今季から参入の日本チーム「サンウルブズ」など、スーパーラグビーで活躍する日本代表/トップリーグ選手を一覧にしてみました

昨年秋のラグビーワールドカップからラグビーに興味をもってくださっている方などは、いま日本ラグビーがどうなっているか、分かりにくいところがあるのではと、今回の案内を作成しました。

ワールドカップが終って日本代表が解散すると、11月からはジャパンラグビー トップリーグ が開幕し、日本代表選手たちはそれぞれの所属チームで活躍。
と、ここまではいいとしても、トップリーグが今年の1月で終了すると2月からはスーパーラグビーが開幕。このリーグでも日本の選手が多く活躍しているので、「え、この選手ってどこのチームだっけ?」「あれ、日本ではシーズンが終ったのに、スーパーラグビーはこれからなの?」「サンウルブズって、日本のチームということだけど、日本代表とどう違うの?」というような声もよく耳にします。
そのへんのところを、少しでも整理できればと思います。

■スーパーラグビーには今シーズンから参入

まず「スーパーラグビー」とは何か。
これは1996年から始まった国際的なリーグ戦で、南半球の南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランドのチームで構成、当初は12チームでした。それが徐々に発展していき、2016シーズンからは日本とアルゼンチン等が加わり、18チームとなりました。

(ちなみに北半球では、代表チームが参加する「シックス・ネーションズ」(イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズ、フランス、イタリア)が歴史ある大会。今年は2月から3月にかけて行われ、前の日本代表ヘッドコーチであるエディ・ジョーンズ氏が新しくヘッドコーチに就任したイングランドが全勝で優勝を果たしたばかり)

スーパーラグビーのチームには、数年前から一部の日本選手が契約するようになっていましたが、「チームとして」日本から参入したのは今年から。これは画期的なことなのです。そのチームが「ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ」です。

■スーパーラグビーは南半球中心。季節が反対になる

「スーパーラグビー2016」は2月26日・27日に開幕しました。7月15日・16日のラウンド17までがレギュラーシーズンとなります。日本(とシンガポール)以外の開催地はすべて南半球なので、日本の春・夏にあたるこの時期は、向こうでは秋・冬です。日本のサンウルブズは「アフリカカンファレンス1」に属し、主に日本と南アフリカで15試合を行います(ものすごい移動距離です)。
ただ、南半球の国からみると日本は遠い、アジアの他の国でも開催したい、などの事情から日本のホームゲームの一部はシンガポールで開催されます。
(サンウルブズの日程・結果はこちら。)
https://super-japanrugby.com/fixtures-and-results/

■サンウルブズと日本代表のちがい

ラグビーの日本代表になるためには、条件があります。大ざっぱに説明しますが、日本国籍を持つか、持たなくても日本で3年以上継続して住んでいて、他の国の代表になったことがない場合に資格を得ることができます。

一方、サンウルブズはプロチームであり、国の代表ではないので、上記の縛りがありません。

ですからまず、日本代表選手は、サンウルブズと兼務することができます。キャプテンの堀江選手はじめ、10名の日本代表が参加しています。
そしてサンウルブズの外国人選手は、日本のトップリーグでプレーしている選手が多くいますが、日本での経験がまったくない選手もいますし、先のワールドカップでアメリカ代表だった選手もいます。

選手の視点からみると、チームを選べるという面もあります。実際、サンウルブズではないスーパーラグビーのチームと契約している選手も上の図の通りいます。五郎丸選手はオーストラリアのチームと契約しました。

またサンウルブズには、日本代表の強化という目的もあります。2019年のラグビーワールドカップ日本大会を見据えてのスーパーラグビー参戦なのです。したがって、準日本代表的なものでもある、という理解でよいかと思います。

サンウルブズは今シーズン、あと3試合を東京で戦います。チケット情報はこちらです。ぜひサンウルブズに熱いご声援を!
https://super-japanrugby.com/ticket/

■サンウルブズの日本選手たち

ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズには3月31日現在、トップリーグから27名、大学生から2名が登録されています。
その内訳は、ラグビーワールドカップ2015のときの日本代表から10名、同バックアップメンバーから6名、上記の図の通りです。
そして、その他トップリーグと大学生から11名です。

その11名とは、
フォワード=山本幸輝(ヤマハ発動機ジュビロ)、具智元(拓殖大学)、平野翔平(東海大学)、浅原拓真(東芝ブレイブルーパス)、森太志(東芝ブレイブルーパス)、細田佳也(NECグリーンロケッツ)、宇佐美和彦(キヤノンイーグルス)、安藤泰洋(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
バックス=井上大介(クボタスピアーズ)、茂野海人(NECグリーンロケッツ)、笹倉康誉(パナソニック ワイルドナイツ)、山下 一(豊田自動織機シャトルズ)

■ラグビーばんざい、ラグビーざんまい!

なお、トップリーグからサンウルブズに参加している選手は「移籍した」わけではなく、秋のトップリーグのシーズンが始まれば、所属するトップリーグのチームに戻っていきます。選手たちは大変だと思いますが、ファンにとっては1年中ラグビーが楽しめるという幸福な状態が昨年のワールドカップ以降、続いているわけです。

2016年のいま、7月まではサンウルブズのスーパーラグビーが続きます。その合間には新しい日本代表が選出されテストマッチが行われます。特に6月18日(土)・6月25日(土)に日本で行われる対スコットランド代表戦は、昨年秋のワールドカップで日本代表が唯一敗れた相手との再戦という舞台だけに注目が集まります。スーパーラグビー後、8月にはリオデジャネイロ・オリンピックのセブンズ(男女ともセブンズ日本代表が出場します)があり、そして8月末か9月からはジャパンラグビー トップリーグ 2016-2017が開幕。

思う存分ラグビーにどっぷり漬かって楽しみましょう!

●2016年の日本代表スケジュールはこちら。
https://www.rugby-japan.jp/2016/03/10/japan_schedule_until_nov/

●男子セブンズ日本代表についてはこちらから。
https://www.rugby-japan.jp/sevens/
●女子セブンズ日本代表についてはこちらから。
https://www.rugby-japan.jp/sevens-womens/

注/このページでいう「日本代表」とは、「ラグビーワールドカップ2015(RWC2015)に出場した日本代表」のことです。

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