たちのラグビーをしっかりやるしかありません。苦しい場面でのピンチから、チャンスを得た後にミスがでたり、また、ボールキープを前に前に継続していくことなどのところで、うまくできていませんでした」

──今日のSOバーナード・フォーリーのプレーについては?

「これまでの試合では必ずしもバーナード・フォーリーを生かすことができていませんでした。しかし、今日はアマナキ・ロトアヘアがスターターでCTBに入り、フォーリーをうまくサポートしてくれました」







マン・オブ・ザ・マッチはリコーブラックラムズ10番、バーナード・フォーリー選手

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